高良
このテーマにした理由や、 2作品同時上演、そして今までやってこなかったダブルキャストでの企画をやろうと思ったのは何故ですか?
Azuki
ダブルキャストって基本的に興業のことを考えてやることが多かったりするかなって思うねんけど、私はそれをあまり良しとしてなかったから、 ダブルキャストやるなら意味あるものにって思った時にこの作品をやろうと思った。
例えば、不倫ですっぱ抜かれた人がいました。そしたらその人が悪いってなるけど、 実際その人が不倫した原因とか、こういう生い立ちがあってみたいなこと聞くと、いや、この人かわいそうかもみたいな。人間ってとても、情報と視覚によって曖昧に振り回されるところがあるやんか。そういうものを体験してもらう、体感させるというか、実感させるというか。
本公演でも多角的に、人・物事を自分の目で判断して考えてほしいと思っていて、今回の作品もそういう想いは繋がっていけばいいなと思う。
2作品・ダブルキャストについては、 それぞれパッと見のイメージが全然違うキャラクターを当てることによって、同じ作品なのに「こっちが悪く見える、良く見える」みたいなことを面白くできたらいいなと思ってます。
高良
多角的に物事を見るってことを、物理的にやっちゃうということ?
Azuki
そうそう。見える部分と、耳だけで聞くシーンを作ったりすることによって、 視覚的にその人の表情を捉えられる時と、表情を捉えられない時で、感覚を変えるとか。だから、両作品見てほしい。
高良
見比べてもらってね。
Azuki
うん。コンセプトがしっかりとお客様に伝われば、複数回見ていただくことで、自分の感覚を掴めたりとかするような作品なのかな。
マナベ
今回初めて先行予約をやってみましたが、既に複数回予約してくれた方が多いなって印象ですよね。
Azuki
興味が湧くような企画になっているのかなって。2作品あるということと、あらすじなどの内容は結構明確に公開しているし。お客さんも内容は大体掴めてるから、それなら両作見たいなって思う人もいたと思う。
高良
ペンさんと奏さんは劇団歴長いじゃないですか。今回の企画は劇団としても初めてで、挑む環境としてどんな心境ですか?
マナベ
ダブルキャストということで相役がいることは大きい要素だね。僕が参加したキーチェーン作品では初めてだし、刺激になると思う。相役は今回初めましての高橋さん。
高良
性別も違いますしね。全然違うものになっていくだろうな。
マナベ
刺激与え合いながら創れたら面白いなと思っています。
岡田
ダブルキャストでの刺激は絶対にあると思う。多角的に見てもらいたい作品だから、今は台本をどうとでも読めちゃうというか、逆に難しい。色んな可能性がありすぎてね。過去に一部ダブルキャストみたいなことは何回かあったけど、がっつりダブルキャストでっていうのは初めてやから、また新しい試みになるんじゃないかなって。
Azuki
全く違うものを作る感覚だろうなと。脚本は2本だけど…4作品作るのと同じ。
岡田
わざと逆に持っていくのか?
チーム分けも【←】【→】やん。基本的には全く真逆レベルで違う方がいいのかなとかは思ってるけど。
Azuki
見せるべきポイントは作るけど、大きく反対側に見せるみたいな演出はしないでおこうかなとは思ってるんやけどね。
高良
なるほど。ゴリさん(今井)、どうですか。脚本読んでみて。感想というか、意気込みというか。
今井
ここ数年の作品とか作風の傾向として、希望的な意味合いが強い作品が多かったと思うんですけど、今回はフライヤーにも「本当の悪は誰なのか」と表現していて、誰が悪かったですかっていうのを考える作品なのかな。みんなそれぞれ悪いところがあるんだけど、今までとメッセージとか、やることが全然違うのかなっていう印象。
高良
「本当の悪は誰なのか」。
今井
実際本を読んでみて、それぞれ事情があるよねみたいな。自分の役で言うと、すごい気持ち悪く作れるなって。今から楽しみで、俺がキーチェーンで演じてきた役って、ちょっと明るく、毒はあるけど敵ではないみたいな、過ちみたいな、ミスみたいな。多かったよね。
高良
うん、悪意は無いけどミスをするキャラ多いよね!
