長野県の一人出版社、八燿堂(ヨミ・はちようどう 所在地:長野県南佐久郡小海町 主宰:岡澤浩太郎)は、長野ローカル誌『sprout!』(ヨミ・スプラウト!)を創刊、第1号となる『sprout! 2024 WINTER ISSUE』を全国の書店、オンラインストア、小売店等で、12月21日(土)より発売開始いたします(電子書籍版も同時刊行)。
版元ECサイト ► https://hachiyodo.stores.jp/items/672c264040ad5c0a68e089b7
■『sprout!』とは
ローカル、オーガニック、サステナブルをキーワードに、長野県で活動する人たちの声を届けるインタビュー誌。長野の土地、人、活動の魅力を紹介します。
2023年にポッドキャスト番組として開始し、今回、ムック版をリリースします。
取材対象だけでなく、編集、デザイン、ライティング、印刷など制作も長野県在住者または県に縁のあるスタッフ・企業でまかなっています。
※『sprout!』ポッドキャスト版
spotify ► https://open.spotify.com/show/2W5DEeJI4ry1du0DE45UQt?si=a4a813782dba4615
Apple Podcast ► https://podcasts.apple.com/jp/podcast/sprout/id1692465714
■創刊の背景
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*移住したい都道府県18年連続No.1(宝島社『田舎暮らしの本』)
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学研ホールディングス『地球の歩き方 信州』2025年4月刊行
と、大手メディアからも注目を集めている長野県。しかし、いったい何が魅力なのか?
それは、都心からの交通の利便性や長野にある観光名所や美味しいお店ももちろんのことですが、実際に長野に暮らし、長野で仕事や活動をしている「人」に魅力があることも、大きなウエイトを占めています。
「情報」だけでなく「人の魅力」も伝えたい。それぞれの人生の歩み、価値観、現在の活動に至るまで、といったストーリーの面白さを紹介したい。そうした理由から、インタビューをメインコンテンツとするローカル誌の創刊に至りました。
■編集/発行人のコメント
私は2019年に東京から長野の山間の集落に移住し、2024年で移住6年目になります。
この間に感じた長野の魅力と言えば、水や空気や食の「美味しさ」、77市町村という圧倒的で多様な「地域ごとの個性」、そして長野に住み活動する「人」と、人と人との「つながり」でした。
そんな魅力を伝えたくて、『sprout!』という本を創刊することにしました。
県内で活動する市井の人たちの声を集め、隣の誰かに届けること。それがめぐって県内が元気になり、県外から関心を呼び、豊かになること。
そんなことを思い描きながら、この本を始めました。
・長期目標
本誌では長期目標として、地域の森から紙をつくり、その紙から本をつくり、本を地域に流通させる、「本の地産地消」にも挑戦していきます。
県土の約8割を森が占める全国有数の森林県、長野。その大半となった手つかずの人工林を、本をつくる資源として利活用する。言わば、「本をつくればつくるほど森が豊かになる」という、環境再生型の出版のあり方を目指します。
実現にはさまざまなステークホルダーの協力が必要です。ご興味持たれた方、ぜひお声がけください。
■創刊号の特集テーマは「長野 New Organic」
SDGsの流れもあり、近年普及し始めている「オーガニック」。特に長野県は歴史的にも有機農業がさかんな地域です。*
しかし、日本では農水相が認可する「有機JAS認証」がよく知られていますが、実は農薬の使用を一部認めていることは、あまり知られていません。また、「化学肥料は使わないが除草剤は使う」など、農家によって農法が異なるため、消費者・生産者ともに「オーガニック」の捉え方が多義的かつ曖昧になっているのが実情です。
本特集では長野県内の生産者、飲食店経営者、料理家、マルシェ主催者などさまざまな立場の方にインタビューしながら、お互いの「違い」を超えて「オーガニック」という考え方がそもそも大事にしていたことに立ち返り、未来へ継承することを通して持続可能性を考えていきます。
