NECネッツエスアイ株式会社のグループ会社であるネッツフォレスト陸上養殖株式会社(以下 ネッツフォレスト陸上養殖)は、閉鎖循環式陸上養殖サーモンの新ブランド『天然水サーモン』を8月より全国販売を開始いたしました。そこで生活者の方々のサーモンに対する意識を聴取するため、全国に住む20〜60代の男女1,035名に「サーモン選びに関する意識」をテーマにインターネットリサーチを行いました。
「サーモン選びに関する調査」サマリー
■円安・物価高にも関わらず半数以上が質の高いものや国産品を選択する意向。
■抗生物質不使用、アニサキスなどの寄生虫の混入がなく環境に配慮した“クリーンサーモン”を購入したい人、8割以上。さらに半数以上が、現状よりも高くても買いたいと回答。
■約8割が抗生物質を投与されたサーモンを避けたいと回答。養殖されたサーモンには抗生物質が使用されたものがあることを7割以上が知らない現状。
■根強いアニサキスへの恐怖。半数近くが価格と並び、アニサキスなど寄生虫の有無を今後重視したいと回答。
■【専門家が語る、陸上養殖の可能性】東京海洋大学 遠藤雅人准教授が解説
抗生物質不使用、アニサキスなど寄生虫混入のない管理された閉鎖循環式陸上養殖で育つ“クリーンサーモン”に大きな期待!
■円安・物価高にも関わらず半数以上が質の高いものや国産品を選択する意向。
食事や食材選択の際に、どのようなことを意識しているか聞いたところ、58.2%が「多少高くても、国産品を重視して選ぶ」と回答しました。さらに51.1%が「多少高くても、栄養価や質の高さを重視して選ぶ」と回答し、42.2%が「多少高くても、無農薬など安全性を重視して選ぶ」と回答しています。円安や物価高などが家計を直撃している状況にも関わらず、価格より品質を意識して物を選ぶ人々が半数近くいることが明らかになりました。
■抗生物質不使用、アニサキスなどの寄生虫の混入がなく環境に配慮した“クリーンサーモン”を購入したい人、8割以上。
そして、閉鎖循環式陸上養殖サーモンの特徴である、「抗生物質や魚病薬の不使用」、「アニサキスなどの寄生虫が混入していない」、「(天然物と比較して)菌や異物混入がない」、「環境に配慮している(糞の体積や抗生物質の垂れ流しによる海洋汚染を引き起こしていない)」、「生産者の労働環境が健全である」といったクリーンな要素を兼ね備えたサーモンに対する購入意向を聞いたところ、80.4%が「買いたい」と回答しました。
さらに、50.7%にものぼる半数以上の方が、現状より高くてもこれらのサーモンを「買いたい」と回答。子育て中の方々(160名)に至っては、60.6%にものぼりました。「クリーンサーモン」とも言える特徴を持ったサーモンへの支持が明らかになりました。
■約8割が抗生物質を投与されたサーモンを避けたいと回答。養殖されたサーモンには抗生物質が使用されたものがあることを7割以上が知らない現状。
海面/内水面で行う養殖などでは、海や河川の細菌が養殖場に侵入するリスクがあり、病気を防ぐために抗生物質や、伝染病を予防する薬品などが使用される場合があります。そこで「サーモンを購入する際、抗生物質や魚病薬が使われているサーモンを避けたいと思いますか」と聞いたところ、78.9%が「避けたい」と回答しました。その理由として「自身への健康の影響が心配」(66.8%)、「抗生物質や魚病薬自体に抵抗がある」(34.3%)といった回答があげられています。
このような回答にも関わらず、7割以上の人が「養殖されたサーモンには、魚病薬や抗生物質を使って育てたものがある」ことを知らないと回答(78.0%)。多くの人が養殖における現状を把握していない状況にあるようです。
■根強いアニサキスへの恐怖。半数近くが価格と並び、アニサキスなど寄生虫の有無を今後重視したいと回答。
また、今後サーモンを購入する際に重視したいと思っている要素について聞いたところ、「価格」(47.0%)と並んで「アニサキスなどの寄生虫の有無」(47.0%)を重視したいという回答が上位に並びました。続いて重視するのは、「新鮮さ」(41.4%)、「味」(36.2%)、「抗生物質や魚病薬が使用されていない」(35.1%)となっています。価格と並ぶほど、アニサキスへの恐怖を感じているようです。
■【専門家が語る、陸上養殖の可能性】東京海洋大学 遠藤雅人准教授が解説
抗生物質不使用、アニサキスなど寄生虫混入のない管理された閉鎖循環式陸上養殖で育つ“クリーンサーモン”に大きな期待!
