7月の日銀利上げ（0.1%→0.25%）を受けて、先月メガバンク3行の短プラ（短期プライムレート）が0.15%引き上げられました。このため、今月からメガバンクを含む多くの金融機関の住宅ローン基準金利が約0.15%上昇しました。ただし、一部の銀行は基準金利を引き上げたにも関わらず、引下げ幅を拡大することで適用金利を据え置いており、簡単には金利を上げられない競争の激しさを物語っています。
日銀の追加利上げに伴い変動金利は今後上昇していく可能性が高いですが、依然として変動・固定の金利差には大きな開きがある状況です。借り過ぎないなどの金利上昇リスク対策をしっかりと行う前提であれば、変動金利が固定金利よりも有利でしょう。
１．最新の住宅ローン金利ランキングと10月の動向
10月は短プラ引き上げで数多くの金融機関の住宅ローン基準金利が約0.15%上昇しました。その結果、同じように適用金利も上昇しました。一方、一部金融機関では住宅ローン基準金利を据え置いたり、基準金利を引き上げるものの引き下げ幅を拡大して適用金利を据え置く動きもあります。主要なネット銀行とメガバンクの動きについて表にまとめました。
2．変動金利の決まり方
変動金利の決まり方を整理します。変動金利は、基準金利（住宅ローンの定価）から引き下げ幅（ディスカウント。優遇幅とも表現します）を差し引くことにより、適用金利が算出されます。引き下げ幅は審査時に決まり、完済まで同一の値で変わりません。ゆえに、変動金利を借りた後、適用金利がどうなるかは基準金利の動き方次第です。
３．各金融機関の基準金利・引き下げ幅・適用金利
今年4月と10月の主要金融機関の住宅ローン基準金利及び引き下げ幅の動きも確認して見ましょう。表の通りまとめました。適用金利は0.15%程度の上昇です。原則として、基準金利の上昇幅は日銀の利上げ幅と同じになることが多く、引き下げ幅は各銀行のマーケティング戦略次第です。10月の適用金利のみで判断するのではなく、その金利が住宅ローン基準金利見直し前の一時的なものか、長期的に適用されるか（つまり、日銀が利上げしない限り、継続する基準金利か）を見極めることが重要となります。
４．住宅ローン金利インデックス
ネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェック独自指標である「住宅ローン金利インデックス」の動きをまとめました。今月はメガバンクが短プラを引き上げましたが、住宅ローン金利の見直しは来月以降のため、金利水準に大きな変化はありませんでした。ただ、変動金利を先月はソニー銀行が、楽天銀行は4月以降連続で引き上げたため、変動金利ではネット銀行の平均金利がメガバンクのを上回る逆転現象が起きています。来月以降に住宅ローン基準金利を引き上げる動きもあり、各銀行の戦略により金利差が広がる可能性もあります。
なお、固定金利は、日銀の利上げを受けて長期金利が低下したため、先月より若干低い金利となりました。米国では金融緩和が検討されており、日本の長期金利も落ち着いた動きをすると思われます。
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