伴走型従業員支援サービス「The CARE」、シードVCのジェネシア・ベンチャーズに提供開始

■導入の概要

• 株式会社ジェネシア・ベンチャーズについて

ジェネシア・ベンチャーズは、創業初期のプレシード・シード期のスタートアップに投資と経営支援をおこなう独立系のベンチャーキャピタルです。2018年の設立以来、3つのファンドで約270億円を運用。日本、東南アジア、インドの約160社のスタートアップに投資しています。

2021年12月にPRI（責任投資原則）への署名を実施、合わせてESG投資方針を策定しており、投資先スタートアップの長期的かつ持続的な企業価値の向上と社会課題の解決を通じて、ビジョンである「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会」の実現を目指しています。

さらに、2022年7月よりESG投資方針に基づくエンゲージメント活動の一環として、組織リソースが限られた初期段階のスタートアップによるESG経営を支援するため、投資先スタートアップが無償で利用できる各種サービス「ESGソリューション」の提供を開始しています。

今回、同ESGソリューションのメンタルヘルス・ハラスメント外部相談窓口機能の拡充のため、「The CARE」を導入することとなりました。

• 健康とライフイベントの従業員支援プログラム「The CARE」の導入内容について

「The CARE」は、労務やキャリア支援など企業視点のスキルを兼ね備えた医療者が、アプリケーションを通じて企業・従業員をサポートするサービスです。

ジェネシア・ベンチャーズ専属の看護師・助産師・保健師等の国家資格併有者3名が、ジェネシア・ベンチャーズの従業員およびその家族、投資先企業に24時間365日寄り添います。

LINEチャットやテレビ電話を通じた匿名オンライン相談のほか、研修やワークショップなどのウェルネストレーニング、相談実績の統計データに基づくコンサルティング、育休サポートプログラムなどを導入します。

さらに、スタートアップ業界で昨今注視されているハラスメント問題に対応するため、トライアルおよび最適化を行い、2024年11月（予定）からは、ジェネシア・ベンチャーズの投資先企業への相談窓口として拡大をする予定です。

■導入背景

1. スタートアップ業界が陥りがちな健康課題
   スタートアップ業界は、その特性上、速度と革新に重点を置いているため、従業員は過密スケジュールや高いストレスレベルに晒されがちです。その結果、過労や睡眠不足が常態化し、精神的、肉体的健康問題を引き起こすことも少なくありません。

   これらの健康課題に対処するため、効果的な健康管理とサポート体制の構築が求められています。

   　

2. ライフイベントが生じても「ウルトラマラソン」を走り切るために
   事前の打ち合わせにて、スタートアップ経営は「ウルトラマラソン」のようだという話題がでました。加えて、若い世代のスタートアップや女性経営者、セカンドキャリアとしての創業も増加する中で、子育てや介護などのライフイベントに直面する経営者およびメンバーも増えてきました。そういった社会的背景、スタートアップ経営の特徴を考慮し、全ての人が「ウルトラマラソン」を走り切るために、はたらく背景を考慮しながら支援できる子育てや介護領域の専門家の存在が必要です。

   　

3. 近年業界で課題となっているハラスメント問題

   また、スタートアップ業界では、フラットでオープンなコミュニケーションが奨励される一方で、その非形式的な環境がセクハラやパワーハラスメントなどの問題を引き起こすことがあります。

   2024年7月に報告され、弊社代表も発起人の一人として行ったスタートアップ業界の現状についてのインターネット調査では、女性起業家の52%が性的ハラスメントを経験という結果となりました（*1)。このような問題への対応として、適切な相談体制や予防策の導入は急務です。

   　

• 従業員だけではなく、投資先企業への課題解決に期待

今回ジェネシア・ベンチャーズが導入を決定した背景として、「The CARE」の導入によって自社だけではなく投資先のスタートアップにもその恩恵を拡大したいという想いがあります。

投資会社がファイナンスのみならず健康とウェルビーイングのサポートも行うことで、スタートアップエコシステム全体のハブとなって持続可能な成長とイノベーションを促進することが期待されています。さらにこれらは結果的に、投資先企業の生産性向上や従業員満足度の向上に寄与し、事業成長にも必ず紐づくものと考えています。

