一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(代表:小林富雄、以下「SFA」)は、専修大学が受託した東京都提案事業「未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業」の一環として、子ども支援・福祉団体に通う子どもたちに向け、健やかな成長に必要な“食”や“職を通じた体験”“地域との関係性”を届ける「こどもスマイリング・ プロジェクト職業体験型食育プログラム」の提供を進めています。
この活動の一環として、11月16日(土)、本プロジェクトの趣旨に賛同する協力企業である国分グループ本社株式会社、国分首都圏株式会社が先生役となり、東京都の周辺エリアの子どもの居場所・活動団体に通う子どもたちに向け、卸売業やエシカル消費を学ぶ「こどもフードエシカルマスター講座」を開催しました。
国分グループが参加する5回目のイベントとなる今年は、国分西東京総合センター(東京都昭島市)に子どもたちを招待し、卸売業における物流現場や作業風景を実際に見学・体験してもらいました。
当日は、「食品メーカー」「卸売業」「小売り業」の食品流通の基礎知識や子どもたちの成長に必要な栄養素の話、そして食品ロス問題・エシカル消費など食育を学ぶ講座をはじめ、庫内でのピッキング・仕分け作業の見学や−25℃の冷凍庫体験、卸売業体験ゲームを通じて、子どもたちに食卓に安心安全に食を届けることを支える“卸売業という職業”の大切さを学んでもらいました。
イベント開始時は少し緊張していた子どもたちでしたが、「栄養素(糖質)のクイズに全問正解した!」と笑顔で 教えてくれたり、卸売体験ゲームでは「僕もピッキングカートを押してみたい!」「検品のバーコード読み取りしてみたい!」と国分グループのみなさんと卸売業の仕事体験を笑顔で楽しんでいただきました。
また、団体スタッフの方からも「実際に倉庫の中を見学するだけでなく、実際に仕事体験までさせてもらうという貴重な体験機会をいただきました。 ◯×クイズや卸売体験ゲームを国分グループの方々と一緒にできたことで とても楽しそうで笑顔があふれていました。ありがとうございました。」とコメントをいただきました。
SFAこどもスマイリングプロジェクトでは、 「職業体験型食育プログラム」の提供を通じ、食品企業の様々な取り組みへの理解と地域への貢献を通じた持続可能な社会を目指す仕組みの構築を目指し、支援の輪を広げる活動を推進していきます。
【当日のイベント様子】
● 卸売業の仕事やサステナビリティ・エシカル消費を学ぼう(座学)
伊藤センター長より、全国で2番目に大きくサッカーコート8個分の広さを誇る西東京総合センターについて、また食品流通の基礎知識や卸売業の役割を説明。国分首都圏の管理栄養士・吉川さんが成長に必要な栄養素「糖質」についてや、食品カードの糖質多い順並べ替えクイズ、どっちが糖質多い食品か◯×クイズを用いて教えてくれました。子どもも大人も、楽しみながら参加していました。
● 常温庫内の見学
伊藤センター長や国分首都圏中山さんの案内のもと、約11,000種の食品が天井高くずらりと並んでいる倉庫を見学。こどもたちがお店で手に取る商品は、倉庫の中では箱(段ボール)に入っていること、決まった場所に在庫するため商品には住所があることなどを教えてくれました。
● チルドと極寒!?−25℃の冷凍庫を体験
チルド・冷凍保存が必要な食品庫に防寒着を着て突入。−25℃の冷凍庫内をみんなで見学しました。白い息をはき、鼻を赤くしながら、大好きなアイスクリームが保管している場所に。日頃寒い現場でお仕事をしている人たちのおかげで、子どもたちが大好きなアイスなどが食べられることを教えてもらいました。
※冷凍庫体験は、安全面・防寒面での対策を行なった上で実施。
● 卸売業の仕事を体験「卸売業体験ゲーム:ドキドキ出荷大作戦!」
「おしごとリスト(作業指示書)」をもとに、倉庫内にある食品をピックアップし、カートに入れ、納品するという、卸売の一連の仕事を実際に体験しました。チームに分かれた子どもたちが、国分グループのみなさんと一緒に動物の絵が描かれた商品別ラックに置かれている食品を、作業指示書に書いてある商品を取り出し、ハンディ・ターミナルを用いてバーコードを読み取り正しくピックアップできているか検品を行い、納品先と見立てた店主がいる商店に商品を届けるという、卸売業の一連の職業体験をしました。
