■調査サマリー
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過去1年間に採用面接を受けた「58.4%」の求職者が、面接をきっかけに志望度が低下したと回答
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採用面接後、その企業への志望度が下がった理由 第1位「面接の進行が不適切だった(40.5%)」、第2位「求人情報と実際の条件に相違があった(38.6%)」、第3位「面接の質問が不適切だった(33.3%)」
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「会社の魅力や将来性が十分に伝わらなかった(20.2%) 」、「面接担当者の企業理解・業務理解が不十分だと感じた(18.3%)」など、面接担当者の説明力不足により約5人に1人が志望度の低下を経験
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採用面接でのネガティブな体験によって志望度が「著しく」または「かなり低下した」と答えた人は「60.8%」、志望度が下がったと感じた人の合計は全体の「93.5%」に達する
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現在の勤務先に対して、「40.1%」の人が面接前の志望度を「どちらでもない」と回答。面接が志望度を大きく左右する重要な機会であることが明らかに
■調査概要
調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象 |
過去1年間で採用面接を受けたことのある10代〜60代の男女 (全国調査) |
有効回答数 |
262 |
調査実施日 |
2024年8月13日 |
■調査背景
近年、人手不足が深刻化する中、企業の採用活動における「面接」の位置づけが大きく変化しています。かつては企業が求職者を選別する場であった面接が、今や求職者が企業を選ぶ重要な機会となっています。
しかし、多くの企業ではこの変化に十分に対応できておらず、優秀な人材の獲得に苦戦しているのが現状です。その中でも特に面接時の体験が求職者の志望度や最終的な入社決定に与える影響については、これまであまり注目されてきませんでした。
そこで今回、就職活動における面接体験の実態と、それが企業への入社志望度にどのような影響を与えているかを明らかにするため、本調査を実施することとしました。この調査を通じて、企業が抱える人材獲得の課題を可視化し、より効果的な採用戦略の構築に寄与することを目指します。
また、本調査結果は、今後の採用市場における「面接体験の最適化」の重要性を示すとともに、企業が厳しい採用環境下で優位性を確保するための新たな視点を提供することを目的としています。
■調査結果
– 58.4%の求職者が感じた面接の重要性
過去1年間で採用面接を受けたことのある人を対象とした今回の調査では、初めに以下の質問を行いました。
「過去1年間で受けた採用面接で、面接をきっかけに企業への入社志望度が下がった経験はありますか?」
その結果、約6割(58.4%)が面接をきっかけに企業への入社志望度が下がった経験があると回答しました。つまり、5人中3人が面接で企業への興味を失っているのです。この結果は、面接が単なる選考の場ではなく、求職者が企業を判断する重要な機会になっていることを物語っています。
一方で、「41.6%」の人は面接で志望度が下がらなかったと回答しています。これは、適切に行われた面接が志望度を維持し、場合によっては高める可能性があることを示唆しています。重要なのは、面接が単に志望者を選ぶためのものではなく、企業の魅力を伝え、優秀な人材を惹きつける大切なチャンスだということです。人材確保に苦労している企業が多い中、面接の質が採用の成否を左右する重要な要素になっていることがこの結果から読み取れます。
「58.4%」という数字は決して軽視できません。より良い面接体験を提供することが、優秀な人材の獲得につながり、ひいては企業の成長を加速させる重要な要素となるのではないでしょうか。
– 面接で志望度が下がる理由は?企業側が見落とす改善点
次に、1問目で「面接をきっかけに志望度が下がった経験がある」と答えた人たちに、その理由を詳しく聞いてみました。結果は多岐にわたり、企業側が改善すべき点が多く存在することが明らかになりました。
最も多かった回答は「面接の進行が不適切だった」で、「40.5%」の人が選択しています。これは面接担当者の準備不足や時間配分の悪さなどが原因と考えられます。次いで「求人情報と実際の条件に相違があった(38.6%)」、「面接の質問が不適切だった(33.3%)」と続きます。中でも興味深いのは、「会社の魅力や将来性が十分に伝わらなかった」という回答が「20.3%」あり、5人に1人にのぼったということです。