「The CARE」では、看護師・助産師・保健師などの国家資格を持つ医療専門家が、健康や子育ての支援だけでなく、メンタルヘルスや職場のコミュニケーション、ハラスメント問題に至るまで、様々な相談に対応しています。

匿名で利用できる社外相談窓口として、プライベートと業務の両方に関わる悩みを打ち明け、解消する場として機能しております。専門知識に基づく細やかなアドバイスや適切なリファレンス提供により、スタートアップ業界の発展をサポートします。

■代表者コメント

Senior Portfolio & Partnership Manager　伊藤実希

この度、With Midwifeさんとご一緒させていただける運びとなり、大変嬉しく思います。

挑戦は喜びにつながることもあれば、大きな壁が目前に立ちはだかり、辛い局面を迎えることも多々あります。また、自分の心の状態に耳を傾け、ケアをすることは日々のあらゆるタスクに追われて後回しになりがちです。そのような状況下で、労務やキャリア支援など企業視点のスキルを兼ね備えた医療者の方にサポートをしていただける『The CARE』が私たちと投資先スタートアップの相談窓口として寄り添っていただけることを非常に心強く思います。ぜひこれからたくさん相談させてください！

株式会社With Midwife　代表取締役　岸畑聖月

今回の「The CARE」のジェネシア・ベンチャーズ様への導入は、スタートアップ業界において挑戦者ならではのウェルビーイングの課題に対する、革新的なアプローチを象徴していると感じています。

私達も属するこの業界では、社会変革に向けて組織一丸となって、ハードワークが必要になることも多く、それが常態化することも珍しくありません。このような背景において、健康およびメンタル不調、ハラスメント問題は重要な課題となっており、今後も起業家が増える中で解決策が必要です。

「The CARE」は、企業で働く人を支えるためのスキル（キャリア支援や労務、産業保健など）を兼ね備えた医療者が、アプリケーションを通じて挑戦者とその家族を支えるサービスです。

私たちのサービスが、社会を良くするために頑張るみなさんの「よりどころ」になれるよう、引き続き専門職とテクノロジーの質向上、シナジー強化もめざしていきます。今後は、同様にジェネシア・ベンチャーズ様の投資先のみなさまへも「The CARE」の提供が開始される予定です。匿名相談ですが、１名１名に専門職が付き、どうすればハードワークとウェルネスが両立できるか共に考えていきます。事業ではなく、プライベートのためのメンターがついたイメージで、ぜひご活用いただけますと幸いです。

◾️「The CARE」について

株式会社With Midwifeが提供する、健康と子育ての従業員支援プログラム（EAPサービス）。

The CARE公式サイト　https://thecare-biz.jp/

＜The CAREの3つの特徴＞

1. 幅広い専門性をもつスタッフによる手厚いサポート
   看護師・助産師・保健師等の国家資格を併有するスタッフが、労務やキャリア支援などの企業視点のスキルを身につけ（ライセンス制）、はたらく人を支援します。

2. 気軽さ・手軽さを追求したアプリ
   医療専門家は1社につき3名以上専属でつきます。導入企業に所属する従業員およびその家族は専用のアプリケーションでメンタルヘルス、体調管理、妊活、子育て、介護など公私における様々なお悩みを打ち明けることができます。24時間365日相談を受け付け、匿名で利用できる社外相談窓口です。

3. 企業と個人双方から支援
   企業視点を身につけた専属の医療者は、企業独自の制度や社風も理解して従業員の支援にあたります。一方で、相談者からの声をデータ分析した後、直接企業へフィードバックを行い、改善や風土醸成につなげます。両者に対し密に関わりながら、従業員のお悩みの根本的解決をめざします。

■企業概要

企業名：株式会社With Midwife

設立日：令和元年11月1日

資本金：300万円

代　表：岸畑 聖月

所在地：大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 QUINTBRIDGE303

理　念：「生れることのできなかった、たったひとつの命でさえも 取り残されない未来」の実現

目の前のいのちだけでなく、流産や死産など、目に見えないいのちも私たちは日常的に目にしています。そんないのちも、決して取り残されない社会を、私たちは助産師の「寄り添う(care)」チカラで実現します。

公式HP：https://withmidwife.jp/

*1:女性起業家の52%が性的ハラスメントを経験 – 日本のスタートアップ・エコシステムの構造的課題と解決の方向性：予備調査,株式会社Eirene University,2024年7月19日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000041658.html