■背景・目的
ネット環境やSNSの発達の影響もあり、若い世代のコミュニケーション力が課題となる昨今、リモートワークやリモート学習を行っているZ世代を対象に、カナダで令和6年1月30日から2月にかけて、Censuswideがオンライン語学学習プラットフォームPreplyの依頼を受けて1518人を対象に調査を行った結果、50%以上がソーシャルスキルの後退を感じ、25%は言語能力が低下したと回答しています。ネットやゲーム依存、コミュニケーションに課題を抱える子どもたちに向けて、社会で生きていく力を養うための環境や体験が必要と考えられます。
アイディア高等学院では、人間関係や環境などの理由で学校に行けなくなった子どもたちを多く受け入れています。その中で、不登校経験をきっかけに自己肯定感が下がっていることが特徴として挙げられます。当学院では、これまでも学校以外での社会とのつながりを持ち、世界を知り視野を広げるきっかけとして、国際交流を通じて様々な取り組みを行ってきました。
弊社が加盟する心理カウンセラーの業界団体である一般社団法人全国心理業連合会が運営するウクライナ「心のケア」交流センターの活動に全面協力し、ウクライナ避難民の高校生を受け入れ、教育支援をサポートしています。また、日常生活で使える英語を気軽に楽しみながら学べるように、週2回「英語でお茶会」を開催し、英語の堪能なウクライナ避難民の方からネイティブな英語を学ぶ機会を提供しています。
中でも、昨年実施したイギリス短期留学では、語学力向上だけでなく、異文化を肌で感じることで、日本と世界との考え方の違いを知り、知見と視野が大きく広がりました。大英博物館では、世界的に有名な名画や美術品の実物を見ながら歴史や文化を学ぶなど、世界を感じることで生徒たちが新しい観点や視野を広げる機会となります。参加した生徒の中には、小学校から不登校で英語が全く分からなかった子が、最終日には英語がなんとなく聞いて分かるようになったと笑顔で話してくれました。慣れない海外生活を乗り切れたことでストレス耐性も高まり、自信を持って帰国するなど、非常に成長した姿を見せてくれました。保護者や生徒からは、ぜひ今年度も開催してほしいという多くの声にお応えし、実施いたしました。生徒たちは、現地で異文化に触れ、英語を学び、友達との交流やグループ活動を通じて社会性を育んでいきました。今回の貴重な経験は、彼らの成長に大いに寄与することを期待し、自己表現の力や他者との関わり方を学び、将来的に社会に適応するための基盤を築く人材教育をめざしています。
■学習プログラムについて
実施期間:2024年9月11日(水)~2024年9月19日(木)
滞在場所:イギリス・ロンドンとエディンバラ
<4つのテーマを目的としたプログラム>
① 集団生活で生き抜くための「ストレス耐性」を身につける
② 生活を通じてコミュニケーション力と自己肯定感を高める
③ 海外の大学を見学し、将来の自分をみつけるための視野を広げる
④ 世界の文化や歴史、芸術、文化財を通じて、世界や物事について深く理解する
■実施報告
① 集団生活で生き抜くための「ストレス耐性」を身につける
海外生活では、慣れない文化や生活様式、言語に囲まれるため、最初は戸惑いや不安を感じることが多いです。当学院ではメンタルトレーナーが研修に帯同し、起きた事案に対してマイナスではなくプラスに変換できるよう声掛けを行うだけではなく、どうやって乗り越えていけるかを生徒に適宜伝え、環境に順応することや、困難を乗り越える経験を通じて、ストレスに対する耐性をつけていきました。
また、自立心を養うため、宿泊はあえてホテルではなく、共同生活を目的として部屋を借りました。協力して朝食の準備や身の回りのことは自分たちで行うなど、集団生活を通して相手を思いやり、お互いに助け合うことを学びました。
② 生活を通じてコミュニケーション力と自己肯定感を高める