これは面接が単なる選考の場ではなく、企業の魅力をアピールする重要な機会であることを示しています。また、「面接担当者の企業理解・業務理解が不十分だと感じた(18.3%)」や「面接時の職場の雰囲気が良くなかった(18.3%)」といった回答も見られ、面接担当者の質や職場環境も志望度に大きく影響していることがわかります。
「面接後の対応が不十分だった」(15.7%)、「面接時のオフィスの設備や環境が良くなかった」(12.4%)といった項目は比較的低めの数値となりましたが、これらの要因も無視できるものではありません。この結果は、面接が双方向のコミュニケーションの場であり、企業側の入念な準備が採用成功の鍵となることを示しています。
– 面接でのネガティブな体験で志望度が低下してしまう
さらに前問と同様の対象者に対して「面接でのネガティブな体験が企業の入社志望度にどの程度影響を与えたのか」も詳しく調査しました。
最も注目すべきは、「著しく低下した(26.8%)」と「かなり低下した(34.0%)」を合わせると、実に「60.8%」の人が志望度の大幅な低下を報告していることです。つまり、10人中6人以上が面接をきっかけに、その企業への興味を大きく失っているのです。
これは企業にとって非常に深刻な問題と言えるでしょう。さらに、「やや低下した」と答えた人も「32.7%」いました。この数値を加えると、志望度が下がったと感じた人は実に全体の「93.5%」にも達します。つまり、ネガティブな面接体験をした人のほぼ全員が、その企業への志望度を下げているのです。対照的に、「あまり低下しなかった(5.2%)」、「まったく低下しなかった(1.3%)」と答えた人はごくわずかでした。
これは、一度ネガティブな印象を与えてしまうと、それを払拭するのが非常に難しいことを示しています。たった1回の面接で、それまで築いてきた企業イメージや志望度が大きく損なわれる可能性があるのです。企業は、自社の魅力をアピールすることに注力するだけでなく、面接でのネガティブな体験を減らす仕組みづくりも同時に行う必要があります。“ 求職者の採用体験 ”の質を向上させることは、単に志望者の印象を良くするだけでなく、実際の採用成功率にも直結する可能性が高いと言えるでしょう。
– 面接は企業の印象を決定づける重要な場
最後に、「現在勤務している企業での、1次採用面接を受ける直前の時点での志望度」を尋ねました。特筆すべきは、「どちらでもない」と答えた人が「40.1%」いたことです。つまり、5人に2人が面接直前の時点では、その企業に対して特別な思い入れを持っていなかったのです。
一方で「とても高かった(15.7%)」「やや高かった(39.7%)」と合わせても、高い志望度を持っていた人は全体の半数程度にとどまります。「やや低かった(3.1%)」や「とても低かった(1.5%)」と答えた人は少数でした。
この結果は、多くの求職者が面接時点ではまだ企業に対する明確な志望度を形成していないことを示しています。言い換えれば、面接が企業の印象を決定づける重要な機会となっているのです。
今回の調査から見えてきたのは、面接という場が単なる選考の一環ではなく、企業にとっても求職者にとっても非常に重要なコミュニケーションの場であるということです。多くの求職者が面接を経て企業に対する志望度を変化させており、その結果が採用成功に直結することが示されています。
企業が優秀な人材を獲得するためには、” 求職者の採用体験 “の質を総合的に向上させる必要があります。そのためには、まずネガティブな体験を減らす取り組みが不可欠であり、その上で自社の魅力を適切に伝えることが重要です。
面接は単なる「選考」ではなく「相互評価」の場です。
” 求職者の採用体験 “に対する理解を深め、真摯に向き合うことで、より多くの企業が求職者にとって魅力的な存在になり、長期的な成長につなげていけるのではないでしょうか。
■株式会社Value market 代表取締役 内田 裕希によるコメント
今回の企業の入社志望度に与える影響についての調査結果により、現代の採用市場における重要な課題が改めて浮き彫りになりました。調査によると、58.4%の求職者が面接をきっかけに志望度を下げたと答えており、この数字は軽視できません。特に「面接の進行が不適切だった」(40.5%)という回答が最も多く、企業側が求職者との接点である面接に対して、より高いレベルの準備と工夫が求められていることが明らかになっています。
面接は、単に企業が求職者を選別するための場ではなく、求職者が企業を評価する機会でもあります。
