マックスマーラは、イタリア、レッジョ・エミリアにあるプライベート美術館「コレツィオーネ・マラモッティ」において、第9回「マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン」の受賞者ドミニク・ホワイトの作品群である「Deadweight」の展示を開催いたします。
作品「Deadweight」は、反逆と変容のテーマを探求し、「黒人(Blackness)」のための新たな世界を創造するというホワイトの関心を表しています。この作品群は、海の持つ隠喩的な力や再生力に対する彼女の魅了を示す、4点の大規模な彫刻で構成されています。「Deadweight(載貨重量)」という海事用語は、船が設計通りに浮かび、機能する能力を示す指標です。ホワイトはこの概念を逆転させ、安定ではなくあえて不安定さを生み出すことで、黒人解放の可能性を探求しています。つまり、船が転覆する可能性を踏まえた視点で、黒人解放への可能性を提示しているのです。これらの作品は、力強さと脆さを併せ持っています。金属製の波打つような角ばった構造に加工された金属は、錨や船体、哺乳類の死骸や骸骨を想起させる形状をしています。失われた、または放棄された物質的な形状が、ホワイトの手によって反抗の象徴となります。
制作プロセスの一環として、これらの彫刻作品は一度地中海に沈められ、水による変容を探求するという詩的な行為を経ています。その結果、金属の錆や酸化、サイザル麻やラフィアヤシ繊維、流木といった素材が時間と共に海水と交わり、独特な風合いを生み出しています。
この新しい委嘱作品は、ホワイトの研究と制作活動における中心的な哲学であるアフロフューチャリズム、アフロペシミズム、海上統治(Hydrarchy)の概念を織り交ぜています。彼女の作品は、資本主義や植民地支配の影響力から解放された、流動的で反抗的な現実を提示する新たな海の領域として、従来のユートピアSFの域を超えたアフリカの未来を構想しています。ホワイトの彫刻あるいは「灯台」は、
「まだ実現していないが実現すべき(黒人の)未来」を象徴し、海に囲まれた無国籍の想像上の世界を想起させます。
【作品展示概要】
展示期間:2024年10月27日~2025年2月16日
会場:コレツィオーネ・マラモッティ
住所:フラテッリ・チェルヴィ通り66 42124 レッジョ・エミリア イタリア
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