オープンソースカンファレンスは、オープンソースソフトウェアに関わるコミュニティと企業が一体になって開催しているイベントで、2004年9月の第1回から、コロナ禍でのオンライン開催を含めて、20年の間、全国各地で230回以上開催されています。
第1部では、OSCやオープンソースの説明も含めて、OSCの20年の歩みを振り返ります。第2部では、そもそものOSCの目的を説明し、具体的な成果に触れています。第3部では、特にコロナ禍で変わったコミュニティ運営を軸に、持続可能なコミュニティとは考えます。第4部は、各地域で開催されたOSCの思い出を振り返るとともに、「OSCと私」として、さまざまなコミュニティから17名に寄稿いただいています。第5部は、それぞれの立場からの「OSCマニュアル」ですが、20年のノウハウの塊なので、さまざまなイベント運営で参考になるはずです。
なお、本書の帯には、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏が、次のような怪しくもステキな紹介文を寄せてくれています。
日本のオープンソースを育てたOSC。フィクサー(黒幕)がその全てを独白する!
そして、著者の宮原徹氏は、本書刊行について、次のように述べています。
これまでの20年間のOSCの歩みを振り返りつつ、コミュニティのあり方について考えます。また、あまり明文化されていなかったOSC開催のために行っている業務をマニュアルとしてまとめてあるので、OSCだけでなく独自イベントを開催するのにも役立つでしょう。
本書は、単に20年の歴史を振り返るためだけではなく、それを踏まえた上で新たなOSCを作り上げていくために書かれました。そして、OSC以外のコミュニティ運営やイベント開催にこそ、OSCが辿ってきた歴史や蓄積したノウハウを余すところなく記載した本書が役に立つはずです。
○ 目次
まえがき
第1部 OSCの20年を振り返る
第1章 OSCとは何か
第2章 オープンソースソフトウェアとは?
第3章 OSCの20年
第2部 OSCの目的と成果
第4章 持続可能性の高い活動の習慣を根付かせる
第5章 企業のオープンソースビジネスを支援
第6章 地方コミュニティの活性化と地域間交流
第7章 エンジニアに対する学びの場の提供
第3部 OSCに学ぶ持続可能なコミュニティ
第8章 これからのコミュニティ活動
第9章 コミュニティの内輪感問題と世代間ギャップ
第10章 新たなコミュニティ形成
第4部 OSCの思い出
第11章 各開催地の思い出
第12章 寄稿「OSCと私」
第5部 OSC関連マニュアル
第13章 OSCの始め方マニュアル
第14章 OSC事務局のお仕事マニュアル
第15章 OSC開催当日のOSC事務局の仕事
第16章 OSC出展マニュアル
第17章 OSC参加マニュアル
あとがき
OSC年表
■書籍概要
書名 OSCクロニクル
著者 宮原 徹
定価 1,980円(税込)
発売日 2024年9月3日
書籍紹介ページ https://www.shuwasystem.co.jp/book/9784798072753.html