サンスターグループ(以下サンスター)は「サンスター オーラルフレイルケア プロジェクト」の一環として、40歳から70歳以上の一般男女800名を対象に「オーラルフレイルに関する意識調査」を実施しました。その結果、オーラルフレイルの認知率は過去4年間で約17%向上しましたが、実際に予防・対策をしている人は21.4%にとどまりました。
一方で、オーラルフレイルを判定するための5つのチェック項目(OF-5)のうち、2項目以上当てはまり、オーラルフレイルと判定される人は全体で14.1%に達し、さらに1項目でも当てはまるオーラルフレイル予備軍は40.0%となりました。40代でも3人に1人が予備軍に該当し、早期の予防・対策の重要性が確認できました。
「オーラルフレイル」とは、滑舌の低下や食べこぼし、飲食時の「むせ」など、ささいなお口の衰えをきっかけにお口の機能が低下し、栄養不足や気持ちの落ち込みなどを引き起こす現象や、その過程のことです。オーラルフレイルが悪化すると、お口だけにとどまらず、体力・筋力の低下を引き起こし、全身のフレイル(虚弱)につながると言われています。サンスターは人々の健康寿命の延伸に貢献することを目指しオーラルフレイル予防の啓発活動を実施しています。
<調査概要>
対象エリア: 全国
対象者: 40歳~70歳以上の男女 800人 (男性:400人、女性400人 性年代均等割付)
調査期間: 2024年7月26日~29日
方法: インターネット調査
【調査サマリー】
①【オーラルフレイル認知】オーラルフレイルの認知率は4年前の12.1%から29.0%に向上
②【予防・対策意向】72.4%がオーラルフレイルの予防や対策の意向を示す一方で、実際に行動に移している人は21.4%にとどまる
③【自己認識】81.5%の人が「自身はオーラルフレイルではない」と認識している
④【実態】オーラルフレイルを判定するための5つのチェック項目(OF-5)に基づくとオーラルフレイルと判定される2項目以上当てはまった人は全体で14.1%、1項目以上当てはまるオーラルフレイル予備軍も含めると全体で40.0%となり、40代でも3人に1人がオーラルフレイル、もしくはオーラルフレイル予備軍に該当している
【調査結果】
① 【オーラルフレイル認知】オーラルフレイルの認知率は4年前の12.1%から29.0%に増加
2020年の前回調査の際は12.1%だった認知率が、2024年には29.0%に向上。「オーラルフレイル」の認知率はこの4年間で約17%も向上していることがわかりました。
② 【予防・対策意向】72.4%がオーラルフレイルの予防や対策の意向があると答える一方で、実際に予防や対策をしている人は21.4%にとどまる
オーラルフレイルの予防や対策をしたいと思いますか?という質問に対して、「とてもそう思う」、「そう思う」と答えた人は72.4%となり、オーラルフレイルへの予防や対策の意向が高いことがうかがえます。
一方で、予防や対策を行っている人の割合は21.4%。予防や対策をしたい人と実際に行っている人のギャップは51.0%となり、予防や対策をしたいという意向はありつつも実践している人はまだ少数という現状がわかります。
特に、オーラルフレイルの予防や対策を実施していない人の理由として、「何をしたらよいのかわからないため」が72.0%で最も多く、予防や対策方法の認知が課題となっています。
③ 【自己認識】81.5%の人は「自身はオーラルフレイルではない」と認識している
「あなたは現在、オーラルフレイルだと思いますか?」という質問に対して、81.5%が自身は「オーラルフレイルではない」と回答しました。
年代別にみても、70代以上の人でも81.0%が自身はオーラルフレイルではないと回答しているなど、オーラルフレイルに該当しやすい、高齢者でも自身がオーラルフレイルであるという自己認識が低いことが分かりました。
自身がオーラルフレイルだと思わないと回答した理由では、「オーラルフレイルの症状がないから」が最も多い回答となりました。40代では、32.1%の人が、「高齢者に必要なことで自分にはまだ関係ないと思うから」と回答しています。
④ 【実態】オーラルフレイルを判定するための5つのチェック項目(OF-5)において、オーラルフレイルに判定される2項目以上に当てはまった人は全体で14.1%、1項目以上当てはまるオーラルフレイル予備軍も含めると全体で40.0%となり、40代でも3人に1人がオーラルフレイル、もしくはオーラルフレイル予備軍に該当
オーラルフレイルを判定するための5つのチェック項目(OF-5)において、「口の渇きが気になる」「お茶や汁物等でむせることがある」が全年代を通じて当てはまる人が多く、40代でもそれぞれの項目で13.5%の方が該当していました。
