近年、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、再エネ電源の導入が急速に進んでいます。太陽光や風力などの再エネ電源は、温室効果ガスの排出量が少ない反面、天候の変化などにより発電量が変動します。そのため現在では電力需要を超えた電力供給を抑える目的で、再エネの発電量が増加する時間帯を中心に発電を停止する「再エネ出力制御」(*3)が行われています。こうした再エネ出力制御は日本各地で行われており、導入が進む再エネ電源を有効活用しきれていないことが課題となっています。
本実証では、Shizen Connectが開発・運用するエネルギー管理システム『Shizen Connect』と、ダイキンが持つエコキュートの遠隔制御システムをクラウドで連携し、再エネの発電量が多い昼間の時間帯に『ダイキンエコキュート』を遠隔制御して需要創出DRを実施します。需要創出DRにおける技術性、経済性、及びCO2削減効果を評価し、再エネ出力制御抑制への有効性を探ります。なお、本実証は、実証実験への参加について同意を得られた一般家庭を対象に行います。また、エコキュートの制御計画は、翌日のJEPX価格(*4)や電力会社からの出力制御スケジュールに基づいて『Shizen Connect』が立案します。
Shizen Connectとダイキンは、本実証を通じて、『Shizen Connect』と『ダイキンエコキュート』を用いた需要創出DRの効果的な運用方法を検討するとともに社会実装を目指します。両社は、今後も各分野のリーディングカンパニーとの協創にも取り組みながら、脱炭素化社会の実現に貢献します。
実証実験概要
実証スキーム
ダイキンエコキュートについて
https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/alldenka/ecocute
ダイキン工業株式会社の概要
本社所在地:大阪府大阪市
設立:1934年2月11日
代表者:代表取締役社長 兼 COO 竹中 直文
主な事業:空調・冷凍機、フッ素化学、油圧機器部品などの製造・販売
ホームページURL:https://www.daikin.co.jp/
エネルギー管理システム「Shizen Connect」について
https://www.se-digital.net/
本実証に関連する株式会社Shizen Connectの取り組み
株式会社Shizen Connect の会社概要
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号遠五ビル
設立:2023年10月2日
代表者:代表取締役 松村宗和
事業内容:VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
ホームページURL:https://se-digital.net
〔注釈〕
*1. Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2. DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。なかでも、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電等により、ある時間帯の電力需要量を意図的に増やすDRのことを「需要創出DR(上げDR)」と呼ぶ。
*3. 再エネ出力制御:エリアにおける電力供給量が需要を上回る際に再エネ電源の発電を停止すること。
*4. 電気の市場価格。「日本卸電力取引所(JEPX)」で取引される電気の価格。
*5. 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*6. 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年6月21日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*7.Shizen Connect、仮想発電所の社会実装のため計8社と資本業務提携契約を締結(2024年7月9日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/07/09/sc_capital_business_alliance/