最後に、センター長の伊藤さんからプロジェクト受講修了の証となる「こどもフードエシカルマスター認定証」と今回、体験で活用した商品を子どもたち全員にサプライズでプレゼントされました。
◆ 参加した子どもたち、団体スタッフの声
イベント開始時は少し緊張していた子どもたちでしたが、「栄養素(糖質)のクイズに全問正解した!」と笑顔で教えてくれたり、卸売体験ゲームでは「僕もカートを押してみたい!」とピッキングカートを国分グループ本社のみなさんと楽しそうに押したりしていました。「ハンディ・ターミナルでバーコードを読むのがプロっぽくて、仕事を楽しみながら体験していました。」「◯×クイズや卸売体験ゲームを国分グループ本社の方々と一緒にできたことでとても楽しそうで、貴重な体験機会をいただきました。ありがとうございました。」(団体スタッフより)
卸売業という仕事の重要性や、食べることの大切さ、サステナビリティやエシカル消費など、多くのことを体験を通じて学んでくれている様子が見受けられ、持続可能な食の大切さを学んだ1日となっていただけたかなと思います。ひとつひとつの体験を通じて、頼もしい笑顔になっていく子どもたちに元気をいただきました。
こういった体験の機会が子どもたちの輝かしい未来や笑顔につながるようにこれからも継続してまいりたいと思います。(事務局)
一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(略称:SFA)とは
Facebook: https://www.facebook.com/sustainablefoodchain
食品ロス削減など1社では取り組むことが難しい、フードサプライチェーンにおけるサスティナビリティの課題について、緩やかなネットワークでつながった有識者と食品産業企業・団体が解決策を検証していくコンソーシアムです。
SFAでは、以下の取り組みを推進しています。
①『こどもスマイリング・プロジェクト』
未来のサスティナブルな消費者を育てる食育を通じて、食品産業と子ども食堂をはじめとする子ども支援・福祉団体を運営されている方々と関係を構築し子ども支援につなげるプロジェクト。
HP:https://j-sfa.net/kodomo-smilingpj/
②『プラスチックの2Rに関する勉強会』
プラスチック資源循環法施行に向けて、食品産業における廃プラスチックの発生を減らす、なくすための具体的な取り組みを検討する勉強会の開催。
③ 『Honeybees’ Community』
食品ロス削減などの課題解決に取り組む学生団体等の取組を紹介し、行動する人を増やすためのオンラインプラットフォーム。
④未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業(専修大学委託事業)
東京都が都内の大学研究者から事業提案を募集し、都の施策に反映させる事業提案制度に、弊会理事・専修大学商学部渡辺達朗教授が立案した「子どもへの食品寄贈事業」が採択され、SFAもプロジェクトに参画 し、2023年度から3年間実施。
こどもスマイリング・プロジェクト とは
HP:https://j-sfa.net/kodomo-smilingpj
未来のサスティナブルな消費者を育てる食育を通じて、食品産業と子ども食堂をはじめとする子ども支援・福祉団体を運営されている方々と関係を構築し子ども支援につなげるプロジェクト。
●職業体験型食育プログラム
未来のサスティナブルな消費者を育てる食育プログラムの提供を通じて、食品産業と子ども食堂をはじめとする子ども支援・福祉団体を運営されている方々と直接信頼関係を構築し、子ども食堂をはじめとする子ども支援・福祉団体に通う子どもたちを対象に、エシカル消費が学べる食育プログラム「職業体験型食育プログラム」を提供し、子どもたちの心と体の成長に必要な『食』や食に関わる『職』の経験機会を提供し、食品企業の様々な取組みへの理解と地域への貢献を通じた持続可能な社会を目指す仕組みの構築を目指しています。
●ハートドライブキャンペーン
夏・冬休み期間に「食」の貧困を抱える子どもたちに、通常販売する食材を企業から提供いただき、寄贈できる機会を創出するモデル事業として実施。子ども支援・福祉団体に通う子どもたちを対象に、それぞれの拠点に合わせた配布方法で食材を提供し、休み期間の子どもたちの食の困窮の一助となるよう食品寄贈のモデル事業として実施。
●その他
・寄贈食品の多様化に合わせた物流実証・食品寄贈時の中間組織(マッチング機能)の実証
・食品寄贈時の留意点をまとめたガイドライン策定に向けた知見共有・提言・講演など