企業は求職者に対して自社の魅力や将来性を適切に伝えることが求められますが、20.2%の求職者が「会社の魅力や将来性が十分に伝わらなかった」と回答しており、これは企業側が面接においてどれだけ自社をうまくアピールできていないかを示しています。
また、18.3%が「面接担当の企業理解・業務理解が不十分だと感じた」と答えており、面接担当の質が企業のイメージや求職者の志望度に大きな影響を与えていることも見逃せません。企業にとって、面接体験を向上させることは単なる採用プロセスの一環ではなく、長期的な人材獲得戦略の成功に直結する要素です。
例えば、面接スキルや企業文化理解を高めるためのトレーニング実施、面接の進行における適切な時間配分と配慮、求職者に対するフィードバックの迅速かつ丁寧な提供などが考えられます。
今回の調査で明らかになったもう一つの重要な点は、採用面接でのネガティブな体験によって企業への志望度が「著しく」または「かなり低下した」と答えた人が60.8%に上るという事実です。つまり、10人中6人が面接を通じて企業への興味を大幅に失っているのです。これは企業にとって大きな課題であり、改善が急務です。たった1回の面接でネガティブな印象を与えることが、長期的な採用活動に深刻な影響を及ぼす可能性が高いことを示しています。
現代の採用市場において、求職者の体験を向上させることは、競争優位性を確保するための重要な要素となります。面接を「選考の場」から「相互評価の場」に変えるという視点を持ち、求職者との対話を大切にすることで、企業は優秀な人材を獲得しやすくなります。
これからの採用活動においては、求職者の期待に応え、ポジティブな面接体験を提供することが、企業の成功に欠かせない鍵となると言えるでしょう。
■求職者の採用体験を改善する新しいサービス「Growth Code」
採用活動は、企業の成長にとって非常に重要な要素ですが、近年では多くの企業が「採用ミスマッチ」や「採用コストの増加」といった問題に直面しています。
当社の新サービスであるGrowth Codeは求職者の声を取り入れて選考の質を改善し、採用の成功率を高めることを目的としたサービスです。
現在、Growth CodeはClosedβ版として運用を開始しており、求職者に選ばれる採用体験の構築に課題を感じている一部の企業様にご利用いただいております。
採用に課題を感じている企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に当社へお問い合わせください。
▼お問い合わせ / ご相談フォーム
https://code-climber.typeform.com/growth-code
■株式会社Value market について
株式会社Value marketは、「成長を、技術革新する」というビジョンを掲げ、エンジニア紹介による採用支援や採用コンサルティング、SaaS開発を中心とした幅広い事業を展開しています。
【事業内容】
①スタートアップ×フリーランスエンジニアの専⾨エージェント 「Code Climber」
キャリア志向の強い即戦力のフリーランスエンジニアをスタートアップにご紹介。対象領域を限定することで、専門性の高い支援を実現しています。
②CTO/VPoEの育成型・採用支援サービス「CTOut」
CTO/VPoEを目指す主に30代エンジニアに対して、業務委託で働きながらキャリアアップを目指す、伴走型の支援を提供しています(フィット後はそのまま幹部候補として転職)。
③採用コンサルティング(求職者視点でのプロセス改善)
” 求職者の採用体験 “を向上させる採用の仕組みづくりを伴走支援。独自の分析手法で採用ノウハウを提供し、内製化までサポートしています。
当社は、企業が直面する「採用」に関する課題に対し、求職者の声を活かした独自の分析手法と専門的なノウハウを用いて解決策を提供しています。市場が「企業が選ぶ採用」から「求職者に選ばれる採用」へと変化する中、株式会社Value marketは、より多くの企業に選ばれる採用体験の構築を支援し、日本経済の発展に貢献してまいります。
■会社概要
会社名:株式会社Value market
所在地:東京都渋谷区恵比寿2-28-10 秀ビル2F
代表:内田 裕希
設立:2016年8月8日
事業内容 :
・スタートアップ×フリーランスエンジニアの専⾨エージェント 「Code Climber」
・CTO/VPoEの育成型・採用支援サービス「CTOut」
・採用コンサルティング(求職者視点でのプロセス改善)
■オフィシャルサイトURL
・スタートアップ×フリーランスエンジニアの専⾨エージェント 「Code Climber」
・CTO/VPoEの育成型・採用支援サービス「CTOut」