医療・ヘルスケアの課題に、人生を豊かにする解決策を提案する株式会社omniheal(本社:東京都中野区、代表取締役社長:石井 洋介)は、「人生会議の日」である2024年11月30日、大阪府豊中市にて、ACPについての講演と合わせてすごろく型ボードゲーム「エンディングゲーム」の体験会を開催します※1。
※1 大阪府豊中市「人生会議、知っていますか?(ACPのこと)」
■開催概要:「人生会議、知っていますか?(ACPのこと)」
【日 時】令和6年11月30日(土)13時~15時(12時30分受付開始)
【会 場】豊中市庄内コラボセンター4階多目的室
【内 容】
第1部
・ACPについてのお話 講師:石井洋介先生(株)omniheal代表取締役/おうちの診療所院長
・エンディングゲーム体験会
第2部
石井洋介先生と豊中市保健所 松浪所長のトーク「自分らしく人生を送るために大事なこと」
【参加人数】40名
【参加費】無料
【申込方法】メール・FAX・豊中市電子申込システム
■人生会議の日について
人生会議とは、人生の最期に、本人が望む医療やケアについて前もって考え、家族などや医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」のことです。厚生労働省は、11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」とし、人生の最終段階における医療・ケアについて考える日として普及・啓発を行っています※2。
※2 厚生労働省ウェブサイト「『人生会議』してみませんか」
■なぜ人生会議(ACP)が重要なのか
omnihealでは、人生会議(ACP)の考え方を普及啓発し、自分の人生に思いをはせるきっかけをつくることを目的として、すごろく型ボードゲーム「エンディングゲーム」や体験型展示「寿命が今日決まったら展」の企画・運営を行っています。
どのような医療・ケアを受けたいか、人生の最終段階に本人の意思を反映させることは、本人の尊厳を守り、本人や周囲の人が「最期まで自分らしい人生を送った」と納得するために重要なポイントです。ACPのような終末期の話し合いを行った人は、行わなかった人に比べて死を受け入れられており、積極的な終末期医療が行われなかったという研究結果があります(Alexi A Wright.et al.JAMA.2008;300:1665-73.)。積極的な治療を行えば行うほど、家族など介護者から見た患者の生活の質(QOL)は低下。介護者のQOLも低下し、後悔の念を持ったりうつ病になるリスクが高まりました。
ACPにおいて最も重要なのは、「呼吸が止まっても人工呼吸器は使わない」「食事が摂れなくなっても胃瘻はつくらない」といった手段を決めておくことではなく、「繰り返し話し合い、共有する」というプロセスです。具体的な手段を示す事前指示は一見明確ですが、状況によって実施されないこともあり、本人の意思を終末期医療に反映し、苦痛を軽減したり、本人や家族の満足度を上げたりする効果はなかったという研究結果があります。そこで、手段よりも本人の価値観や目的を重視するACPが有効だと考えられるようになってきました。手段に落とし込むことは必要ですが、そこに至るまでの本人の思いや価値観を共有しておくことで、本当の意味で意思を反映しやすくなります。
自分らしい人生を送る上で欠かせないACPですが、まだまだ認知度は低く、厚生労働省が2023年6月に発表した調査※3によれば、一般国民の「人生会議」(ACP)の認知度は5.9%と、1割に満たないことが分かっています。5年前の調査から大きな変化がなく、国や自治体などによる啓発活動が進んでいないことが改めて浮き彫りになりました。
※3 厚生労働省「令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書」
医療従事者も、その重要性を認識しながら「縁起でもない話」として忌み嫌われやすい話題のため、なかなか切り出すきっかけがつかめない人生会議(ACP)。一方で、特に若い世代では死をタブー視せずにオープンな場で語り、「よい死」を求める傾向も見られており、「死にまつわるタブーを破り、新しい終末期へのアプローチを受け入れている」「よりよく死ぬことを求める中で、多くの人々が自ら死の準備をしている」といった国際的な潮流も起きてきています※4※5。エンディングゲームや「寿命が今日決まったら展」は、人生を最期まで自分らしく生きるにはどうすればいいかを考える対話のきっかけをつくります。
