株式会社 NTT ドコモ（以下、ドコモ）と広島県神石高原町（以下、神石高原町）は、スマートフォンなどで収集した生活情報をもとに今後の血圧上昇リスクが高い生活習慣を推定する「血圧上昇習慣推定AI」（※1） を活用した「高血圧重症化予防プログラム」（以下、本事業）を、2024 年9 月2 日（月）から神石高原町の住民を対象に実施いたします。

本事業は、高血圧リスク保有者が他地域より多く、かつ特定保健指導の実施率が課題である神石高原町が令和６年3 月に行った「成果連動型委託契約（※2）（以下、PFS）を活用した高血圧重症化予防事業」業務に係る企画競争入札において、ドコモを選定し、実施するものです。

PFS を活用した高血圧重症化予防事業の実施は、本事業が日本で初めて（※3） です。

■本事業の目的

健康診断結果の解析技術やプログラム参加者のインセンティブとなる健康ポイント事業を活用した本事業を実施することで、町内において、「プログラム介入6 か月間の継続者数維持」、「プログラム参加者の平均歩数増加」「血圧リスクの低減」を成果指標とし、高血圧重症化予防による町民の健康維持、健康寿命の延伸、医療費の適正化をめざします。

■本事業の概要

本事業では、神石高原町の住民に対して、ドコモが提供する「健康マイレージ」アプリ（※4）を活用し、普段住民が使用するスマートウォッチ等のウェアラブル端末もしくはスマートフォンから取得できる歩数やスマホ利用時間、位置情報などの生活情報を、同意を得たうえで収集します。収集した生活情報により、「血圧上昇習慣推定AI」が生活習慣を分析し、今後の血圧上昇リスクを推定します。推定結果を「健康マイレージ」アプリを通して住民にフィードバックすることで、日々の健康管理・生活習慣改善を促進いたします。

さらに、過去のレセプトデータ（※5） や健康診断結果から、血圧が改善したサンプルの生活習慣の傾向を分析し、地域における改善事例を収集します（※6）。その分析結果や改善事例を活かした管理栄養士からの対話型の食事管理やプログラム参加によるポイント等を進呈することで、住民もより積極的に生活習慣の改善を行うことが可能です。

また、本事業への住民の参加を促進するため、本事業対象者に対しては、健診会場や企業向けウェビナーを通じた参加勧奨も実施します。

■「血圧上昇習慣推定AI」の概要

■役割分担

ドコモと神石高原町は、本事業を通じて、高血圧重症化予防による町民の健康維持、健康寿命の延伸、医療費の適正化をめざします。

※1   本推定AIは治療・診断等の医療行為を行うものではなく、住民への健康に関する情報提供、もしくは生活習慣改善の支援を目的とした健康管理サービスです。

※2   成果連動型委託契約（PFS）は、地方公共団体が、民間事業者に委託等して事業を実施する際にその事業に、「行政課題」に対応した「成果指標」を設定し、事業終了時に成果指標の改善状況に連動した金額を民間事業者に支払う仕組みです。

※3   2024年9月2日現在、ドコモ調べ。

※4   「健康マイレージ」については、以下のサービスサイトを参照ください。

 https://www.ntt.com/business/services/kenko-mileage.html

※5   レセプトデータとは、病院、診療所、調剤薬局などで、患者がどのような病気で受診したか、どのような治療を受けたかという「診療報酬」の明細データのことです。

※6   レセプトデータや健康診断結果の分析については、医療・健康分野の調査と分析に強い株式会社インテージリアルワールドと連携します。

※7　コホート研究とは、医療分野においては「疾病の要因」と「発症の関連」を調べるための観察的な研究手法のひとつです。共通の特性を持

つ集団を長期間継続して追跡することで、その集団からどのような疾病が発生し、またどのように健康状態が変化したかなどを観察して、各種要因との関連を明らかにしようとするものです。