シリーズ開始から23年が経ち、親子や祖父母~孫など、世代を越えて愛されている「しゃばけ」シリーズ。人気俳優の南沢奈央さんも、じつは親子そろって「しゃばけ」の大ファンだといいます。そんな南沢さんが、シリーズ文庫最新刊『こいごころ』の魅力と読みどころについて、親子での思い出も交えながら解説してくれました。
「しゃばけ」シリーズ文庫最新刊『こいごころ』。第21弾作品にしてシリーズ累計1000万部突破となる文庫最新刊の解説を執筆してくれたのは、落語好きで江戸文化への造詣も深い、俳優の南沢奈央さんです。
大の読書家としても知られる南沢さんですが、〝本を読む習慣がついたのは母のおかげ〟だそうで、今では親子でおもしろかった本を勧め合っているそうです。そして、南沢さんとしゃばけの出会いは、親子の会話がきっかけでした。
〝ある時、「本当は、どんな小説が好きなの?」と訊いたことがある。すると即答されたのだ。
「妖怪が出てくる話!」 二言目には「しゃばけ」の名前が挙がる。時代小説やファンタジーといったジャンルではなく、「しゃばけ」シリーズのことをピンポイントで指していた〟
こうして〝今やわたしもファンの一人〟になったという南沢さん。
では、そんな南沢さんは文庫最新作『こいごころ』をどのように読んだのでしょうか。シリーズ第21作となる『こいごころ』には5つの物語が納められていますが、南沢さんは今回の解説で、ある作品について〝「しゃばけ」シリーズにまた新たな名作の誕生である〟と書いています。いったい、どの作品だったのでしょうか。そしてその理由とは? 気になる内容は、ぜひ文庫を開いてお確かめください。
しゃばけシリーズ最新文庫『こいごころ』は11月28日発売予定です。
■内容紹介
寝込んでいる若だんなのもとに、妖狐の老々丸と笹丸が訪ねてきた。老々丸は、力の尽きかけた笹丸を若だんなの祖母・大妖おぎんのいる神の庭で暮らせるようにしてほしいという。だが、おぎんに知らせる術はない。困った三人は名僧・寛朝の力を借りようとするが、そこでは化け狸にまつわる信じられない事件が待っていた。そして笹丸に隠された秘密とは!?
■解説者紹介・南沢奈央(みなみさわ なお)
1990年埼玉県生まれ。俳優。立教大学現代心理学部映像身体学科卒。2006年連続ドラマで主演デビュー。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』など数多くのドラマ作品に出演し、映画、舞台、ラジオ、CMと幅広く活動している。大の読書家であり、本に纏わるラジオ番組TOKYO FM「nippn ¡ hon−yomokka!」のナビゲーターを務める。更に、エッセイストとしても活躍し、日本経済新聞「プロムナード」で毎週火曜日連載中、NHK出版“本がひらく”にて「女優そっくり」を連載中の他、書評の連載など執筆活動も精力的に行い、「サンデー毎日」にて「遠回りの読書」、本の総合情報サイトBookBangにて「南沢奈央の読書日記」を連載中。読売新聞読書委員(2020年~22年)、信濃毎日新聞書評委員(24年~)を務める。登山好きでもありBS朝日「そこに山があるから」に出演中。また、落語好きとしても知られ、「南亭市にゃお」の高座名を持ち、著書に『今日も寄席に行きたくなって』がある。
■著者紹介・畠中恵(はたけなか めぐみ)
高知県生れ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学卒。漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。その後、都筑道夫の小説講座に通って作家を目指し、『しゃばけ』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。また2016(平成28)年、「しゃばけ」シリーズで第 1 回吉川英治文庫賞を受賞する。他に「まんまこと」シリーズ、「若様組」シリーズ、「つくもがみ」シリーズ、「佐倉聖の事件簿」シリーズ、「まことの華姫」シリーズ、『けさくしゃ』『うずら大名』『わが殿』『猫君』『御坊日々』『忍びの副業』などの作品がある。また、エッセイ集に『つくも神さん、お茶ください』がある。
■書籍データ
【タイトル】こいごころ
【著者名】畠中恵
【発売日】2024年11月28日
【造本】文庫
【定価】737円(税込)
【ISBN】978-4-10-146143-4