50代ではこの2項目に加えて「普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある」、60代では、「半年前と比べて固いものが食べにくくなった」が増加、70代になると全項目で10%を越え、「自身の歯は19本以下である」という項目が19.0%で最も高い項目となりました。
チェック項目で、オーラルフレイルに判定される2項目以上に当てはまった人は全体で14.1%となり、70代以上では21.0%が該当しました。また、1項目以上当てはまったオーラルフレイル予備軍も含めると全体で40.0%が該当。40代でも33.0%と3人に1人がオーラルフレイル、もしくはオーラルフレイル予備軍に該当する結果となりました。
【東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科 部長 平野 浩彦先生 コメント】
オーラルフレイルの該当割合は、40代から60代で約10%台を推移し、70代以上になると20%台へと増加します。注目すべき点は、各年代でのOF-5(オーラルフレイル自己評価)の該当項目です。例えば、60代では咀嚼の困難さ、70代以上では発音の問題が顕著に増加する傾向が見られ、年代ごとに自覚する口の機能低下は異なります。私たちが普段口にする食べ物は、固いものが少なく、柔らかいものが多いため、「食べにくい」と感じた時点では、すでにオーラルフレイルがかなり進行している可能性があります。口の機能低下は自覚しにくいものです。そのため、OF-5を活用して「具体的にどのような症状が口の機能低下を示すのか」を理解し、自分ごととして捉えることが、オーラルフレイルの早期発見と対策につながると考えられます。
【サンスターグループ 研究開発統括部 永谷 美幸 コメント】
オーラルフレイルの認知率は高まってまいりましたが、その予防・対策のために実際に行動されている方が少ないことは大きな問題と捉えております。幅広い世代の皆様にオーラルフレイルを自分ごと化いただくために、弊社といたしましてはオーラルフレイルと全身との関係について等、研究・情報発信を継続的に行っております。また、ご自身でオーラルフレイルやお口の機能について気付いてもらい、楽しく行動に移せることを目指し、スマートフォン用の無料アプリ「おくち元気チェック」を2024年に改良いたしました。これらの活動を通じて皆様の健やかな歯と口で元気に楽しい毎日を過ごせるよう、今後もサービス・情報の提供に努めてまいります。
【オーラルフレイルに関する情報サイト】
サンスターオーラルフレイルケアプロジェクト URL:https://jp.sunstar.com/oral-frail/
【サンスターのこれまでのオーラルフレイルに関連する取り組み】
人生 100 年時代を見据え、ただ長生きするだけでなく、健康な状態で長生きする「健康寿命を延ばす」考え方が重 要視されるとともに、フレイルの予防が注目されています。フレイルとは、加齢や疾患によって心身が老い衰え、社会とのつながりが減少した状態のことで、フレイルになると要介護のリスクが高まっていきます。そんなフレイルの大きな要因の一つが、「かたい物が食べづらい」、「食べこぼす」、「むせる」、「滑舌がわるい」など、ささいなお口の衰えをきっかけにお口の機能が低下する「オーラルフレイル」です。サンスターは、フレイルの入り口である、オーラルフレイルの予防をすることが、要介護にならず、自立して生活のできる健康寿命の延伸につながると考え、2018 年からいち早くオーラルフレイル予防に取り組んでいます。
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte.Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループです。
【サンスターグループについて】
100年mouth 100年health
人生100年時代、サンスターが目指すのは、お口の健康を起点とした、全身の健康と豊かな人生。毎日習慣として行う歯みがきなどのオーラルケアは、お口の健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながっています。100年食べ、100年しゃべり、笑う。一人ひとり、自分らしく輝いた人生、豊かな人生を送るためにも、お口のケアを大切にしていただきたいと考えています。今後もお口の健康を起点としながら全身の健康に寄与する情報・サービス・製品をお届けすることで、人々の健康寿命の延伸に寄与することを目指していきます。