2024年9月27日 「世界観光の日」 に、全国の有志達が集まり、第3回JARTAフォーラムを開催しました。2014年にパイオニアたちの取り組みによって開始された 「第1次サステナブルツーリズム ムーブメント」 から10周年の節目を迎え、激変する世界、ツーリズム産業において、将来、それぞれが思い描く持続可能な観光を実現するために、サステナビリティや認証制度に関する最新の国際情報、2026年にEUで施行予定のGreen Claims Directiveの解説、各地で活躍される事業者からの様々な発表やディスカッションが行われました。
そして、2024年9月27日「世界観光の日」に、「第2次サステナブルツーリズム ムーブメント」 として新たなサステナビリティジャーニーへと出発します。アフターコロナで、成長するツーリズム産業、とりわけインバウンドビジネスは、日本の経済にとって非常に重要です。しかしながら、短期的な視点や、ビジョンなき無責任な運営によって、観光地は消費の対象として搾取され、もはや、オーバーツーリズムという言葉だけでは全体像をとらえることが困難です。マネジメントなき運営によって、今後、様々な社会問題を引き起こす可能性は否定できません。現在進行中のこの状況を 「観光危機」 として認識し、2030年に日本の観光のあるべき姿を目指し、ここに 「サステナブルツーリズム東京宣言2030ビジョン」を宣言します。そして、その実現のために3.5%ルールの達成を目指し、日本の人口の420万人に、このビジョンに賛同してもらえるように、普及・啓蒙活動を行ってまいります。
サステナブルツーリズム東京 2030ビジョン
【全文内容】
今、環境危機とともに観光危機が迫っている。この危機意識を共有し、直ちに行動を起こさなければならない。本日World Tourism Dayから2030年までを第2次ムーブメントとして捉え、これまでの取り組みをさらに強化し推進するために出発する。この6年間は勝負の年である。
全員一丸となって、旅の力を信じ、それを最大限に発揮し、旅行者、地域、地球に幸福をもたらし、さらにツーリズム産業に関わる事業者自身が幸福である「四方良し」の社会を実現できるか。あるいは、短期的な視野の下、自らの利益をひたすら追求し、志なき運営によって地域の資源を搾取し、様々な負のインパクトを社会にもたらし、ツーリズム産業はさらに世間の信頼を失墜するのか。
その自覚と責任が問われている。
1人1人がサステナビリティの伝道師として、将来の日本のあるべき姿を想い描き、取り組む事を誓い、「サステナブルツーリズム東京宣言2030 ビジョン」としてここに宣言する。
1. 美しい日本を後世に残すため、持続可能な経営組織作りに取り組む。
2. 訪れる地域コミュニティーの社会的・経済的な利益の拡大につとめ、悪影響の最小化に寄与する。
3. わが国の文化遺産の魅力を伝え、悪影響の最小化に寄与する。
4. 環境保全に貢献し、環境負荷の最小化に寄与する。
5. 訪問客の満足につながる経営を目指し、同業者や利害関係者に2030ビジョンの輪を拡げるための努力をする。
6. このビジョンの実現のために、国際基準に基づく方策、および国際基準に基づく認証制度を有効な手段として普及し運用する。
当日のプログラム詳細内容
1. 開演のご挨拶 阿部有香 副代表理事(株式会社穴吹トラベル 代表取締役社長)
2. JARTA各理事からの祝電
3. 代表講演 高山傑 代表理事 「観光の光と影」
(最新の国際情報、Green Claims Directive, 持続可能な観光の定義の深読み、認証制度、私たちの使命等々)
4. メインディスカッション 「2030ビジョン」の説明と「2030年の日本のツーリズム産業のあるべき姿」
5. Buddy talk (異なる立場から、自社の活動を通じて、日本のツーリズム産業の2030年にあるべき姿をディスカッション)
6. 「サステナブルツーリズム東京宣言2030ビジョン」 署名式
7. 国際認証部門報告会(Green Claims Directiveの解説と取り組み方、Green Keyデンマーク本部からのビデオメッセージと、日本におけるグリーンキーの普及、意識の変化、取り組み施設のグッドプラクティス紹介 等々)
【第1部メインディスカッションの登壇者】
株式会社北海道宝島旅行社 代表取締役社長 JARTA理事 鈴木宏一郎氏
株式会社RIDAS 代表取締役 JARTA副代表理事 井上寿氏
株式会社穴吹トラベル 代表取締役社長 JARTA副代表理事 阿部有香氏
JARTA代表理事 高山傑
JARTA 国際認証部門 統括部門長 渋谷 武明 (モデレーター)
【第2部Buddy talkディスカッションの登壇者】
やまとごころ 堀内 祐香氏 (発表およびモデレーター)
一般社団法人JaSCA 代表理事 青木真郎氏
楽天グループ株式会社 楽天トラベル サスティナブルプロジェクトリーダー 沖芙如氏
日本ブルーフラッグ協会 代表理事 片山清宏氏
一般社団法人ツーリストシップ 代表理事 田中千恵子氏
【JARTA各理事からの祝電】
■理事:多田 稔子 一般社団法人田辺市熊野ツーリズムビューロー(和歌山県2-283)
■理事:西谷 雷佐 株式会社インアウトバウンド仙台・松島(宮城県2-390)
■理事:荒井 一洋 Adventure Hokkaido 合同会社(北海道2-789)
■監事:田村 啓 株式会社TABIKYO JAPAN(京都府)
■監事:久保 竜太 株式会社かまいしDMC(岩手県2-236)
【第1部メインディスカッションの内容は以下の通り】
これまでの取り組みを4章のストーリー仕立てで発表。
【第1章】【第2章】第1次サステナブルツーリズム ムーブメントからJARTAの設立まで
2014年第1回サステナブルツーリズム国際認証セミナーを奈良で実施。日本エコツーリズムセンターと共同して、GSTC国際認証の普及啓発活動を開始。その後、2015年から毎年各地でサステナブルツーリズム国際認証フォーラムを開催し、2018年に国連大学にて、「サステナブルツーリズム東京宣言」を採択しました。
【第3章】 観光危機
ツーリズム産業は、環境、社会、経済という基盤があって、初めて成り立ちます。オーバーツーリズムのみならず、観光による過度な開発は、地価の高騰、地域コミュニティの分断、ジェントリフィケーション、様々な負の影響をもたらします。観光が、社会に様々なネガティブな影響を及ぼすのです。観光危機は人災であり、その運営の在り方を180度転換することで、プラスの影響を及ぼすことが可能です。
【第4章】第2次サステナブルツーリズム ムーブメント 「2030ビジョン採択」
今、我々は本日から2030年までを、第2次ステナブルツーリズムのムーブメントとして、具体的な行動をとらなければなりません。もはや、第1次ムーブメントのように、意識の高い人だけが取り組む問題ではなく、事態は深刻です。誰もが自分事として、責任ある行動を起こさなければ、ツーリズム産業存続の危機にまで関わってきます。
