障害のある人の芸術文化活動を支援し、障害者の自立・社会参加を推進する厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」では、令和6年度全国連絡会議を10月24日(木)・25日(金)に実施し、障害福祉と芸術文化に関する知見を深め、情報共有、意見交換を行うための機会を創出いたします。
当事業では、障害者の芸術文化活動に対して、より身近な拠点で支援が受けられるよう47都道府県に支援センター設置を目指しており、また、支援センターが設置されていない地域の方や支援センターをサポートするため「ブロック」「全国」という活動エリアを設け、広域センターと全国連携事務局を設置しています。(※詳細は <資料>厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」とは 参照)
今年度は、「清流の国ぎふ」文化祭2024(「第39回国民文化祭」および「第24回全国障害者芸術・文化祭」)が開催される岐阜県の長良川国際会議場を会場に実施します。
「障害者による芸術文化活動を広げるネットワークづくり」をテーマに岐阜県内の取り組みの実例を紹介するシンポジウムのほか、分科会として、テーマ別の意見交換会や舞台芸術のワークショップの体験など多様なプログラムを実施予定です。
シンポジウム登壇者には、岐阜県内で地域のサポーターを育成しながら多様な人の芸術文化活動への参加を促進する事業を行なっている方々をお招きします。アートの力を活用して、社会とまじわる場をつくり、障がいのある人の表現と社会参加の可能性を広げることをともに目指す「tomoniアートサポーター」を運営するTASC岐阜の二村元子さん、岐阜県美術館を拠点に人と人、人と作品、人と文化をつないでいくアートコミュニケーター「〜ながラー」の運営を行なっている近藤優紀さん、可児市文化創造センターalaで文化芸術の場づくりを通して地域の人々の多様なつながりをつくり、地域を元気にする「まち元気リンクワーカー」の運営を行なっている半田将仁さん。障害のある方との取り組みそのものと、それを支える人材、ネットワークの重要性について、岐阜県ならではの事例を元に議論を深めます。(※各プログラムの登壇者プロフィールは<資料> 参照)
◉ 概要
全国連絡会議は、一般参加可能のシンポジウムと非公開プログラムによって構成されます。
シンポジウムへの参加方法は「一般の方が参加できるプログラムと申込方法」の欄をご確認ください。
日時:10月24日(木)、10月25日(金)
会場:長良川国際会議場 https://www.g-ncc.jp/
◉ スケジュール
<10月24日(木)>
■16:30-18:00【交流会】会場:大会議室(普及支援事業関係者のみ)
岐阜県のある東海・北陸ブロック内で行われている、美術・舞台芸術のそれぞれの取り組みについて、話題提供を行い、その後グループに分かれて、情報交換の機会とします。
話題提供:岐阜県障がい者芸術文化支援センター[TASCぎふ]、あしょげぶセンター(愛知県障害者芸術文 化活動支援センター)、特定非営利活動法人希望の園、特定非営利活動法人ハイテンション
進行:坂野健一郎(東海・北陸ブロック障害者芸術文化活動広域支援センター)、小川智紀(連携事務局)
<10月25日(金)>
■13:30-15:00 シンポジウム 会場:大会議室(一般公開 ※申込方法は下に記載)
「障害者による芸術文化活動を広げるネットワークづくり~岐阜県内の事例より」
岐阜県内での障害者による芸術文化活動を広げる実践について、支援センター、美術館、劇場からそれぞれ紹介を行い、あわせて活動を広げていく市民との接点のつくり方について焦点を当て、今後の展望について議論を深めます。(手話通訳、要約筆記あり)
登壇者:
二村 元子(岐阜県障がい者芸術文化支援センター[TASCぎふ])
近藤 優紀(岐阜県美術館)
半田 将仁(可児市文化創造センターala)
進行:
大澤 寅雄(連携事務局/NPO法人アートNPOリンク)
■15:30-16:30分科会
会場:大会議室ほか(普及支援事業関係者のみ)
出会いから生まれる活動やその価値、人材育成やネットワークなどをテーマとした意見交換会や、身体表現のワークショップなど、多様なプログラムを実施します。
<分科会1>一緒に始める新しい挑戦-福祉施設におけるアート活動の実践
「アート活動をはじめようとする事業所のファーストステップに伴走する企画」の活動紹介、そして、その過程や結果の中で生まれた福祉・芸術分野のネットワークや人材育成について学びます。
登壇者:岡村 忠弘、平谷 尚大(中国・四国Artbrut Support Center passerelle)、原田 幸子(チャイルドハウスひなたぼっこ)
<分科会2>みんなでつくる展覧会-継続した関わりの中で見えてきたこと
福祉施設、行政、専門家、作家等からなる県内ネットワークである、埼玉県障害者アートネットワークTAMAP±0の活動を通して、みんなでつくる展覧会の作り方やその中で生まれてきたネットワーク、継続した関わりの 中で見えてきたことについて学びます。
