小学館児童出版文化賞は、毎年度、児童出版文化の向上に貢献すると認められる、幼年ならびに少年少女に奨めたい優れた作品および作家を選び顕彰しているものです。
【作品紹介】
「今年がラストチャンスって気がするんだよ」
難病をかかえる親友の願いをかなえるため、
ぼくたちは冒険に出発した――
物語の舞台は、著者・最上一平氏のふるさと山形県を思わせる、山あいの村。同じ集落に住む小学4年生の山ちゃん、シューちゃん、かっちゃんとあきらは、夏休みの計画を練り始めます。
4人組の一人であるかっちゃんは、進行性の難病、筋ジストロフィーを患っています。年々歩きにくくなり、将来は長く生きることができない――。でも、小さいころからずっと一緒に過ごしてきた仲間にとっては、かっちゃんは親友の一人。特別な存在ではありません。
そのかっちゃんが、夏休みに川へダイブしたいと言い始めます。かっちゃんの願いをかなえてあげたくて、あれこれと知恵を絞りますが……。
夏休みという限られた時間の中で、めいっぱい命を謳歌する少年たちをみずみずしく描いた、さわやかな作品です。
また同書は、産経児童出版文化賞JR賞、児童福祉文化賞推薦作品、2025年IBBYバリアフリー児童図書で日本からの推薦作品(カテゴリー2:障害がある子どもや人物を描いた本)にも選定されました。
【読者の声】
生きているって素晴らしい!
空を見上げて、大きく息を吸って、思いっきり走り出したくなった。
夏休みっていいよな~。
何もしなくてもいいし、なにかに真剣に取り組んでもいいし、ぼおーっと妄想にふけっていてもいい。
でも、その年の夏休みは、一生に一回しかないのだ。
「今」しかできないこと、「今」だから楽しめることがあるのを知っている彼らたち。
彼らの生きているパワーが、ページからあふれでてくるのを感じた。
しつこいけれど、あ~、夏休みっていいよな~。
マメイケダさんの描くイラストも最高に素敵でした!
(NwtGalleyレビュアー)
【本書の特徴】
●命の尊さと友情のすばらしさが伝わる
●マメイケダさんの生き生きとした挿絵
●大人も楽しめる良質の物語
【本書の概要】
書名 : じゅげむの夏
著者 : 最上一平・作/マメイケダ・絵
発売日 : 2023年7月30日
販売場所 : 全国の書店・インターネット書店
定価 : 1,650円(税込)
体裁 : A5判/128ページ
ISBNコード: 978-4-333-02903-7
URL : https://books.kosei-shuppan.co.jp/book/b629748.html
【著者紹介】
最上一平(モガミイッペイ)
1957年山形県生まれ。児童文学作家。読み物の作品に『ぬくい山のきつね』(新日本出版社/日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞受賞)、『じぶんの木』(岩崎書店/ひろすけ童話賞受賞)、絵本の作品に『たぬきの花嫁道中』(岩崎書店/日本絵本賞受賞)、『いのちがかえっていくところ』(童心社)、『すずばあちゃんのおくりもの』(新日本出版社)他多数。
マメイケダ(マメイケダ)
1992年生まれ。島根県生まれ。画家、イラストレーター。食べたごはんをよく描いている。絵本の作品に『おなかがへった』(WAVE出版)、『えきべんふうけい』(あかね書房)など。展覧会での発表や書籍・雑誌の装画など、幅広く活躍中。
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