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2024年4月、昭和のダメおやじの不適切発言が令和の停滞した空気をかき回した『不適切にもほどがある！』、仮設住宅で切なくも逞しく生活する人々を描いた『季節のない街　シナリオ』（原作・山本周五郎／企画・宮藤官九郎）と、次々と話題の連続ドラマ（いずれもギャラクシー賞受賞）を手がけ、シナリオ集を刊行してきた宮藤官九郎。

2024年9月、今年に入って3冊目のシナリオ集、連続ドラマ『新宿野戦病院』（フジテレビ系水10ドラマ・9月11日最終回）の刊行が決定！

全11話ノーカット版シナリオにくわえ、宮藤官九郎によるまえがき、監督・河毛俊作によるあとがき、巻末特典「救急医療用語解説」を収録しています。

あらすじ

東洋一の歓楽街・新宿歌舞伎町。あらゆる人種が集い、あらゆる言語が飛び交うこの町の片隅に佇む「聖まごころ病院」。内科・小児科、泌尿器科・性病科、美容皮膚科はあるが、外科は急募状態。院長の高峰啓介（柄本明）は外科医だったが、現場にはほとんど立たず、啓介の長女、はずきはソーシャルワーカー（平岩紙）、弟の高峰啓三（生瀬勝久）は不動産コンサルタントで、その息子の高峰享（仲野太賀）は美容皮膚科医。家族経営の二次救急病院「聖まごころ病院」は存続が危ぶまれていた。そこへ、アメリカ国籍の元軍医（外科）ヨウコ（小池栄子）が降臨する。鼻腔異物、穿通性外傷、オーバードーズ、急性硬膜外血腫、墜落外傷、スタンフォードA型急性大動脈解離、眼窩低骨折、陰茎捕捉、外傷性気胸……ワケありの、しかも手に余る救急患者たちが搬送されてきて、さながら新宿野戦病院と化す。

ヨウコ「遅かれ早かれ死ぬのが人間。だからこそ、目の前にある命は平等に助ける。ウチの命、オマエの命、ビンボウの命、カネモチの命、平等に助ける」

とおる「”雑に”ね」

ヨウコ「Yes, 平等に”雑に”助ける。それが医者」

今までは救急依頼の電話がかかってきても「拒否で！」と答えていた聖まごころ病院の医師（岡部たかし、馬場徹）や看護師長（塚地武雅・ドランクドラゴン）、経理担当の白木（高畑淳子）たちも、いつしかヨウコの元軍医魂!? に感化され、救命医療に目覚めていく。かつて啓介とただならぬ関係にあった元ジャズシンガー（余貴美子）が訪ねてきて……。社会派？ホームドラマ？救命救急？果たして、命を平等に助けることができるのか？宮藤官九郎、初めての医療ドラマのシナリオ集。

著者プロフィール

宮藤官九郎（くどうかんくろう）

1970年7月19日、宮城県出身。1991年より大人計画に参加。脚本家として01年映画「GO」で第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞他多数の脚本賞を受賞。以降もテレビドラマ「木更津キャッツアイ」「あまちゃん」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など話題作の脚本を手掛ける。05年「真夜中の弥次さん喜多さん」で長編映画監督デビューし、新藤兼人賞金賞受賞。その他、俳優として映画『こんにちは、母さん』『イチケイのカラス』などに出演。また、TBSラジオ「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」ではラジオパーソナリティを務めている。