日刊工業新聞社(代表取締役社長:井水治博 本社:東京都中央区)は、書籍『素材技術で産業化に挑む ペロブスカイト太陽電池』を9月5日に発売しました。
取材を重ねてきた記者がさまざまな角度からペロブスカイト太陽電池を捉えた一冊です。また、“生みの親”である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が技術監修として携わっています。
各メーカーの研究開発と事業戦略にも触れ、事業化を目指す企業や政府の動向を紹介します。
・ノーベル賞候補にもあがる日本発の技術をクローズアップ!
ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学の宮坂力研究室で2009年に生まれた日本発の技術です。誕生からわずか15年足らずで次世代型太陽電池の本命に躍り出て、ノーベル賞の有力候補とも言われています。
薄くて軽いため高層ビルの壁面に設置して都心にメガソーラー発電所を実現できるといった特性から、脱炭素化へのカギとなる技術と期待され、国内では実証実験が始まっています。
・実用化間近な今こそ知っておくべき技術・ビジネスの動向を解説!
ペロブスカイト太陽電池の技術開発は中国、欧州で始まっていますが 素材やそれを扱う技術が性能を大きく左右するため、日本の素材・化学メーカーが存在感を発揮しています。産業化に向けビジネスとして成立させるためには、素材技術が必要不可欠です。
本書では、ペロブスカイト太陽電池をビジネスの視点から捉えるとともに、仕組みや構造などの技術的解説、日本企業や世界企業の動きや日本政府による政策など、産業化に向けた動きもまとめます。
・交流が生んだペロブスカイト太陽電池の誕生ドキュメントも収録!
人と人の交流が偶然と必然によって重なったことで誕生したペロブスカイト太陽電池。取材を通じて見えてきた、“生みの親”宮坂力を中心とした人と技術のつながりの物語も収録します。
・書籍情報
定価:1,980円(本体1,800円+税)
仕様:A5判、並製、168頁
ISBN:9784526083488
発行:日刊工業新聞社
発行日:2024年9月3日
・著者紹介
〇著者
葭本 隆太(よしもと・りゅうた)
1984年生まれ、千葉県出身。2014年、日刊工業新聞社入社。科学技術や通信・IT業界の取材記者を経て、2018年からニュースイッチ編集長。
〇技術監修
宮坂 力(みやさか・つとむ)
1981年、東京大学大学院工学系研究科合成化学専攻博士課程修了(工学博士)。現在は桐蔭横浜大学医用工学部特任教授。専門は光電気化学、ペロブスカイト光電変換の科学。
・目次
第1章 ペロブスカイト太陽電池が必要な理由
1-1 近づく事業化
1-2 国内メーカーの現在地
1-3 国際動向と日本の勝ち筋
インタビュー・ニッポンの勝ち筋を探る 1
Column 1 特許出願のこれまでとこれから
ドキュメントⅰ 宇宙応用の可能性を拓いたJAXA社員
ドキュメントⅱ 京大発スタートアップ誕生秘話
第2章 ペロブスカイト太陽電池の仕組みを知る
2-1 太陽電池の仕組みと種類
2-2 ペロブスカイトが持つ独特の結晶構造
2-3 ペロブスカイト太陽電池の構造と材料
2-4 極薄の層を成膜する製造工程
第3章 ペロブスカイト太陽電池の素材技術を追う
3-1 国産原料「ヨウ素」の生かし方
3-2 耐久性を左右する「封止技術」
3-3 特性を決める「基板」
3-4 「電極」製造プロセスを安価に
3-5 電子・正孔を運ぶ「電子・正孔輸送材」
3-6 鉛問題を考える
3-7 競争力の源泉「成膜技術」
3-8 耐久性問題に対応するもう1つの方法
Column 2 材料・工程にAI 生かせ
第4章 ペロブスカイト太陽電池の舞台を整える
4-1 素材メーカーの力を生かす
4-2 需要を創出する
4-3 適切な市場を整備する
インタビュー・ニッポンの勝ち筋を探る 2
スペシャルドキュメント ペロブスカイト太陽電池誕生
Episode 1 宮坂研とペクセル・テクノロジーズ
Episode 2 ペロブスカイトの研究
Episode 3 きっかけ
Episode 4 誕生
Episode 5 変換効率10%超
対談 ペロブスカイトと太陽電池をつないだ研究者 手島健次郎さん×小島陽広さん
◆お問い合わせ
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書籍編集部 03(5644)7490
販売・管理部 03(5644)7403
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