舞台は明治時代の大阪。芦辺拓の新刊『明治殺人法廷』が9月11日に刊行

 本書の舞台は明治20年。当時、弁護士や新聞記者は「代言人」「探訪」と呼ばれていましたが、現代ではインテリの代表のようなこの職業に就いていた人びとが、いわゆる「ならず者」と見做されていたのはあまり知られていないと思います。
 技術の革新や生活の西洋化によって新たな文化が花開く一方、藩閥政府の専政に異を唱える人びとによる自由民権運動の気運が生まれた動乱の時代。大阪で出会った二人の気骨ある「ならず者」が、不可解な謎に満ちた質屋一家殺人事件の真相を追いながら、犯人と目された生き残りの使用人が裁かれる法廷で、公正な裁判が行なわれるよう奮闘します。
 敗北必至の法廷で言葉を以て闘う代言人の迫丸孝平(さこまる・こうへい)と、裁判を覆す証拠を見つけるべく奔走する探訪記者の筑波新十郎(つくば・しんじゅうろう)、生まれも育ちも異なる二青年は最後にいかなる真相に辿り浮くのか。芦辺拓『明治殺人法廷』は9月11日刊行です。ご期待ください。

芦辺拓『明治殺人法廷』(東京創元社)

■書誌情報 

明治殺人法廷

芦辺拓(あしべ・たく)

判型:四六判上製
ページ数:408ページ

ISBN:978-4-488-02912-8

Cコード:C0093

定価:2,420円(税込) 

装画:玉川重機
装幀:岩郷重力+R.F

内容紹介:

明治20年12月。藩閥専制政府が自由民権活動家一掃のため発令した保安条例により、東京からの退去を命じられて大阪に流れた、幕臣の息子にして探訪記者の筑波新十郎。被告人に対して絶対不利に運用される法廷で苦闘を重ねる、大阪の商家に生まれた駆け出し代言人・迫丸孝平。推理の曙光いまだ届かぬ時代に質屋一家殺人事件の「正しき真相」を求め、出会うはずのなかった東西の二青年が協力して奔走する。『大鞠家殺人事件』に続いて贈る近代大阪グランド・ロマン!

■著者プロフィール

芦辺拓 (あしべ・たく)

1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2022年『大鞠家殺人事件』で第75回日本推理作家協会賞および第22回本格ミステリ大賞を受賞。著作として『綺想宮殺人事件』『スチームオペラ』『奇譚を売る店』『異次元の館の殺人』『ダブル・ミステリ』『名探偵は誰だ』『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』など多数。

GENIC

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