3.5%ルール 420万人の賛同者を集め、持続可能な観光を実現する
賛同人の合計人数を「2030年9月27日までに420万人に達する」ことを目指します。
これは、3.5%ルールに基づき、日本の人口約1億2千万人の3.5%である420万人がご賛同いただくことで、社会の意識を変えることができるという信念に基づきます。
ご賛同いただける方は、署名を随時受け付け中です。
Sustainable Tourism Tokyo Declaration 2030 Vision(宣言文英訳)
Now, along with the environmental crisis, the Tourism Crisis is looming.
We must share this sense of urgency and take immediate action.
Today on World Tourism Day, the second movement of our sustainability journey starts.
We declare our commitment to realize a 2030 sustainable society. Over the next six years, we must work diligently to speed up and further strengthen our initiatives.
Our future will depend on how responsibly we conduct our own business.
We believe in the power of tourism and make the most of it to bring happiness to travelers,
communities, the globe and as well as people engaged in the tourism industry.
Our future will be bleak if we don’t take any responsibility for those four key groups.
For example, having a short-term perspective, and pursuing our own interests and exploiting
local resources through irresponsible management.
As a result, it causes various negative impacts on society, and the tourism industry loses
further social credibility.
Our determination and responsibility are being questioned now.
Each and every one of us pledges to work sustainably to envision what Japan should be in the future. It is hereby declared as the “Sustainable Tourism Tokyo Declaration 2030 Vision”.
1. Implement sustainable management in order to leave the beautiful land to future
generations.
2. Strive to maximize the social and economic benefits of the local communities we
visit and contribute to minimizing adverse effects.
3. Convey the charm of Japan’s cultural heritage and to minimize the negative
influences on the society.
4. Contribute to environmental conservation and minimize negative impacts.
5. Aim for management that leads to the satisfaction of visitors and make efforts to
expand the circle of the 2030 Vision to peers and stakeholders.
6. Spread this vision and take measures based on international standards and
certification programs as effective means.
September 27, 2024
JARTA forum on World Tourism Day
ご賛同頂ける有志の皆様の署名募集、資料のお問い合わせ
賛同人の合計人数を「2030年9月27日までに420万人に達する」ことを目指します。
これは、3.5%ルールに基づき、日本の人口約1億2千万人の3.5%である420万人がご賛同いただくことで、社会の意識を変えることができるという信念に基づきます。ご賛同いただける方は、署名を随時受け付け中です。
当日発表した以下の資料は、配布用に一部編集したものをお送りいたします。
l 「サステナブルツーリズム東京宣言2030ビジョン」
l 代表講演 高山傑 代表理事 「観光の光と影」
l メインディスカッション 「2030JARTAビジョン」の説明と「2030年の日本のツーリズム産業のあるべき姿」
l 国際認証部門報告会 「Green Claims Directiveについて」
l 国際認証部門 「Green Key の概要、海外および日本における最新情報」
ご希望の方は、下記フォームからお問い合わせください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhNQ3TEsocpU36Gber97lksvG-0plIm-BYI1B3wBlkQoCuoA/viewform
一般社団法人JARTA事務局
(Japan Alliance Of Responsible Travel Agencies)
[住所] 〒604-8811 京都市中京区壬生賀陽御所町8番地2
[電話] 075-406-7700
[Email] secretariat@jarta.org
[営業時間] 月曜日~金曜日9:30~18:00(土日・祝祭日・年末年始休み)
■事務局構成
事務局長:井上ゆき子
国際認証部門 統括部門長:渋谷武明
国際認証部門 ブルーフラッグ担当:月江 潮
総務・経理部:砂本有紀子