「キラキラっとアートコンクール」(後援:文部科学省・全国特別支援学校長会・各開催地の社会福祉協議会)は、障がいのある子どもたちの可能性を応援したいとの想いから、国内初の障がい者アートライブラリー アートビリティ※1の協力を得て、2002年にスタート。歴代応募者の中からアートビリティの登録作家として現在27名が活躍するなど、子どもたちの才能を支援してまいりました。
※1アートビリティ・・・1986年に社会福祉法人東京コロニーが設立した障がい者アートライブラリー。現在約200名の作家による約6,500点の作品がストックされ、印刷物等の媒体に貸し出されています。
本作品展は、23回目を迎える同コンクールの全応募作品1,018作品(42都道府県)の中から、審査会(1次審査、一般審査※2、本審査)を経て選ばれた優秀賞50作品を全国4会場で展示するものです。また本作品展の初日には、優秀賞受賞者及び関係者にご参加いただく、受賞者のつどいをオンラインで開催いたします。
※2一般審査・・・東京国際フォーラムガラス棟ロビーギャラリーで開催し、大手町・丸の内・有楽町地区の就業者・来街者に参加いただきました。
本作品展の各会場では、自由なテーマで子どもたちが思いのままに表現し描いた個性豊かな作品に対し、来場者からメッセージを受け付け、今後の励みにつながるよう、受賞者本人にお渡しします。
また、全応募作品がコンクールホームページで公開されるほか、これまでの応募作品には様々な企業の冊子の表紙やカレンダーなどに使用されているものも多く、子どもたちの作品は、審査会、作品展、作品使用等を通じて、多くの人に感動を与えています。
三菱地所は、本コンクールが子どもたちの優れた才能を評価・発掘・展示する機会となり、子どもたちが絵を描く楽しみや喜びを増し、芸術活動の裾野が広がることを願い、支援を続けてまいります。
【第23回キラキラっとアートコンクール優秀賞受賞作品より】※年齢は応募時のもの
優秀賞・全応募作品をホームページ(https://kira-art.jp)にて公開しています。
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開催概要
①名 称:第23回キラキラっとアートコンクール優秀賞作品展
②日 程:【広島 ひろしま美術館 地下1階 講堂】
2024年12月11日(水)~12月15日(日)9:00~17:00
広島市中区基町3-2
【高松 高松空港 2階 国内線出発ロビー】
2024年12月20日(金)~12月25日(水)10:00~18:00
高松市香南町岡1312-7
【横浜 ランドマークプラザ 3階】
2025年1月9日(木)~1月13日(月・祝)11:00~18:00
横浜市西区みなとみらい2-2-1
【札幌 マルヤマクラス 2階イベントスペース】
2025年1月22日(水)~1月26日(日)10:00~20:00
札幌市中央区南1条西27丁目1-1
③入 場 料:無料
④応募作品:・応募資格:何らかの障がいのある応募年齢18歳までの幼児・児童・生徒
・応募期間:2024年7月12日(金)~9月17日(火)
・作品規定:テーマは自由。水彩、油絵、版画、ドローイング(パステル、鉛筆)、切り絵、墨絵などの平面表現の作品。サイズは規定(最大で509mm×660mm(小全紙)、最小でA4サイズ程度)。
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審査員講評 ※肩書きは2024年11月時点
■O JUN氏(画家・東京藝術大学名誉教授)
今年で23回目のキラキラっとアートコンクールの審査を終えた。全国から送られてきたたくさんの絵画が会場いっぱいに並べられた。毎年、その一点一点をじっくり見る。どの絵もわたしたちの目になにかを印象づける。美しい、見事、かっこいい、不思議、怖い、かわいい、かなしい、楽しい。絵は、描いた人の絵に込めた感情や感動をストレートにわたしに伝えてくる。絵を描く技術や技法は毎年驚くほど高くなっている。描いた人の努力や才能もあるだろう、指導される学校や先生、ご家族の励ましもあるだろう、隣で描いている誰かの絵も刺激になっているかもしれない。いろいろなことが要因となって絵の変化や向上を促していると思う。でも、ふと、絵を描こう…描いてみたい…そして描き始めの最初の線や点、これは変わらない。