登壇者:宮本 恵美、小嶋 芳維(南関東・甲信障害者アートサポートセンター、埼玉県障害者芸術文化活動支援センター「アートセンター集」)
聞き手:大澤 寅雄(連携事務局/NPO法人アートNPOリンク)
<分科会3>身体表現ワークショップ「見て、想像するコミュニケーション」
岐阜ろう劇団いぶき代表・河合依子氏による演劇ワークショップを体験します。身体表現が持つコミュニケーションの可能性を体験し、障害種別や障害の有無にかかわらず、相手の伝えたいことを受け取るときに必要な「見ること、そして想像すること」について学びます。
ファシリテーター:河合 依子(岐阜ろう劇団いぶき)
進行:兵藤 茉衣、田澤 瑞季(連携事務局/株式会社precog)
【関連イベント】岐阜ろう劇団いぶきは、「清流の国ぎふ」文化祭2024で開催される、岐阜ろう劇団いぶきと長良高等学校演劇部による手話演劇「不思議な再会」(10月24日(木) 会場:ぎふ清流文化プラザ)にも出演されます。
https://gifu-bunkasai2024.pref.gifu.lg.jp/koku-shou-bunsai/event/entertainment/p6448/
◉ 一般の方が参加できるプログラムと申込方法
10月25日13:30-15:00
シンポジウム 「障害者芸文化活動を広げるネットワークづくり~岐阜県内の事例より」
申し込み方法: (1)フォームよりお申し込み https://forms.gle/nVoxLTeo5S9tqXbj8
(2)メールよりお申し込み お名前(ふりがな)、ご所属(あれば)を記載の上、件名を「シンポジウム参加希望」とし、メールアドレス(welfare@arts-npo.org)までお送りください。
申し込み期限: 2024年10月18日(金) 情報保障:手話通訳、要約筆記あり
WEBサイト: https://arts.mhlw.go.jp/info/20241007-14073.html
【本事業の問い合せ先】
■掲載の場合の読者の問い合わせ先 :
障害者芸術文化活動普及支援事業 連携事務局 担当:株式会社precog
TEL: 03-3528-9713
E-mail :welfare@arts-npo.org
■当リリースへのお問い合わせ先:
写真素材の請求、取材のお申し込み等は下記にご連絡ください。
障害者芸術文化活動普及支援事業 連携事務局 (株式会社precog) 担当: 神田
TEL: 03-3528-9713
E-mail :welfare@arts-npo.org
<以下資料>
厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」:
・厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」とは
平成25年に実施した懇談会の中間とりまとめをふまえ、平成26年度から平成28年度まで、障害者の芸術活動支援モデル事業を実施しました。平成29年度からは、モデル事業の成果を全国に展開する障害者芸術文化活動普及支援事業を実施しています。本事業は、地域における障害者の自立と社会参加の促進を図るため、全国に障害者の芸術文化活動に関わる支援センター等の設置を行い、支援の枠組みを整備することにより、障害者の芸術文化活動(美術、演劇、音楽等)を推進するものです。
・全国連絡会議とは
障害者芸術文化活動普及支援事業の支援センター、広域センター、都道府県担当者が集まり、本事業の実施に必要な基礎知識や専門的知見を全体で共有する機会です。シンポジウムや講義・研修プログラムを実施し、情報共有、意見交換を行っています。
・障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局とは
障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局では、全国各地で行われている障害者による芸術文化活動 の情報発信を行っています。支援センターの情報をはじめ、障害者芸術文化活動に関する様々なアイデアや知恵、経験を共有し、支え合うネットワークを築いていくための活動を行っています。
登壇者プロフィール:
シンポジウム登壇者:
◯二村 元子(ふたむら・もとこ)/岐阜県障がい者芸術文化支援センター[TASCぎふ]
2018年より、岐阜県障がい者芸術文化支援センター[TASCぎふ]スタッフ。
福祉施設での造形教室や特別支援学校での講師を経て、2014年から(公財)岐阜県教育文化財団にて展覧 会などの企画・運営を担当。自身も造形活動をしながら、「アートで生きるを楽しむ」活動を継続。
TASCぎふ(tomoniアートサポーター) https://www.tascgifu.com/soshiki/2/0000006.html
◯近藤 優紀(こんどう・ゆき)/岐阜県美術館
