現在、横浜能楽堂は大規模改修工事のため休館中。その間は「つなぐ つながる」をキーワードに横浜の文化施設等と協力し、公演や講座を開催しています。令和6年10月19日(土)には、鶴見区民文化センター サルビアホールと連携して、鶴見ゆかりの芸能といえる琉球舞踊の公演を開催します。
大正時代以降、横浜には鶴見区を中心に沖縄から多くの人が移り住んでおり、それとともに琉球古典芸能も地域の文化として継承されています。そのため横浜能楽堂では、開館以来、琉球古典芸能の公演を定期的に開催してきました。平成26年度には企画公演「琉球舞踊 古典女七踊」で文化庁芸術祭大賞を受賞するなど、その成果は高く評価されています。
また鶴見区民文化センター サルビアホールでは、これまで主催公演で琉球古典芸能を取り上げていなかったことから、今回は二館が連携して鶴見にゆかりのある琉球舞踊の公演を開催することになりました。
出演は、昨年、横浜文化賞を受賞した鶴見在住の名嘉ヨシ子をはじめ、児玉清子や阿波連とも子など地元ゆかりの演奏者・舞踊家のほか、沖縄から重要無形文化財各個認定保持者(人間国宝)の大湾清之・比嘉聰、その他、若手・中堅の実演家として第一線で活躍する演者が揃います。
演目は、昭和期に横浜ゆかりの舞踊家により創作された「海の幸」「十七八節」をはじめ、艶やかな紅型を着て、抑制された動きで優美に踊られる古典舞踊「女特牛節(ゐなぐくてぃぶし)」「天川(あまかー)」や、美男・美女・醜男・醜女たちが繰り広げる騒動を面白おかしく描いた舞踊劇「馬山川(ばざんがー)」など、琉球舞踊のバリエーションの豊かさを体感できるプログラムとなっています。
◆琉球舞踊とは?
「芸能の宝庫」と呼ばれる沖縄で受け継がれてきた舞踊。その中でも舞台芸術として洗練されてきたものが「琉球舞踊」です。「古典舞踊」「雑踊(ぞうおどり)」「創作舞踊」の3つに分類されています。
「古典舞踊」
琉球王朝時代に中国からの使者(冊封使(さっぽうし))を歓待するための芸能として大成され、琉球古典音楽を伴奏に踊られます。
祝儀舞踊として宴の冒頭に踊られる「かぎやで風」、組踊「万歳敵討」から抜粋・再構成され、敵討ちの決意を気迫に満ちた動きで見せる二才踊「高平良万歳(たかでーらまんざい)」、艶やかな紅型(びんがた)衣裳を着て、抑制された動きで女性の美しさや恋心を表現した女踊「天川」などがあります。
「雑踊」
明治・大正時代に芝居小屋で創作された舞踊。
軽快なリズムの民謡を伴奏音楽に取り入れ、庶民の風俗を描いた娯楽性の強い作品が多いのが特徴です。
名優として知られる玉城盛重(たまぐすくせいじゅう)や伊良波尹吉(いらはいんきち)らによって「鳩間節」「浜千鳥」「加那よー天川」などが作られ人気を博しました。
「創作舞踊」
戦後に様々な舞踊家により創作された舞踊。古典舞踊や雑踊の技法を基本としながらも、
新たな可能性の広がりを感じさせる題材や曲を取り入れ、芸術志向が強いのが特徴です。
本公演では阿波連本啓(あはれんほんけい)作の「海の幸」、初代児玉清子作の「十七八節(黄泉への旅から抜粋)」が踊られます。
◆主な出演者
比嘉聰(ひがさとし)
光史流太鼓保存会所属。島袋光史に師事。重要無形文化財「組踊音楽太鼓」各個認定保持者(人間国宝)。
大湾清之(おおわんきよゆき)
安冨祖流絃聲会所属。大浜長栄に師事。重要無形文化財「琉球古典音楽」各個認定保持者(人間国宝)。
名嘉ヨシ子(なかよしこ)
琉球箏曲興陽会所属。儀保スミに師事。重要無形文化財総合認定保持者。横浜市鶴見区在住。
公演概要
横浜能楽堂・サルビアホール提携企画公演「琉球舞踊 鶴見ちゅらしま座」
【日時】 令和6年10月19日(土)
第1部 13時開演(12時半開場)
第2部 16時半開演(16時開場)
【入場料】 一般 3,000円 /こども(小学生以下)500円 (全席指定)
【お申込み】 窓口 横浜市鶴見区民文化センターサルビアホール(9:00~20:00)
電話 0120-240-540(カンフェティ/平日10:00~18:00)
WEB https://yokohama-nohgakudou.org/ticket/ ※チケット発売中
【会 場】 横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
【問 合 せ】 OTABISHO 横浜能楽堂 045-263-3055
【主 催】 横浜能楽堂(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
【共 催】 横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール