プログラミングの受託開発や教育企画を行う株式会社レベルエンター(本社:東京都港区芝5-32-12 / 代表取締役:山本 大 / 以下:同社)は、小論文や志望理由書の採点・添削に悩む教員に向けて、AIで自動化するサービス「AI.R-Scorer(以下:エアスコアラー)」を、2024年10月2日(水)にリリースします。
エアスコアラーはChatGPTの技術をベースとした採点システムで、オンライン上でテストの作成・配布が可能であり、生徒からの回答に対して、1採点最短10秒で自動で採点・添削を行います。1000人以上の一括採点にも対応できるため、大幅な採点時間の短縮が見込め、十分な指導やブラッシュアップした回答を確認するための時間が足りないという教員が抱える課題を解決します。また、採点基準も統一化され、教員の経験値による差異も抑えられます。現役の高校教員と共同開発しており、一括採点やルーブリックの設定、カンニング防止機能など、現場で発生する細かいニーズにも対応しています。初年度は、1年間で100校の導入を目指します。
◆現役高校教員の課題に特化『指導のための時間が足りない』を解決する
エアスコアラーは、新渡戸文化中学校・高等学校の中嶋一裕先生と共同開発しました。中嶋先生は、「本当はもっと生徒一人ひとりに寄り添って納得いくまで指導したいのに、時間が足りなくてできない」という課題を常に感じていました。主な要因としては、以下が挙げられます。
・採点に時間がかかるため、限られた回数しかテストできない。生徒がブラッシュアップしても再度採点する時間が取れない。
・人間の感覚で左右してしまう採点基準を統一することや、基礎的な文章指導に時間がかかる。
・文章指導のスキルを持つ教員が少ないため、特定の教員に業務負荷が集中する。
「本当は生徒一人ひとりにもっと寄り添いたい」教育現場でソフトウェアを開発する中で、業務に追われる多忙な先生にたくさんお会いしました。そんな先生の負担を減らし、生徒に向き合う時間を捻出するために、エアスコアラーは開発されました。
AIとの役割分担で基礎的な文章指導をAIに任せ、教員はAIには読み取れない生徒の背景や特性に気付き、一人ひとりに適した指導をすることに集中できる。人間ではどうしても発生してしまう採点ミスや基準の差異がなくなるため、指導のクオリティも高い水準で保てます。単なる業務支援ツールではなく、この技術が教員や生徒を取り巻く課題を解決する一助となり、教育のあり方を変えていけるよう、開発を進めてまいりました。
◆AI.R-Scorer(エアスコアラー)の特徴 1人あたりの採点時間は1分以内。
作業時間を1/4以下に。
開発を始める際に、現役の教員に課題や希望する機能をインタビューした結果、1人の添削は約5〜6分。仮に6クラスで200人分の採点をすると、約17時間かかり、期末などの試験の採点では徹夜に近い業務を強いられていることがわかりました。
エアスコアラーを使用する場合、採点は最短で10秒でおこなうことができ、教員はAI採点の妥当性をチェックし、添削やアドバイスを書き込む時間を考えても、1人の採点時間は1分以内で完了します。大人数の採点もボタンひとつで一括採点が可能なため、200人分17時間かかっていた添削作業は、エアスコアラーを活用することで約4時間で完了でき、12時間の短縮が可能になります。
その他、現役教員と共同開発しているため、実際の学校現場で発生する細かいニーズに対応する機能を搭載しています。
【エアスコアラーの特徴】
・1000人以上の大人数もボタンひとつで一括採点
・テスト問題の作成、配布、回答、採点・添削、返却まで、オンライン上で全て完結
・ルーブリックの設定、カンニング防止、成績入力機能搭載
・問題作成の際字数制限や単語指定等が必要なく制限がないため、目的に合わせて柔軟な問題設計が可能
【テスト利用時の現役教員からの感想】
40代男性 神奈川県 私立高校 化学科教員:
エアスコアラーは、これからの教育現場に革新をもたらすと感じています。特に、生徒の小論文作成の初期の文章構成の問題の早期発見と改善に大きく貢献しています。以前は見落としがちだった文法ミスや論理の飛躍を瞬時に検出し、具体的な改善点を示してくれます。これにより、問題のある文章を素早く特定し、個別指導に繋げられるようになりました。生徒たちも自分の弱点を客観的に理解し、効率的に文章力を向上させています。教師の負担軽減と指導の質向上を同時に実現する、まさに理想的なツールです。
30代男性 東京都 公立高校 国語科教員:
良い意味でのAIの味気なさが、生徒との関係性を良好にする手助けもしてくれています。
普段、生徒に文章の間違いを指摘する際は、非常に気を使います。書いた文章というのは、どうしても生徒本人を表す側面があるので、下手に指摘をすると、プライドを傷つけてしまう恐れがあります。なので、生徒との関係性を見ながら、指導を行ってきました。この辺の匙加減は、本当に難しく、時には関係性を悪くしたこともあります。
