2024年11月30日(土)に開催された第128回 日本産科麻酔学会にて、株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役 窪田望が特別講演(座長:松田祐典氏)に登壇させていただき、『現代アート制作の実践から見えてきたAIとウェルビーイング』をテーマに、AIの脆弱性や直近の現代アート制作から見えてきた「外れ値の再評価」についてお話しさせていただきました。
医療領域にも影響しうるAIの脆弱性や、現代アート制作から見えてきた「外れ値の再評価」について講演させていただきました
講演の冒頭で、窪田は最新の論文を例に挙げながら医療領域にも影響しうるAIのハッキングや、AIに内在するバグなど、AIが抱える様々な課題について紹介。
そして、
「人間はAIとどのように向き合っていくべきか」
「医療はどのようにAIと連結していくべきか」
「AIに何を教えるべきで、教えるべきではないものは何か」
といった問いに対する窪田の考えを、自身のAI開発や現代アート制作の経験を交えながらメッセージさせていただきました。
窪田は20年間に渡りデータ分析とAI技術を研究してきました。AI開発の分野では、入力データにあまりにも異質なデータが混ざると、出力の精度が損なわれることがあるため、これを「外れ値」と呼び、通常は除外されます。
こうした手法は最大公約数的な幸福を生み出す一方で、少数派の幸福を排除する行為とも言えます。窪田はここに着目し、社会で不要とみなされてきた外れ値の価値を再評価し、本質的な価値を明るみに出す表現を追求し、現代アートの制作を続けてきました。
講演では、これまで発表してきた現代アート作品を紹介しながら、外れ値の再評価と、今後の人間とAIの関係性についてメッセージをさせていただきました。
北里大学 海野信也 名誉教授(一般社団法人 日本産科麻酔学会 監事)から講演後にいただいたコメント
「最初に『AIとアート』とテーマを聞いた時は、医療と関係があるのだろうか?と感じていました。しかし講演を聞いて、我々のいる世界がどのように変わっていこうとしているか、そしてその変化の中で切り捨てられていくものがあることがわかりました。そういった方々こそ我々医療従事者が支えなくていけないと思います。いま社会ではAIが戦争でも使われ、無人機が人間を殺してしまっている状況です。改めてそうならないように変えていかなくてはいけないと思いました。特別講演に参加できた学会員は幸せだったと思います、ありがとうございました。」
【株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役 窪⽥ 望(くぼた のぞむ)について】
米国NY州生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中の19歳の時に起業し、現在17年目。2019年、2020年には4万5000名の中から日本一のウェブ解析士(Best of the Best)として2年連続で選出し、2021年には初の殿堂入りを果たす。自身で取得した20件のAI特許を活用した事業を進めながら、現代美術家としても活動。フランス・パリや渋谷ヒカリエ、東京タワーでの作品展示、ウクライナへのチャリティを目的とした作品を発表するなど世界で活動を展開している。