帝国データバンクは、たこ焼き・お好み焼き・焼きそばなど「粉もん店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
<調査結果(要旨)>
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「庶民の味」たこ焼きが高値 調理コスト10年で1.5倍の試算
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「粉もん店」も苦境、倒産が最多水準 原材料高が経営圧迫
集計期間:2024年11月30日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
「粉もん店」の苦境が続いている。2024年に発生した飲食店や持ち帰り料理店のうち、お好み焼きやたこ焼き、焼きそばなど「粉もん店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、11月までに21件発生した。過去最多の前年(26件)と同等のペースで推移しており、水面下の閉店や廃業などを含めれば、実際にはより多くの粉もん店が市場から退出したとみられる。
粉もん店の経営は、小麦粉や卵など原材料のほか、人件費、電気代など店舗運営コストの上昇に加え、特に粉もん料理の代表格である「たこ焼き」で欠かせない「タコ」の価格高騰が大きな打撃となった。各種統計情報やレシピ情報を参考に、家庭でのたこ焼き調理にかかる原材料コストを試算した結果、2024年平均ではたこ焼き12個あたり250円以上かかる試算となった。約170円だった2015年平均に比べると、食材価格だけでコストは1.5倍に増加した。豚玉を中心としたお好み焼きでは、2024年平均で300円を超え、10年間で1.2倍に増加するなど、総じて原材料コストの大幅な増加が続いている。
他方で、たこ焼きやお好み焼きといった粉もん料理は「庶民の味」の代名詞でもあることから「販売価格に転嫁しづらい」といった事情もあり、原材料の値上げペースに耐え切れなくなった粉もん店で閉店や経営破綻を余儀なくされたケースは多いとみられる。
足元では、縁日やイベントの屋台で買うお好み焼きやたこ焼きでも大幅な値上げがみられ、「たこ焼きが高級品に」という嘆きも聞かれた。「安くて美味しい」の維持が難しくなる中で、価格に見合う粉もん料理をどう提供できるかが、今後の生き残りのカギになる。