※長野県における有機農業の例
・佐久総合病院(長野県佐久市)の元院長・若月俊一氏は農村医療・農村医学の観点から農薬の使用に警鐘を鳴らした
・民間レベルでの新規就農研修制度が全県でさかんで、県外からの新規就農者が多数
・2023年に「オーガニックビレッジ宣言」を行った松川町をはじめ、池田町、大町市などで有機の学校給食が開始
■創刊号情報
□概要
『sprout! 2024 WINTER ISSUE』
判型=B5判変形
頁数=80頁
定価=1,600円(消費税別)
ISBN=978-4-908636-08-0
発行=八燿堂
編集/発行人=岡澤浩太郎
編集=村松亮、小泉悠莉亜
執筆=櫻井麻美、片桐奈央
デザイン=利根川裕(PLOW)
版元ECサイト ► https://hachiyodo.stores.jp/items/672c264040ad5c0a68e089b7
□目次
●特集「長野 New Organic」
[Introduction] 写真=栗田萌瑛さん
[Interview 1]大鹿村 | 開拓者の第二世代
►TAKERU ANBASSAさん
[Report 1]佐久 | つながりの輪というオーガニック
►柳澤真理さん(Maru Cafe)、有坂満さん(養鶏家)、長谷川純恵さん(長谷川治療院農業部)、磯村聡さん(つながり自然農園)、ニック・シコルスキさん(パーマカルチャーもちづき)、鈴木健之助さん(ブリューイングファーマーズ&カンパニー)
[Report 2]信濃町 | VRAC MARKETとVRAC食堂へようこそ
►久川史哉さん(VRAC MARKET)、室田HAAS万央里さん(VRAC食堂)、丸山春菜さん(GREEN MARKET Shinanomachi)、鈴木雄一さん(りんもく舎)
[Dialogue]白馬村 | オーガニックを「届ける」ということ
►栗田萌瑛さん(写真家・えいようフーズ)+加藤ソフィーさん(白馬村議員・自然派喫茶Sol)
10トピックでおさらいする「オーガニック」 監修=相川陽一さん(長野大学)
私が考えるオーガニック
►前田美沙さん(ヨアケ茶園)、田村至さん(アースデイin佐久)、竹内孝功さん(自然菜園スクール)、谷口和泉さん(野外保育森の子)、とのつかたつおさん(カルパ)
[Interview 2]佐久穂町 | 有機農業という生き方
►窪川典子さん(織座農園)
●信州ニュートリップ「南佐久ソフトクリーム選手権」
●連載
The Four Elements 01 Water, Kurohime 写真・文=宮本武さん
となりの移住者 第1回 テイ・トウワさん
信州民藝 #01 内山紙
三上奈緒さんの「縄文」感じてる?
コラム・信州「最高の夜の過ごし方」
►東エマさん(PRANA FOREST Life)、山本達也さん(清泉女子大学)、岡本雅恵さん(料理家・atelier Rom)、小林誠太さん(株式会社seee)、上原寿香さん(camino natural Lab.)
リジェネの森 第1回 ディバースライン 天野紗智さん
龍を見た 絵=小城弓子さん 文=青葉市子さん
●次号予告・スタッフ募集
■企業情報
八燿堂(はちようどう)について https://lit.link/hachiyodo
2018年に活動を開始した一人出版社/ブックレーベルです。2019年11月に東京から長野県南佐久郡小海町にある小さな集落に移住しました。
「200年後の生態系と共存・共生する本づくり」を掲げ、文化的・環境的・地域経済的に持続可能な出版活動を模索しています。
現在までに8タイトルを刊行、うち宮沢賢治『農民芸術概論』は重版三刷、ほか2タイトルは完売いたしました。また2023年よりポッドキャスト版『sprout!』開始しました。
■八燿堂主宰者プロフィール
岡澤浩太郎(おかざわ・こうたろう)
1977年生まれ。編集者、八燿堂主宰。
東京のFMラジオ局J-WAVE、雑誌『STUDIO VOICE』編集部などを経て、2009年よりフリーランス編集者。雑誌『murmur magazine for men』『TRANSIT』『花椿』などの編集執筆、「北アルプス国際芸術祭」など芸術祭ガイドブックの編集などにかかわる。
2018年、八燿堂を開始。2019年、東京から長野に移住。標高1000メートルの山間の集落に暮らしながら、本づくりと庭づくりを同時並行で試行中。興味=藝術の起源、森との生活、パーマカルチャー、NVC(非暴力コミュニケーション)。