株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、パーパス「世界が進むチカラになる。」の実現に向けて取り組む、工芸の伝統と革新を支援する「MUFG工芸プロジェクト」の一環として、若手工芸作家の作品展示・販売機会等を支援する「KOGEI ARTISTS LEAGUE」を開催します。
MUFGは、日本の伝統的な工芸の文化や技術の継承に寄り添い、そこから変化の時代に必要なイノベーションを学び発信することを目的に、東京藝術大学の秋元雄史名誉教授を総合監修に迎え、2023年に「MUFG工芸プロジェクト」を始動。支援を行う中で、作り手の方々が作品発表・販売を行える機会が少ないという課題に直面したことから、若手作家を対象に作品づくりにおける革新や、展示・販売等を支援するべく、「KOGEI ARTISTS LEAGUE」を企画しました。
「KOGEI ARTISTS LEAGUE」では、第一弾として関東甲信越・北陸地区の若手作家に対し、2024年12月2日(月)~2025年1月10日(金)の期間中に作品のエントリーを受け付けします。最終選考を経て選出された約20名のファイナリストには、2025年8月に東京・日本橋三越本店で開催予定の展示販売会へ参加する機会と奨励金20万円等を提供します。
「KOGEI ARTISTS LEAGUE」には総合監修の秋元氏をはじめ、「LVMH メディエ ダール」 パリ ショールーム オープン記念特別展へ出展した中川木工芸比良工房 中川周士氏や、「伝統と革新」を併せ持つ作品を生み出す 竹工芸家 四代田辺竹雲斎氏など、工芸のカテゴリーを横断して世界で活躍する工芸作家13名がサポーターとして選考や交流会に参加し、若手作家たちの創作活動を支援します(作家情報は下記ご参照)。さらに、東京展示販売会初日には全サポーターが参加し、サポーターの作品を展示や販売する予定です。
MUFGは「世界が進むチカラになる。」ため、工芸、ひいてはものづくりの担い手の方々に革新のための挑戦の機会を創出しながら、その努力やそこから生まれる新しい価値や魅力をより多くの人に伝えていきます。
■KOGEI ARTISTS LEAGUEサポーター代表/MUFG工芸プロジェクト総合監修
東京藝術大学名誉教授 秋元雄史氏より
KOGEI ARTISTS LEAGUEに参加する皆さんへ
自分の中にある想像力を最大限に生かして、自分が考えるものづくりや工芸の頂点を作品を通してぜひ見せてください。新しい時代の才能とそこから生まれるクリエイティブな説得力を肌で直に感じてみたい。新しさをぜひ感じたい。
■MUFG工芸プロジェクト「KOGEI ARTISTS LEAGUE」開催概要
・対象:
関東甲信越・北陸の美術大学3年生以上(2年制大学は最終学年)および、大学院・研修所・研究所で学ぶ作り手と、2025年3月時点で修了後3年まで(2024年、2023年、2022年3月修了)の方。
個人またはグループ。※次回以降、募集対象の拡大も検討。
・選考フロー
◆応募登録:
2024年12月2日(月)~2025年1月10日(金)17時
本事業Webサイトの応募フォームに記入して応募を行ってください。
◆1次選考:
2025年1~3月 総合監修秋元雄史氏、及び、サポーターが書類選考を実施
応募者の中から数十名程度を選出
◆最終選考:
2025年3月下旬 東京で行う選考会にて、サポーターに対して作品のプレゼンテーションを実施
1次選考通過者の中から20名程度をファイナリストとして選出
◆展示内覧会/展示販売会:
都内にてファイナリストによる展示内覧会(2025年8月19日(火)予定)、
展示販売会(2025年8月20日(水)~25日(月)予定)を実施
・提出:
2024年12月2日(月)~2025年1月10日(火)17時の期間中、作品1点または、
1シリーズを12月2日(月)開設の応募フォームより提出
※応募条件の詳細・留意事項に関しては、12月2日(月)開設の応募フォームよりご確認ください
※MUFG「KOGEI ARTISTS LEAGUE」進捗は、公式Instagramにて随時発信予定ですので、ぜひご覧ください。
公式Instagram
MUFG工芸プロジェクト(mufg_kogei_official)公式Instagram
■「MUFG工芸プロジェクト」について