今井
それが今回、結構頭使って、意図的に色々やってくる。この人にとっては自分の正義を貫こうとしている部分や、自分の生活を守ろうとしてやってることではあるけど、見方を変えればすごい気持ち悪い。だから今までと全然違うことができそうだから、その部分はめちゃくちゃ楽しみではありますね。
高良
なるほど。今回このチーム分け、4チームに劇団員をバラバラに配置したじゃないですか。
私、これ結構面白いと思ってて、作風も流れも異なるし、それぞれの色がどんどん出てくるし、稽古場の雰囲気作りみたいなとこはきっと私たちが担っていく部分で、それも変化や個性が出るだろうなって。基本バラバラで稽古していって、この作品を関西演劇祭に持っていく時は、劇団員の4人芝居になるっていう変化は、楽しみだなと思ってます。全然視点が変わるだろうな。楽になるかなって気もするけど、各々が見てきた視点がどういう風に交差していくか、純粋にホームって感じとは違うのかなって気はしてる。
Azuki
関西演劇祭に持っていく上での話だと、東京でやる2チームの色と全く違うものが新しく生まれたらいいなとは思ってはいる。実質5作品やねん。
マナベ
お客さんも役者の印象で物語の捉え方が変わると思うけど、作品の中にいる我々も、バイアスかかるみたいなことは起きてきそうだなと思ってる。
岡田
俺はペンギンとしか絡まへんからな。ペンギンというか、記者役。
マナベ
そうだね。作中に4人が揃うっていうのはないね。
高良
今回のフライヤーは「メディア」っていうのを意識してて。テレビの砂嵐みたいなのをあえて入れたんですけど、
Azuki
フォントとかも
高良
そうそう。いわゆる週刊誌みたいなものの文体で裏面を白黒にしたっていうのはあって、それを皆さんはどう見ますか、みたいな。
Azuki
話が進んでいくと、お客さんは悪い人を探し出すと思うのよね。でも情報に惑わされて自分で人を采配すること自体が、私は浅はかだと思ってる。
マナベ
探し出すのがね。そもそもどうなんだ?ってことですよね。
今井
チラシは悪なんだね。それぞれの正しさにフォーカスを当てんのかなって思ってたら、本当の悪は誰なのか。
高良
それで言うと、この「悪」っていうのは、裏面にギミックを1個つけたじゃないですか。そのメッセージと対比になってます。
だってデザイン的にはキモいじゃないですか。フライヤー裏面は白黒で統一してるのに、一部だけ謎の赤いライン。劇場に来てギミックに気付いて、それを見た時にお客様がどう感じるのかな。ドキッとするのかな。自分は合ってますよってなる人と、あれ?どうだろうってもう1回思考に入る人がいるのかな?って。
Azuki
明確にこうだっていう風に両作品とも決着つけてないやんか。見てたらそうだろうって感じることはあるやろうけど。だから多分お客さんの中で、これを見てどっちの作品も判断するっていうのが出てくる、生まれると思うから、そういう意味では私はドキッとするかもなと思います。
「是々非々」は《過》と《歪》の2本の脚本を、4人芝居4チームで観せる作品です。
1作品でもちろん物語としては完結していますが、複数チーム観ると、その違いを楽しめる作品になっていますので、ぜひ複数回観ていただけたらと思います。
劇場でお待ちしております。
teamキーチェーン企画「是々非々」
2024年10月21日(月)〜11月3日(日)
中板橋新生館スタジオ
〒173-0016 東京都板橋区中板橋19−6 ダイアパレス中板橋B1
「過」「歪」の2本の脚本を
4人芝居×4名チームで挑む、
teamキーチェーン初の4作品同時上演!
【あらすじ】
「是々非々」とは 立場にとらわれず良いことは良い、悪いことは悪いと判断するという意味。 一貫性や先入観にとらわれず、各事象をその都度、その事象自体の価値や事実に基づいて評価するという考え方。
<過>
ある男が痴漢の犯人としてYouTuberにネットに晒された。アップされた動画には犯行を裏付けるものは何一つないが男の顔はしっかりと映されている。
犯人とされる男、被害者だと名乗る女性、自称YouTuber、ネタに食いついた週刊誌の記者。
過ちを犯すのは誰なのか?
<歪>
三笠地区で起こった連続放火殺人事件。犯人はこの地区に住む男。犯行理由は住人からの嫌がらせだと主張する犯人。
この男を取材することになったライター、被害者の息子、三笠地区に住む住人、犯人の男。
事実を歪ませ最悪の結果をうんだのは誰なのか?
<過 ←>
【出演者】
高良紗那・神木彩良・小川富行・北澤友梨枝
【過← タイムスケジュール】
10月21日(月)19:00 過← *アフターターク ゲスト わかばやしめぐみ(おぼんろ)
10月25日(金)14:00 過← *アフタートーク
10月26日(土)19:00 過←
10月27日(日)14:00 過←
10月30日(水)19:00 過←
11月2日(土)16:30 過←
<過 →>
【出演者】
関口滉人・うえのやまさおり・高橋拓己・今井裕也
【過→タイムスケジュール】
10月22日(火)19:00 過→ *アフタートーク ゲスト 中川えりか(AND ENDLESS)
10月25日(金)19:00 過→
10月26日(土)14:00 過→
10月31日(木)19:00 過→
11月1日(金)14:00 過→ *アフタートーク
11月3日(日)16:30 過→
<歪 ←>
【出演者】
岡田奏・高橋ちづる・熊野仁・宮崎夢子
【歪←タイムスケジュール】
10月23日(水)19:00 歪← *アフタートーク ゲスト 末原拓馬(おぼんろ)
10月26日(土)16:30 歪←
10月28日(月)19:00 歪←
10月30日(水)14:00 歪← *アフタートーク
11月2日(土)19:00 歪←
11月3日(日)14:00 歪←
<歪 →>
【出演者】
田名瀬偉年・マナベペンギン・矢田智久・徳倉マドカ
【歪→タイムスケジュール】
10月24日(木)19:00 歪→ *アフタートーク ゲスト 小堀裕之(2丁拳銃)
10月27日(日)16:30 歪→
10月28日(月)14:00 歪→ *アフタートーク
10月29日(火)19:00 歪→
11月1日(金)19:00 歪→
11月2日(土)14:00 歪→
【上演時間】
約60分
※アフタートーク 20分
【チケット料金】
前売 3500円
平日昼 3000円
リピート割 500円引き
【チケット購入はこちら】
https://ticket.corich.jp/apply/334715/002/