絵は、どんどん描くたびに上手くなって行くし、変化してゆくけれど、最初の描き出しのときの感触や言葉にならない感情は変わらない。一枚の絵の中には、変化と不変があってそれが描かれて、見えている。わたしはこのコンクールの審査会で毎年たくさんの絵の一枚一枚を見てそのことをあらためて思い出す。そしてこのことは、絵を描く人の夢中になって描くことに没頭している時間そのものだ。純粋で幸福な経験の一つだと思う。その絵を見ることもそしてその絵から何かを思うことも同時に幸福な経験だと思う。絵という見えるものがふだんは見えにくいわたしたちの心や体のいろいろな部分を突き動かすのだから。変化と不変が描いた一つのイメージが一瞬わたしのどこかを変えたのだから。
今回受賞された人、おめでとうございます。同時に、今回このコンクールに絵を描いた人と全ての絵に深く感謝と喜びを述べさせていただきます。
■青栁 路子氏(東京藝術大学准教授、教育研究者)
審査を通して魅力あふれる素敵な作品の数々に出会うことができ、とても嬉しく思っています。残念ながら優秀賞に選ばれなかった作品にも、心惹かれるものがたくさんありました。
作品そのものを見ること、そしてタイトルを読んでから、もう一度、作品を見ることを何度か繰り返すと、子どもたちが描こうとした世界や背景がより伝わってくるように思います。子どもたちが作品を作り上げるまでには、色やかたちで表現する喜びや楽しさを感じるとともに、時に思うように表現するのが難しかったり、描き続け作品に向かい続ける困難もあったりしたかもしれません。そのような子どもたちの姿も想像しながら、子どもたちが描き、作る時間と空間が守られてあることを、そして子どもたちが思いを込めた作品を、より多くの方に見て、感じていただけることを願っています。
■西田 克也氏(西田克也デザインオフィス グラフィックデザイナー)
第23回キラキラっとアートコンクールの審査が無事に終わり、今回出会った千点以上の作品から最終的に優秀賞50点に絞り込んだ経緯を自分なりに反芻しながら、講評という形で整理しているわけですが、そもそもあの限られた時間の中で作品の取捨選択をすることって、個人的には無謀ではという思いを、いとも簡単に覆して強烈なインパクトをこちらに残し、存在感を主張した作品がこれまでにも増して多数あったとの感想をもちました。
そして今回はテーマの意外性より、対象に真っ向から迫るその造形力や色彩のユニークさが際立った作品が多く見受けられたように思います。さてその感想(印象)が的を射たものかどうか、応募された全作品を観ることができるキラキラっとアートコンクールのホームページの公開と、再び原画に会える優秀賞作品展が待ち遠しいのです。
■髙橋 宏和氏(社会福祉法人東京コロニー アートビリティ代表)
1,000点を超える応募作品の審査に今年も審査員として参加し、応募作品を通じて皆さんから様々なメッセージを受け取りました。将来への希望や不安、夏休みの楽しかった思い出、大切な人や好きな動物のことなど、皆さんが作品を描いた時に込めた熱いメッセージを受け取れる瞬間がとても楽しみでもあり、時に悩む貴重な時間となりながら、皆さんの作品を通して私は様々な影響を受けます。審査は作品の魅力の感じ方、捉え方にも審査員それぞれに個性がありますので難しい面もあると感じますが、私が審査をさせていただく際には、審査員同士で意見交換しつつ、応募作品すべてにできるだけ向き合うように丁寧に審査を進めるように意識しております。
来年度も応募作品に込めた熱いメッセージをお待ちしつつ、魅力ある個性的な作品をお待ちしております。
■大平 由香里氏(アートアワードトーキョー丸の内2013 審査員賞受賞)
今回、初めて審査に参加させていただきましたが、魅力的な沢山の作品に出会うことができました。作者の思いがこもった1000点を超える応募作から50点の受賞作を選ぶということは、とても厳しい選択でした。沢山の応募作の中には根気よく丁寧に描かれた作品も多く、最後まで集中力と熱意を持って仕上げられた作品には感動しました。それぞれの作品に込められた想いやストーリーがあり、大胆な構図や筆致、独創的な色使いの作品から繊細で丁寧に描かれた作品まで多種多様で魅力的な作品が沢山ありました。それらの作品から特に印象に残った作品は、描くことに対する喜びや作者自身の率直な感動が素直に表現されている作品です。受賞されたみなさん、おめでとうございます。惜しくも選外となってしまった作品の中にも力作が多くあり、最後まで本当に悩みました。結果にかかわらずこれからも継続して挑戦してほしいと思います。そして次回の作品を期待します。
