・特に問題のない子から繊細な子、発達障害やグレーゾーンな子まで、すべてのお子さんに
繊細な子、発達に特性がある子どもにマッサージの効果があるのか、と思われるかもしれないが、発達特性のせいでイライラしがちな子は、実は体に不快な症状があることがとても多い。その独特の不快な症状をマッサージで癒やすことで、イライラが収まり楽になる。
また、気持ちが繊細な子にも、マッサージをしながら「今日あったこと」「悲しかったこと」「我慢して言えなかったこと」などを聞いてあげることで、コミュニケーションを図ることができるのである。
子どもが、急な発熱を起こしたとき、咳、便秘などに対応できるマッサージ法も紹介しているので、どんなお子さんにも活躍する1冊となっている。
本書は、主に以下のような家庭に向いている。
1 発達特性があり、イライラしがちな子どもの親ごさん
2 繊細な子どもの親ごさん
3 子どもとコミュニケーションを深め、信頼関係を築きたい親ごさん
4 子どもの急な発熱や体調不良に悩むことのある親ごさん
5 良好な親子関係を築いていきたい親ごさん
・豊富な治療経験と実績・実例をもとに、子ども特有の症状を小児推拿(小児マッサージ)で改善
日本では馴染みのない推拿(すいな)だが、実は中国では皆が知る健康法の一つだ。小児推拿(小児マッサージ)は中国最古の医学書にも記載があり、唐の時代から現在に至るまで親しまれてきた。現代でも、病気の予防や快癒のために、子にマッサージを受けさせる親は多い。
また、発達特性のあるなしにかかわらず、子どもは皆、ストレスを言葉でうまく表現できない。体に不快な症状があっても、それを言い表すことができないために、イライラ、鬱々していることがある。
中医学では、感情と体は相互に影響し合うと考え、イライラ、落ち込み、アレルギー、鬱々、眠れない、落ちつかない、といった症状は、心身両面からケアすることが大事である。それには、優しく体を刺激しながらお喋りできる、小児推拿が最適。
・本書は子ども向けのマッサージ
実は、子どものツボは大人と違って点・線・面で存在しているため、大人向けのマッサージでは対応しきれない。また、大人と違って、成長過程にある子どもの体はデリケート。この本では、子どもに特化したツボの紹介、マッサージ方法を学べる。
・推薦のことば
この本は単なる小児推拿(すいな)の解説本ではなく、子どもに起こりやすい発熱、風邪、腹痛、嘔気 、咳など、日常的によく遭遇する症状に対する細かい治療手技が、かわいらしいイラストとともに詳細に掲載されています。また、母親として、そして治療者として息子さんとともに歩んできた稲葉さんの、発達障害の治療体験やアドバイスが随所に書かれており、同じような困りごとを抱えているお母さんやお父さんにとって本当に役立つ本になっていると思います。
現在、子どもの発達障害に対する有効な西洋医学的治療書はほとんどありません。また漢方薬は別として、東洋医学においても、じっとしているのが難しく、不安がりやすい発達障害の子には鍼や灸は実施しにくいのが実状です。その点、小児推拿は親子のスキンシップで絆を深め合いながら、不調をすぐに治療できるという点でも、素晴らしい治療手技だと思います。原稿を初めて見せていただいた瞬間に、この本こそ繊細な子どもを育てている皆様が待ち望んでいた書であることを確信し、推薦する次第です。
伊藤 剛
北里大学客員教授 北里研究所病院漢方鍼灸治療センター(元 北里大学東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センター副センター長)
・著者プロフィール
稲葉貞子 Shoko Inaba 安泰漢方鍼灸院 院長
中国で中医学の医師を務めた後、来日して日本での鍼灸師資格を取得。研鑽を続け、東京都葛飾区にて開業。
応急処置に留まらない本格的な施術、懇切丁寧な生活改善指導とその明るい人柄で、口コミにより人気を博している。
国際鍼灸専門学校卒業、北里大学東洋医学総合研究所研修生課程修了。
中国国家資格:中国中医師
日本国家資格:鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・登録販売者
安泰漢方鍼灸院
【書籍情報】
書名:こころもからだもととのえる繊細っ子のための親子マッサージ
著者:稲葉貞子
仕様:A5判並製 144ページ
ISBN:978-4-8024-0179-1
発売:2024.09.20
本体:1400円(税別)
発行:ハート出版