特定非営利活動法人ウィメンズアイ(宮城県南三陸町、代表理事 石本めぐみ)は、地域女性を対象としたITスキル研修プログラム「デジタルカレッジUP」第一期(2024年5月26日(日)〜9月1日(日))の修了式を9月1日に開催しました。気仙沼市内で開催されたこのプログラムでは、約3ヶ月間の研修を30名が受講し、実際の業務で使用されるエクセルの技能やデータ分析手法、仕事のソフトスキル等を学びました。
今回の研修は、気仙沼市と実施した調査に基づき、地域女性にITスキルを取得する機会を提供することを目的に実施されています。2023年8月21日(月)〜9月5日(火)に気仙沼市在住18歳〜49歳の女性7082⼈を対象として行った「気仙沼で暮らす女性の仕事・生活・デジタルスキルに関する調査」では、デジタルやパソコンのスキルアップに興味がある人のうち、エクセルを使ったことがある人は9割弱、その中で初級レベルの操作ができる人は6~9割、中級は3~5割、上級は1~2割にとどまりました。
オンライン学習と対面講座を組み合わせた今回の研修プログラムでは、パソコンを使って仕事ができることを目指し、ITの基礎知識やエクセル、コミュニケーションなどのソフトスキルに加え、「MOS」やIT系国家試験の「ITパスポート」などの資格取得を目指した講座も実施しています。また、講座開催時にはパソコンの貸出や託児サービス、学習場所の提供、少人数の初心者講習、集合学習の機会、LINEの活用など、子育て世代を含む地域女性が学びを継続しやすいよう工夫しています。
これまでパソコンに触れる機会がなかった参加者もゼロからITを学ぶ機会を最大限に活用しています。参加した女性たちは、「会社でこの講座で学んだ事を少しずつ実践できており、上司に褒めて貰えた事がとても嬉しかったです」「パソコンのスキルアップが目的でしたが、各講座ではこれから先必要な知識を沢山学ばせて頂きました。今回のデジカレでは40代のわたしでも学ぶって楽しいなと思える貴重な体験をさせて頂きました」「何度も背中を押して頂き頑張る事ができました。一歩を踏み出す事によってこんなに景色が変わるんだと改めて実感しました」と話しています。
第二期は2024年12月に開始予定です。ウィメンズアイでは、今後もこのように女性が地方で暮らしていても働きがい・キャリアと収入の成長機会を得られるよう新たなデジタルスキルを手にする機会を提供していきたいと考えています。特に、ChatGPTなどの生成AIの影響も大きくなっており、情報格差が生じやすい地方において、取り残されないためのスキルはこれまで以上に求められています。未経験の参加者だけでなく、パソコンを使って仕事をしているが新たなレベルでのスキルアップを目指している人材の育成もますます求められています。
ウィメンズアイについて
ウィメンズアイは、東日本大震災を機に宮城県北の三陸沿岸で活動を始めた市民団体です。地域女性のエンパワーメントを目的に2011年から千回以上の講座を開催し、1万人を超える東北地方の女性が参加しています。2011年の東日本大震災後、多くの次世代を担う女性たちが地域の課題に取り組みましたが、特に被災地における課題は困難であり、都市部に比べて性別役割分業、男女の賃金格差が大きく、問題が山積しています。ウィメンズアイは自分が暮らす地域のために活動を続ける女性が力をつけ、自らの人生を自ら選択して自分らしく生きられるよう、コミュニティづくりを継続的に行っています。
<本件に関するお問い合わせ先>
特定非営利活動法人ウィメンズアイ
E-mail: info@womenseye.net
電話 :0226-25-9517
〒988-0474 宮城県本吉郡南三陸町歌津字田表35-1