※4 株式会社TBWA HAKUHODO「EDGES 2023」日本語版
※5 株式会社TBWA HAKUHODO「EDGES 2024」日本語版
■エンディングゲームとACP(人生会議)
エンディングゲームは、「他者の人生終盤を追体験する」をコンセプトとした、すごろく型のボードゲームです。
ゲーム上のキャラクターになりきって人生の終盤を追体験することで、「人生の最期をどう過ごしたいか」を考えるきっかけを提供します。「自分自身の死を考えるのは重過ぎる」「どこから考えればいいか分からない」という方におすすめです。キャラクターの人生の終盤に起こる様々なライフイベントを通じて、自らの人生に思いをはせることができます。
数回のプロトタイプをへて大阪府豊中市と協業し※6、2024年2月に現行版が完成。これまで自治体や教育機関、医療機関、学会、企業などで複数回の体験会を実施し、500人超の方に体験いただいています。
※6 豊中市「~自らが望む、人生の最終段階の医療・ケアについて話し合う~ エンディングゲーム(ENDING GAME) 完成」
■寿命が今日決まったら展とACP(人生会議)
株式会社omnihealの「寿命が今日決まったら展」は、健康成人向けの「一般的なACP」を早期から普及啓発する体験型展示です。
【特徴】
・展示内で仮の「余命」を決めることで、普段は意識しない「人生の残り時間」について考えてもらう体験型展示です。
・健康成人向けのACPで推奨されている、いざ何かあったときに代理の意思決定者になるであろう身近な人と対話するきっかけを作ります。
・持ち帰れる「私の価値観シート」、ガチャマシンというエンターテインメント要素を取り入れた「寿命ガチャ」、自分の価値観について考え、他の人の価値観についても視覚的に知ることができる「価値観投票」、自分の思いを深掘りし価値観についてさらに考えるきっかけとする「私の選択理由ボード」など、手を動かす体験型コンテンツによって対話のきっかけを複数回創出します。
・展示の最後には、いざというときに知っておくと助けになる情報をパネル展示によって提供していきます。
「病気や病状に応じたACP」は余命が1年程度と予測されるタイミングが推奨されており、早すぎるとメリットよりもデメリットの方が大きいとされています。ただしACPには下記のように3種類あり、健康な人または安定している人を対象とした「一般的なACP」は、ライフイベントに合わせて実施することが推奨されています。どの段階のACPでも、話し合うべき内容に含まれているのが「代理決定者は誰か」という項目です。自らの価値観、死生観を共有しておくべき人を誰にするのかは、健康な人から死が近づいてきた人まで、全ての人があらかじめ決めておきたい点です。
「寿命が今日決まったら展」は、ご自身の人生における価値観、死生観、一般的なACPのきっかけとなります。
「エンディングゲーム」体験会、「寿命が今日決まったら展」は、出張開催も可能です。自治体・地域イベント、学校教育、社内研修など、開催形態もご相談させていただきます。自分の人生の最終段階を考えることは、よい人生を考えること。人生会議(ACP)の普及啓発に限らず、さまざまな研修にお使いいただけます。開催に関するご相談は、株式会社omnihealにお問合せください。
■株式会社omnihealとは
人生の最期まで、自分らしく暮らす。病気や障害があっても自分で選択できる社会を作る。私たちは、「医療」や「健康」の達成だけを目的としがちな医療・介護・ヘルスケア領域においても「楽しい」「便利」「ワクワク」を大切に、「人生を豊かにする」視点で課題解決に取り組みます。
少子高齢化やそれに伴う社会保障費の増大、地域ごとに異なる人口動態や社会資源、テクノロジーの急速な変化。現在の医療・介護・ヘルスケア領域の課題はより複雑化し、1つの打ち手で全てが解決するものではありません。これまでにないアプローチが求められている今、我々はさまざまな専門性を持つチームで、医療・介護・ヘルスケア領域の課題解決を支援。現場課題のヒアリングからアイデア出し、プロトタイプの作成、実装、臨床試験の実施や研究発表まで、医療・ヘルスケアビジネスに必要な全てのプロセスを実行します。
【会社概要】
商号:株式会社omniheal(omniheal.Inc,)
代表取締役社長:石井 洋介(医師)
所在地:東京都中野区中野5-52-15 703
事業内容:医療・介護・ヘルスケアに特化したサービスとソリューションの提供