MUFGは、パーパス「世界が進むチカラになる。」の実現に向けて、社会、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーの課題に徹底的に向き合い、その解決に取り組んで います。そのパーパスの一環として、工芸文化、産業の発展と作り手・使い手双方を応援するイベントやセミナーの開催など、様々な試みを行っています。
■MUFG工芸プロジェクト「KOGEI ARTISTS LEAGUE」サポーター
【漆彫刻家/金沢美術工芸大学工芸科 漆・木工コース准教授】青木 千絵氏
人間の存在をテーマに、等身大の身体と抽象形態を融合した漆作品を制作。
主な展覧会に『ジャンルレス工芸』(国立工芸館、2022)、『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』(森美術館、2022)。作品は徳島県立美術館、ミネアポリス美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、金沢21世紀美術館、国立工芸館などに収蔵。
<応募者の皆様へ>
作品に向かう熱意は、必ず人の心を動かします。全ての人に受け入れられる作品より、誰かの心に突き刺さる作品を。これまで見たことのない世界を感じさせてくれる瞬間に出会えることを期待しています。
【画家/工芸家】上出 惠悟氏
1981年石川県生まれ、2006年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
同年より、1879年創業の九谷焼窯元の後継者として伝統を引き継ぐ。2013年合同会社上出瓷藝設立。個人作家としても活動。
<応募者の皆様へ>
一言で工芸と言っても、伝統や地域性、実用性、芸術性など様々な側面がありますが、常に新しい技術や素材、思想を取り入れ、社会に訴える力を持つものだと思います。現代における工芸の可能性をぜひ見せてください。
【アーティスト】桑田 卓郎氏
1981年広島県生まれ。2021年京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科陶芸コース卒業、2002年陶芸家の財満進氏に師事。2007年多治見市陶磁器意匠研究所修了。ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で展覧会を開催。
<応募者の皆様へ>
あなたが制作に向き合い見つけた感動を見ること、未来に繋がる新しい工芸との出会いを楽しみにしています。
【美術家/ガラス作家】佐々木 類氏
1984年高知県生まれ茨城県育ち。石川県を拠点に制作。身近にある自然や生活環境にインスピレーションを得ながら、主に保存や記録が可能な素材であるガラスを用い、自分が存在する場所で知覚した「微かな懐かしさ」のありようを探求している。コーニングガラス美術館(アメリカ)、ラトビア国立美術館、金沢21世紀美術館など作品収蔵多数。
<応募者の皆様へ>
近年、急速に多様化している工芸や美術の世界を一緒に模索・探求できればと思います。まずは、応募することで一歩が始まります。多くの方のご応募をお待ちしています。
【テキスタイルデザイナー】須藤 玲子氏
茨城県石岡市生まれ。株式会社布デザインディレクター。東京造形大学名誉教授。2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業協同組合他のテキスタイルデザインアドバイスを手がけ、2016年より株式会社良品計画アドバイザリーボード。作品はニューヨーク近代美術館、ロサンゼルス州立美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館他に永久保存。
<応募者の皆様へ>
創造的アプローチは多様だと思います。技術に関して優れた専門知識があること、持続可能性への強いコミットメントがあること、新しい技術を受け入れる柔軟性があること、伝統的な形態にこだわりすぎないことなどを、私は気にかけています。各分野において、独自のスキルを使い、手工芸的な表現を用いた作品の登場に期待しています。
【現代美術家】舘鼻 則孝氏
東京都生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻卒。代表作のヒールレスシューズから絵画作品、文楽公演など創作は多岐に渡る。創作活動の概念として「Rethink」を掲げ、伝統工芸技法を現代的に活用した作品を多数制作している。
<応募者の皆様へ>