その点、エアスコアラー、AIが文章の不備を指摘するわけなのですが、それを読んだ生徒の様子を見たり、感想を聞いたりすると、普段私がするのに比べて、はるかに素直に指摘を受けとめているようでした。
おそらくですが、人間、しかも普段関係性のある教員ではなく、AIという人間ではないもの、関係性が生じづらい存在からの指摘であれば、ある程度ドライに受け入れられるのだと思います。
40代女性 東京都 公立高校 国語科教員:
高校2年生の小論文授業を担当していますが、添削にかける時間がネックとなり、なかなか踏み込んだ授業ができない状況でした。実際に利用してみて、とても将来性のあるものだと思いました。
30代男性 神奈川県 私立高校 教頭:
GPTの利用も、まずはやってみるというのが大事だと感じています。GPTは生徒がすでに使っているため、生成AIありきで教員や生徒がどのように教育活動をアップデートをしていくのか興味があります。
◆サービス利用について
①オンライン上でテスト問題を作成し、URLで生徒に問題を配布します。
②生徒はログイン不要でオンライン上で問題に回答ができます。
③対象の回答に対して採点ボタンを押すと、最短10秒でAIによる採点・添削が完了します。
生徒一人当たり年間500円(税込550円)でご利用いただけます。教員用アカウントの発行は無制限。
まずは1ヶ月無料で利用できます。詳細な料金体系は、お問い合わせ後にご案内します。
サービスURL:https://lp.ai-r-scorer.com/
◆開発担当者コメント
【プロフィール】
株式会社レベルエンター 代表取締役
2000年よりIT企業でエンジニアとして勤務。プロジェクトマネジメントや1000人規模のプロジェクトでのアーキテクトを経て、役員として経営に従事。2015年にレベルエンターを創業し、主に教育現場でプログラミング教育およびソフトウェア開発を行っている。著書、監修書、講演実績多数。
小論文指導に関わる先生方は、生徒一人ひとりが自分らしい文章を書けるようになることで、納得のいく進路を選んでほしいと思っています。しかし採点や添削に時間がかかり、肝心の指導のための時間が足りないという現状がありました。
今飛躍的に発展しているAIの技術を活かせば、先生は先生にしかできないこと、つまり生徒一人ひとりの特性や背景を理解して指導をすること、その積み重ねによって生徒との信頼関係を築くことなどに集中できると考え、エアスコアラーの開発に至りました。エアスコアラーは、「ただ業務を効率化するシステム」ではありません。私たちは、AIを活用したサービス開発が学校現場の課題を解決し、先生と生徒の未来をよりよくすると信じています。
◆同社顧問 鷲尾隆氏コメント
【プロフィール】
関西大学 商学部 教授
大阪大学 産業科学研究所 名誉教授・特任教授・KOBELCO未来協働研究所 所長
産業技術総合研究所人工知能研究センター NEC-産総研人工知能連携研究室 室長
科学技術振興機構 CREST革新的計測解析領域 研究総括
株式会社レベルエンターは、先進的なWebベースのAR/VR技術、教育のIT/AI支援技術の開発に取り組まれています。現場状況に応じた技術導入に力点を置いた開発に特徴があり、技術の先進性と現場への適合性のバランスを取る姿勢が、事業の原動力になっていると思います。単に技術重視指向が強い他のIT/AIベンチャー企業とは一線を画する企業であり、この姿勢を大切に今後も様々な社会課題の解決に取り組んで成長して行くことを期待します。
このような技術開発姿勢の中で生まれてきた最新技術の代表がエアスコアラーだと思います。これは先端的なプロンプトエンジニアリングを駆使したAI教育支援システムです。レベルエンターが教育支援の先進技術開発と現場導入を実践する中で、昨今の教育現場で教師が大変に忙しく、作文や小論文のきめ細かい添削指導に十分な時間を割けないという課題を見出す中で、この技術が生まれました。私自身、大学講義で大勢の学生のレポートや論文の内容を適切に評価するのに膨大な時間を割いており、その十分な質の確保に日ごろから限界を感じていたところです。この技術が初等教育から大学教育まで、今後、多くの教育機関の教育支援システムに実装され普及して行くことを期待しています。
◆会社情報
会 社 名:株式会社レベルエンター
所 在 地:東京都港区芝5-32-12 シャーメゾンステージ田町3F
代 表 者:山本 大
代 表 番 号:03-4446-6577
設 立 :2015年7月14日
U R L : https://levelenter.com/
事 業 内 容:ITおよびプログラミング教育、ソフトウェア開発請負、ソフトウェアサービス企画・制作・販売