三重県出身。2022年5月より岐阜県美術館教育普及専門職として勤務。
各種教育普及に関わる館内外イベントの企画・実施を行う。
今年度5年目になるアートコミュニケーション事業の運営担当として、アートコミュニケーター「〜ながラー」と共に美術館へのアクセシビリティについて考える講座を担当している。
岐阜県美術館(アートコミュニケーター「〜ながラー」) https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/ac/
◯半田 将仁(はんだ・まさひと)(可児市文化創造センターala 事業制作課 主査)
東京、神奈川の文化施設に勤務後、2016年よりalaに入職。
alaでは、演劇滞在制作プロジェクト「ala collection シリーズ」、外国籍市民を対象にした「多文化共生プロジェクト」、障がい者も参加できるダンス事業「みんなのディスコ」、障がい者が創る作品展「エイブル・アート展」、社会的孤立という社会課題に対してアートで地域につながりを創る人を育てる「まち元気リンクワーカー養成講座」などを担当。
可児市文化創造センターala(まち元気リンクワーカー) https://kpac.or.jp/ala/event_event/linkworkerkouza2024/
◯大澤 寅雄(おおさわ・とらお)/厚生労働省 障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局(美術分野)・ NPO法人アートNPOリンク理事長
文化生態観察。文化コモンズ研究所代表・主任研究員、九州大学社会包摂デザイン・イニシアチブのアドバイザー。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長を経て現職。共著=『これからのアートマネジメント “ソーシャル・シェア”への道』『文化からの復興市民と震災といわきアリオスと』『文化政策の現在3文化政策の展望』『ソーシャルアートラボ゙地域と社会をひらく』。
分科会登壇者:
◯岐阜ろう劇団いぶき
ろう学校卒業後も演劇を続けたいと思ったが、健聴者劇団に入団を断られた河合依子(現いぶき代表)が、1979年米国ろう者劇団の来日で米国社会でのろう者の活躍を知ったことをきっかけに、日本でもろう者の劇団を結成して社会を変えなければと決心して、1982年に9名(うち健聴者2名)が集まり、旗揚げ。今年で43年目を迎えた「岐阜ろう劇団いぶき」は、ろう者を中心に健聴者もあわせて8名から成る劇団である。活動は岐阜市を中心にしているが、メンバーは美濃市、愛知県からも積極的に参加しており、年齢も20代から70代までと幅広く、大学生、会社員等さまざまな人で構成されている。
◯河合依子(かわい・よりこ)
1960年〜1975年花柳流日本舞踊を習う。1980年、黒柳徹子さんの「ろう者のための演劇セミナー」への参加をきっかけに、1982年、岐阜ろう劇団いぶきを旗揚げ。代表として活動して今年で40年。 自分たちの感性、創造性を信じ、舞台を通して手話の魅力を多くの人々に伝えたいという強い願いを抱いて、休むことなく活動を続けている。イタリア、イギリス、ベルリン、ウィーンで日本の代表として公演し、現在も全国各地で公演。1994年、日本青年会議所TOYP大賞(現・人間力大賞)受賞。小中高等学校等で講演、ワークショップを行う他、大学、手話通訳者への手話指導も行う。3年前より舞台監修を始めて活動中。
◯兵藤 茉衣(ひょうどう・まい)/厚生労働省 障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局(舞台芸術分野)・ 株式会社precogプロデューサー
2011年〜2014年NPO法人DRIFTERS INTERNATIONALにて、スクール事業やフェスティバル事業の事務局を担当。2015年からprecogに入社し、チェルフィッチュ/岡田利規のマネジメントや、アドミニストレーションを担当。2019年日本財団主催「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 – 」の事務局運営統括を経て、THEATRE for ALLの立ち上げにて企画・運営統括を担当。2021年より厚労省障害者 芸術文化活動普及支援事業 全国連携事務局(舞台芸術分野)を担当。
◯田澤瑞季(たざわ・みずき)/厚生労働省 障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局(舞台芸術分野)・ 株式会社precogプロデューサー
日本女子体育大学舞踊学専攻を卒業後、助手として勤務(2018~2021年)。2021年4月にprecogに入社し、アーティストプロデュース事業部を経て、THEATRE for ALL事業部に所属。まるっとみんなで映画祭、日中韓芸術祭2021 in Kitakyushu(文化庁主催)、TRANSLATION for ALL2023、EPAD×THATRE for ALLなどの事業を担当。