美容医療の普及に伴い、施術後の医薬部外品を使うニーズが拡大

美容医療は、適切な用途、方法のもとで実施される限り、その安全性は担保されていますが、皮膚への影響も少なくありません。市販されている医薬部外品も、健康な皮膚に適切に使用される限り、重篤な皮膚障害が生じる可能性は極めて低いと考えられるものの、美容医療の普及に伴い、美容医療での施術後、ホームケアにおいて医薬部外品が使われることも十分に想定されます。しかし、軽微な炎症状態にある施術後の皮膚に対する医薬部外品の併用については、安全性を正確に評価した報告はほとんどありません。

HIFU施術後、ホームケアでニールワンⓇ配合の製剤を使い、安全性を検証

たるみ改善のためのHIFU施術に続き、ホームケアにて医薬部外品有効成分ニールワンⓇを配合した製剤を3カ月間使用する試験を行い※3、その間の肌の状態を観察することにより複合ケアについての安全性を検証しました。

ニールワンⓇ配合の製剤を安全に使えることを確認

HIFU施術後の皮膚弾力性を経時的に測定した結果、3か月目には複合ケア側ではHIFU施術単独側と比較して改善の程度が有意に大きい結果となりました（図1）。

23名の被験者にHIFU施術を1回行い、朝晩のホームケアとして顔の半分にニールワンⓇが配合されていないプラセボ製剤（HIFU施術単独側）を、反対側の顔にはニールワンⓇ配合製剤を塗り（複合ケア側）、左右の皮膚所見（肌状態）を比べました。なお、試験期間中、被験者にも皮膚科専門医にも各クリームでのニールワンⓇ配合の有無は伏せました。その結果、冬の乾いた空気による乾燥やHIFU施術による赤味などの皮膚の変化は観察されましたが、顔の両側でほぼ等しく発生しており、ニールワンⓇ配合製剤の併用に起因する皮膚障害は認められず（図1）、HIFU施術単独と同等であることが分かりました。

本研究により、本試験の条件において、美容医療施術とホームケアを適切に組み合わせる複合ケアは、HIFU施術単独と同等の安全性であることが確認できました。ALOOP CLINIC & LABでは肝斑に対する美容医療施術と医薬部外品製剤によるホームケア併用の効果・安全性も検証しており※4、今後も安全かつ効果の実感しやすいソリューションを提供してまいります。

【補足資料１】ポーラ化成工業株式会社について

ポーラ化成工業は、ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担います。研究所のフロンティアリサーチセンター（FRC：Frontier Research Center）では、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのマルチプルインテリジェンスリサーチセンター（MIRC： Multiple Intelligence Research Center）が決定した研究戦略に基づいて、新規有効成分の開発や化粧品の枠を超えた新価値創出を担うなど、新規・既存事業へ活用するシーズを創出しています。

＜ポーラ化成工業株式会社＞

http://www.pola-rm.co.jp/index.html