創業139年、美と健康を追求し続けている株式会社桃谷順天館(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役社長:桃谷誠一郎)は、コメド発生メカニズムに基づいたニキビの予防を目指した研究成果について、第2回日本化粧品技術者会学術大会にて発表しました(会期2024年11月18日~20日、神戸国際会議場)。
今後、この研究成果をもとにニキビのできにくい肌へ導く化粧品の開発を目指していきます。本研究成果は特許出願中であり、「第2回日本化粧品技術者会学術大会」(2024年11月18~20日)にて発表いたしました。
【研究背景】
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、若者を中心に多くの方が抱える肌悩みで、見た目の問題だけでなく、自己肯定感の低下やコミュニケーションへの消極性など、社会生活にも大きな影響を及ぼすことが指摘されています。
ニキビのメカニズムは完全には明らかになっていませんが、近年の研究により、コメド(面皰、白ニキビ)の発生がニキビの初期症状であり、コメドの発生を防ぐことがニキビのできにくい肌へ導くために重要であるという認識が広まってきました。そのため、コメドを抑制する成分を見つけることによってニキビのできにくい肌へ導く化粧品の開発につながるのではないかと考え、ニキビ悩みへの新たな解決策を提供するための研究をスタートいたしました。
【研究の詳細】
従来から、コメドの発生部位である毛包漏斗部上皮や脂腺の細胞にはケラチン79が発現していることが知られています。このケラチン79が分化異常を引き起こし、コメド発生のスイッチとなる可能性が示唆されており、実際の調査ではニキビ患者から採取されたコメドの多くでケラチン79の発現が低下もしくは消失していることが報告されています。
この背景から、我々はニキビのできやすい被験者2名の頬のコメドを収集し、ニキビの重症度とケラチン79の発現量の関係を調査しました。その結果、両名ともニキビの重症な頬部の方が、軽度な部位よりもケラチン79の発現が低いことが明らかとなりました。
次に、ケラチン79の発現を回復させる化粧品成分を探求するため、不死化ケラチノサイト(PSVK1)を使用し、165種類のエキスをスクリーニングしました。その結果、センブリエキスにおいてケラチン79の遺伝子発現を回復させる効果が確認されました。
【今後の展望】
この発見を元に、我々はコメドの発生を抑制するスキンケア製剤への応用に取り組んでおり、従来の「治療」から「予防」へとアプローチを変え、誰もが自信を持って過ごせる肌を実現する新しい世代のスキンケア製品の開発に力を注ぎました。この研究を通じて、多くの若者の肌の健康とQOL(生活の質)向上に貢献することを目指しています。
株式会社桃谷順天館
桃谷順天館グループは、約400年続く薬種業を受け継いだ創業者が1885年(明治18年)にきびに悩む妻のために創った「美顔水」をきっかけに新たに化粧品製造業を創業し、これまで139年間美と健康を追求してきた化粧品メーカーです。
「人と地球の美しい未来を創る ~For Beauty and Well-being~」をパーパスに掲げ、4社からなるグループ経営を行っています。
永い歴史とともに培った技術力と品質力をさらに進化させ、国内外で包括的に『美』を提供する企業グループを目指し、企業活動を続けています。
桃谷順天館グループのニュースリリース一覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/28974