株式会社徳間書店 (本社:東京都品川区上大崎 代表取締役社長:小宮英行)は、朝井まかて氏の『青姫』(https://www.tokuma.jp/book/b652678.html ) を9月27日(金)に発売することをお知らせ致します。
■あらすじ
屈するか
逃げるか
農と自由と民の物語
われらを支配してよいのは
この天地のみ
武士と悶着を起こして村を出奔した若者・杜宇が迷い込んだのは、不思議な地。自由経済で
成り立ち、誰の支配も受けない「青姫」の郷だった。
籤で選ばれた頭領・満姫のもと、生死を分つ選択さえも籤で決められる。それが天意だから
だが、満姫はとんでもない気まま娘、口も意地も悪い。
杜宇は命拾いするも米作りを命じられ、田を墾くことから始めねばならなくなった。
生きるために「農」の芸を磨き、民にも馴染んでゆくが、郷には秘密の井戸がある。そして
ある日、若い武士が現れた――
米を作れ! わらわは姫飯(ひめいい)が食べたい
これは歴史か、幻想(ファンタジー)か?
■主な登場人物
●杜宇(とう)……流浪の末、青姫の郷に迷い込む。命拾いするも、米作りを命じられる。
●満姫(みつるひめ)……青姫の郷の頭領で、神事をつかさどる。小柄な丸顔だが、年齢不詳。
●朔(さく)……武の長。姫を護衛しつつ、仲違いも。異人のような風貌を持つ。
●分麻呂(わけまろ)……古くから姫に仕える薬師。あるミッションに人生を懸けている。
■著者コメント
連載時はちょうどコロナ禍でした。むしょうに土に触れたくて、田植えの匂いや稲刈りの景色
が慕わしく、それで主人公に米作りをさせることにしました。舞台は、「青姫の郷」という秘
境です。とはいえすべてが幻想(ファンタジー)ではなく、まだ幕府の支配体制が固まってい
ない江戸時代初期の様相を背景にしています。
青姫の郷は中央政権の支配がまだ及んでいない、いわば自由都市。民による自治が行なわれ、
ですが人々がなにより重んじるのは「天意」です。主人公の杜宇はその天意によって生かされ、
といおうか振り回されるのです。郷の人々は姫をはじめ、クセが強い曲者揃い。どの人物も書
くのが楽しく、今も愛着のある人々です。ですが郷は、ある危機を迎えます。
土地は、領土は、いったい誰のものか。攻め込まれたとき、屈するのか逃げるのか、それと
も?−−自らに問いながら書きました。自分ならどうするか、と。連載終了後まもなく、ウク
ライナ侵攻が始まりました。この小説のラストは、かの侵攻を予見できていない頃に書いた、
一つの願いでした。
このちょっと不思議な物語、どうぞお楽しみください。
――朝井まかて
■著者プロフィール
朝井まかて(あさい・まかて)
一九五九年大阪府生まれ。二〇〇八年、第三回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し『実
さえ花さえ』でデビュー。『恋歌』で第三回本屋が選ぶ時代小説大賞と第一五〇回直木
賞、『阿蘭陀西鶴』で第三一回織田作之助賞、『すかたん』で第三回大阪ほんま本大賞、
『眩』で第二二回中山義秀文学賞、『福袋』で第一一回舟橋聖一文学賞、『雲上雲下』
で第一三回中央公論文芸賞、『悪玉伝』で第二二回司馬遼太郎賞、『グッドバイ』で第
一一回親鸞賞、『類』で第三四回柴田錬三郎賞と第七一回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
このほか、大阪の芸術文化に貢献した個人に贈られる大阪文化賞を受賞。近著に『ボタ
ニカ』『朝星夜星』『秘密の花園』等がある。
■POP
■書誌情報
タイトル:朝井まかて
著者:青姫
定価:2200円(税込)
判型:四六判上製
ページ数:344ページ
発売:2024年9月27日(金)
ISBN:978-4-19-865890-8
【徳間書店】
https://www.tokuma.jp/book/b652678.html
【Amazon】
https://www.amazon.co.jp/dp/4198658900
【初出】
「読楽」
二〇二〇年九月号~二〇二一年一月号、
二〇二一年五月号~二〇二一年十二月号掲載。
単行本化にあたり、加筆修正しました。
■著者、徳間文庫既刊紹介
タイトル:雲上雲下
定価:825円(税込)
判型:文庫判
ページ数:464ページ
発売:2021年3月
ISBN:978-4-19-894631-9
【徳間書店】
https://www.tokuma.jp/book/b564049.html
【Amazon】
https://www.amazon.co.jp/dp/4198946310
「物語が世界から消える? 」
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。
民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う!
「全体の形があらわになった瞬間、
全身に鳥肌の立つような感動を覚えた 」
阿部智里(作家)解説より
昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、一本の名もなき草がいた。
彼のもとに小生意気な子狐が現れ、「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、
団子ころころ、お経を読む猫、そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語は
やがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。――民話の主人公たちが笑い、
苦悩し、闘う。
不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。
〈第十三回中央公論文芸賞受賞〉
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