陸上養殖には「食の安全」「環境保全」「食料供給」という3つの観点からそれぞれメリットがあります。
まず「食の安全」については、閉鎖循環式陸上養殖では魚が泳ぐ水槽の水質や食べる餌などを管理して育てるので、安全性が担保されます。例えば、海で捕獲する魚は食物連鎖によりアニサキスなどの寄生虫が混入する可能性や、海外の大規模な海面養殖では抗生物質や伝染病を予防する薬品などが使用される場合があります。アニサキスは運搬時に冷凍すれば死滅しますし、薬品などは魚の体外に放出されれば問題ないものの、閉鎖循環式陸上養殖ではそもそも寄生虫の混入や病気感染リスクが非常に少なく、抗生物質や薬品を使用する必要もないのです。
「環境保全」の面では、海面養殖の場合には魚の糞や餌の余りが蓄積することによる海洋汚染が懸念されますが、閉鎖循環式陸上養殖の場合には汚れた水は浄水処理を行いそのまま施設の外には排出しないので、環境への影響は少ない。これらの観点から、閉鎖循環式陸上養殖で育てられるサーモンは「クリーンサーモン」と言えるでしょう。しかし、陸上養殖施設の稼働には大きなエネルギーが必要になるため、今後、再生可能エネルギーなどの活用が課題になるでしょう。
そして「食料供給」については、漁業や海面養殖が中心の日本の水産業に生産多様性を持たせることで、食料供給の安定化をはかることが期待できます。漁業や海面養殖は、将来に向けて技術伝承する担い手の不足や季節や天候により生産量が左右されることが課題ですが、陸上養殖は養殖環境を制御・管理しているので安定して生産することが可能です。現在、円安や燃油コストの高騰などにより、食料の輸入コストが大きく増加しています。そうした中で、安定して食料を自給自足できる陸上養殖には大きな期待ができるのです。
遠藤 雅人 准教授
東京海洋大学 学術研究院 海洋生物資源学部門
東京水産大学水産学部資源育成学科を1998年に卒業後、東京水産大学大学院水産学研究科資源育成学専攻に進学し、2003年に博士(水産学)を取得した。その後、日本学術振興会特別研究員PDを経て、2004年に東京海洋大学海洋科学部助手に就任、2007年に同助教、2019年より同准教授を務める。
[専門分野]専門は水族養殖学、特に循環式養殖システム利用の効率化と応用に関する研究開発を進めている。
<本調査概要>
調査方法:株式会社インテージによるインターネット調査
調査期間:2024年8月
調査年代:全国に住む20~60代男女1,035名(20代202名、30代204名、40代215名、50代212名、60代202名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません
※回収サンプルについては、母集団構成に合わせてウェイトバック集計を実施。サンプルサイズはノンウェイトを採用
【天然水サーモンについて】
閉鎖循環式陸上養殖で完全無投薬の環境にて育ち、おいしくて安心・安全かつ、安定した供給を実現できるクリーンなイメージと、本商品の特徴である、海や河川の水ではなく、天然水で育つことにちなみ『天然水サーモン』と名付けました。
アトランティックサーモンに比べて脂っこさを抑え、和食や江戸前寿司など日本の食文化に合わせたさっぱりとした旨みを実現しています。
・ブランドサイト: https://www.tennensuisalmon.com/
■ネッツフォレスト陸上養殖株式会社
・所在地 :東京都港区
・代表者 :貴田 剛
・設立年月 :2019年8月
・会社HP :https://www.netsforest.co.jp/
・事業内容 :フランチャイズによる陸上養殖事業パッケージの展開、
フランチャイズパートナーの生産するサーモンの販売