現代に活動する作家の価値観で、ものづくりに取り組むことが大切だと思っています。伝統的な素材や技法を活用し、創作活動を通して現代へ継承することが作品を制作する意義になります。伝統と革新が交錯するような新しい表現に期待しています。
【竹工芸家/Artist】四代田辺竹雲斎氏
東京藝術大学美術学部彫刻科卒業後、父である三代竹雲斎に師事。2017年四代田辺竹雲斎を襲名。用途に即した花籃など代々の技術を受け継いだ作品を制作する一方で、インスタレーションや現代的なオブジェを制作。
<応募者の皆様へ>
今までにない新しい挑戦を感じられる作品、未来に可能性を広げることのできる作品を期待しています!!どんな作品が見られるのかを楽しみにしています。
【kanakeno】田山 貴紘氏
鉄器職人兼kanakeno代表。kanakenoでは「寂びると遊ぶ」をコンセプトに、工芸の生態系を創造する公園内のギャラリー「SUNABA」、持続可能な若手職人育成の仕組み 「あかいりんごプロジェクト」などをプロデュース。
<応募者の皆様へ>
才能ある若い力が、見出されることによって次の時代を創っていくと信じています。とても楽しみにしています。
【中川木工芸比良工房 主宰】中川 周士氏
中川木工芸比良工房を主宰,京都の伝統的な木桶工房の三代目、父清司(人間国宝)に師事。大学でコンテンポラリーアートを学び、木桶製作技法とアートやデザイン、建築などと融合させて新しい木桶の製作に挑戦し木桶を未来につなぐ活動をしている。
<応募者の皆様へ>
私は作品を作ることは科学の実験みたいなものだと考えています。実験に失敗は付き物 です。失敗を恐れていては何も始まらない。挑戦することにより革新は生まれます。まだ見ぬ世界を見てみたい、粗削りでもいい、エネルギーに溢れる作品を期待します。
【漆芸作家】中田 真裕氏
1982年北海道生まれ、29歳の時に香川漆芸に出会い伝統技法「蒟醤(きんま)」(漆の表面を刃物で彫り色漆を埋めて研ぎ出す加飾技法)を用いて、両手を広げたサイズまでの作品を制作している。記憶の中で熱を帯びた景色を描き、時代を超えて観る人の心を揺らすことを願う。
<応募者の皆様へ>
私が大学生でダンスをしているときは、アーティストを仕事にできるなんて思いもよらなかった。創造する事で自分も人も喜ばすことができる最高の夢だ。今、手を動かしているあなたに拍手喝采。
【人形師】中村 弘峰氏
人形師の家系の四代目として生まれ、東京藝術大学大学院を修了後、家業を引き継ぎながら「もしも江戸時代の人形師が現代にタイムスリップしたら?」という視座から縦横無尽な作品を展開し国内外で発表を続けている。
<応募者の皆様へ>
人と自然がこれから手を取り合って行かねばならない時代において、工芸は世界にそのヒントを与えることができると思っています。僕もまだ見ぬ、そういうヒントを持っている若き才能に出会えることを心から楽しみにしています。
【株式会社 細尾】細尾 真孝氏
株式会社細尾 代表取締役社長。元禄元年(1688年)より織物業を営む西陣織の老舗、細尾家に生まれる。大学卒業後、音楽活動、大手ジュエリーメーカーでの勤務を経て 2008年、細尾に入社。西陣織の技術・素材をベースにしたテキスタイルをディオール、シャネルの店舗に提供するなど、世界のトップメゾンをクライアントに持つ。2021年著書「日本の美意識で世界初に挑む」をダイヤモンド社より上梓。
<応募者の皆様へ>
工芸の可能性は無限です。皆さんと共に、その魅力を未来へ繋ぎ、次世代へ受け継いでいきたいと考えています。
【陶芸家/美術作家/九谷焼作家】牟田 陽日氏
1981年東京都渋谷区生まれ。2008年ロンドン、ゴールドスミスカレッジ、ファインアート科卒業。2012年石川県立九谷焼技術研修所卒業。現在、石川県能美市にて工房兼住居を構える。陶磁器に彩色を施す色絵の技法を主軸に、日常的な食器、茶器などの美術工芸品からアートワークまで多岐に渡り制作。現代の自然に対する意識の在りようをテーマに、動植物、神獣、古典図案等を再構成し色絵磁器に起こしている。日本の美感、工芸、アートの間を相互に交信するような作品制作を目標とする。
<応募者の皆様へ>
学外で作品や制作姿勢について他者を交えて話せるのはなかなか稀な機会です。自分が今手を動かしていることはどういったもの、ことなのか、それぞれの観点から見合うことによって相互的に気づきが得られるかもしれません。是非、自分の制作を体現するような作品を見せてください。