■野口 玲一(三菱一号館美術館 上席学芸員)
今年もレベルの高い作品がたくさん集まりました。どんなふうにして描いたのだろうか?画面の隅々まで注意を払って完成させていく根気にはとても感心させられました。
記憶や想像の世界、自分の内面や感情など目の前にあるのではない光景を描いた作品にも深くて意外なものが多く、こんなことを考えているのかと驚かされました。自分も同じ歳の頃にこんなことを考えていただろうか。
また動物や人間の、表情やしぐさの一瞬を捉えた作品にも素晴らしいものがありました。これは以前に比べてデジカメやスマートフォンを身近に使いこなしていることがあるのかもしれません。新鮮で見ごたえのある作品ばかりで、頑張って描いた本人やまわりで支える方々皆に声援を送りたいと思います
でも一方で思うのです。手の込んだ作品や上手い作品がすべてではないと。紙に触れた手を自由に動かす喜びや好きな色を塗り広げる楽しさを直接に感じさせる素朴な作品がもっとあっても良いのではないかと。そんな作品も見せてもらいたいなと思っています。
■中島 篤(三菱地所株式会社 執行役社長)
第23回キラキラっとアートコンクールにご参加いただきました皆様、このたびは作品のご応募、ご協力、まことにありがとうございました。絵画の制作、ご発送に至るまで、関係各位のご助力に厚く御礼申し上げます。
私自身は、主催者代表として今年で2回目のコンクールを迎えましたが、このたびも50作品を選考する過程に携わることができ、非常に難しい選考であると実感しながらも、私自身大変光栄に感じた次第です。
過去との比較においては、今年は色鮮やかな絵や、ダークな背景を用いながらも、目を惹くような明るい色を要所に配した絵が多かったように感じました。世の中では災害や戦争など様々な反平和な事象が生じておりますが、そのような世界の中でも子供たちが望む希望の光や明るい世界観が、対象のとらえ方や色使いを通してイミットされたものが多いような気がしまして、見ていると気持ちがやわらぐというか、あらためて新鮮な気持ちになれる作品が多かったように思いました。
今年度は一般審査(来街者による審査)の拠点を丸ビルから東京国際フォーラムに移して開催しましたが、開催エリアが変わる中で審査・投票に関わる人にも変化があったかもしれません。来年度以降に向けては、50作品の選考に至るまでのプロセスにおいて、東京都心の丸の内ワーカーや来街者の方々など、より様々な方、多くの方に見ていただく、関心をもっていただく努力や工夫がさらに必要だと思っています。
改めまして、この度は、本コンクールへのご参加、ご協力につきまして、まことにありがとうございました。今後も皆様と一緒に本コンクールを育てていきたいと思っています。どうぞ変わらぬご愛顧を宜しくお願い申し上げます。
≪審査の様子≫
【参考】「大丸有SDGs ACT5」
10月24日~25日に開催した一般審査は、大丸有SDGs ACT5のテーマの一つ「ダイバーシティ&インクルージョン」のアクションとして大丸有ワーカーや来街者も参加可能な審査会として開催しました。大丸有SDGs ACT5とは、東京駅前、大手町・丸の内・有楽町地区(以下、「大丸有エリア」)を起点として、大丸有エリア内外の企業・団体が連携し、SDGs達成に向けた活動を推進するプロジェクトとして、2020年に始動した取り組みです。
総合デベロッパーである三菱地所、地域の一次生産者を支える金融機関である農林中央金庫、日本を代表する経済メディアである日本経済新聞社ら複数の企業、団体が実行委員会を組成し、お互いの持つ様々なリソースを持ち寄り、具体的なアクションの創出を目指しています。
2024年は「サステナブルフード」「環境」「ひとと社会のWELL」「ダイバーシティ&インクルージョン」「コミュニケーション」の5つのACT(テーマ)を設定し、各アクションの実践、効果の検証、そして社会課題の構造的な問題を明らかにすることをミッションとしています。
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