当学院では、体験を通じて学ぶことを大切にしており、エディンバラでは、現地の語学学校で生活に役立つ実践的な英会話を学んだあとは、実際に飲食店や買い物をしてもらい、英語が単なる教科の一つではなく、コミュニケーションの一つであることを体感いたしました。また、自分の英語が相手に伝わることで、大きな成功体験と自己肯定感を高めることにもつながっています。
③ 海外の大学を見学し、将来の自分をみつけるための視野を広げる
オックスフォード大学とエディンバラ大学という、世界最高峰の大学の中に実際に入り、壮大な建物や大学の雰囲気を間近で感じることで、受験のための勉強ではなく、グローバルな観点から大学進学や将来のことを考え、自分の可能性を見出すきっかけといたしました。
④ 世界の文化や歴史、芸術、文化財を通じて、世界や物事について深く理解する
大英博物館、ナショナル・ギャラリー、ロンドン自然史博物館など、世界の文化や歴史、芸術、文化財の実物を見ることで、その質感、サイズ、ディテールを感じ取ることができました。ネット検索に慣れている世代は、情報量とリアルな体験が比例していないことも多いため、教科書の中にあるものを実際に見ることで、興味や関心を持ち、それが学習に対する考え方を変えるきっかけとなりました。リアルな体験は、より強く五感を刺激するため、学習意欲の向上につながります。
<まとめ>
今回のイギリス短期留学を通じて、お互いに助け合いながら様々なことを乗り越えることで、生徒は自己肯定感を高め、自信をもって行動できるようになりました。親元を離れることで、自立心が養われたことも大きいと考えています。また、メンタルトレーナーから様々な場面で考える機会を与えられることで、自ら考えて行動するという習慣がつき、社会で生きて行く力が格段に高まったと感じます。
■アイディア高等学院について
アイディア高等学院は、日本でいじめのない学校をめざし「初めて生徒1名に対して専属のメンタルトレーナーが1名付く」、通信制高校サポート校です。これから子どもたちが活躍する未来社会は、自分の強みを打ち出し、実行できる力(メンタル)が必要です。初等部、中等部、高等学院において365日サポート体制のもと、メンタルを磨くプログラムを提供し、ご家族の皆様とともに未来を切り拓く人材を育てていきます。
基本コースは「進学コース」「普通コース」に加え、アイディアヒューマンサポートサービスが提供する資格取得のプログラムやメンタルトレーニングを学べるオプションコースも充実しています。
名称:アイディア高等学院
理事長:浮世 満理子
所在地:東京都渋谷区渋谷2-9-9 SANWA青山ビル8F
365日オープン
■アイディアヒューマンサポートサービスについて
アイディアヒューマンサポートサービスは、「カウンセリング、メンタルトレーニングで社会課題を解決する」ことを理念とし、心のケアの専門家として社会人のキャリアチェンジを支援しています。アメリカのドクター、セラピスト、心理カウンセラー、メンタルトレーナーたちと幅広いネットワークを持ち、海外の最新のプログラムを導入しています。
メンタルトレーニングの分野では、サッカー、ゴルフ、野球、体操競技、テニス、水泳、陸上、フィギュアスケート、卓球など、幅広いアスリートを担当。これらのプログラムが、組織においての離職防止やメンタルヘルス不調予防として応用され、2000年より多くの企業が採用しています。企業経営者やアーティストなどのメンタルサポートも行い、災害や事件・事故後の心のケアとして、阪神・淡路大震災や東日本大震災後の心のケア、ウクライナ避難民の方への心のケア等も行っております。
SNS相談においては、一般社団法人全国心理業連合会(全心連)と協力し、厚生労働省自殺防止対策事業や、教育相談、子どもと親のための虐待防止相談、女性相談、災害の心のケア等で多くの SNSスーパーバイザー、SNSカウンセラーを輩出しています。
会社名:株式会社アイディアヒューマンサポートサービス
代表者:代表取締役 浮世 満理子
所在地:東京都渋谷区渋谷2-9-9 SANWA青山ビル9階
URL:https://www.idear.co.jp/