11月13日に逝去された谷川俊太郎さんがさいごに編まれた文庫詩集『ベージュ』(11月28日発売)の重版が決定いたしました。全国の書店では谷川さんの追悼コーナーが組まれており、東京の紀伊國屋新宿本店ではワイドパネルを使用し、本書を展開中です。
■紀伊國屋書店新宿本店の展開
紀伊國屋書店新宿本店2階の文庫売り場では、「谷川俊太郎からことばのおくりもの」と書かれたワイドパネルを使用して『ベージュ』を展開しています。やさしい色合いのシンプルなパネルには作品のカバーに描かれているウサギのイラストが配置され、目を引きます。
このカバーイラストは、谷川さんが生前、自分のアバターのようなものだとおっしゃっていたぬいぐるみをモデルに描かれたもので、ウサギのどこか哲学的な黒い瞳が、いまはもういない詩人を彷彿とさせます。
18歳の鮮烈なデビューから70余年。日本人の心を育て、ふるわせてきた詩人の死から3週間が過ぎ、それでもその詩はいまも私たちのとなりにあります。
■書籍内容
虚空に詩を捧げる/形ないものにひそむ/原初よりの力を信じて(「詩の捧げ物」)。18歳でのデビューから70余年。谷川俊太郎の詩は、私たちの傍らで歌い、囁き、描き、そしてただ在り続けた。第一詩集『二十億光年の孤独』以来、第一線で活躍する谷川がくりかえし言葉にしてきた、誕生と死。若さと老い。忘却の快感。そして、この世界の手触り。長い道のりを経て結実した、珠玉の31篇を収録。
■著者紹介
谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)
(1931-2024)東京生れ。1950年「文學界」に「ネロ他五篇」を発表して注目を集め、1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以降、数千の詩を創作、海外でも評価が高まる。多数の詩集、エッセイ集、絵本、童話、翻訳書があり、脚本、作詞、写真集、ビデオなども手がける。1983年『日々の地図』で読売文学賞、1993(平成5)年『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で三好達治賞を受賞。ほか詩集に『六十二のソネット』『夜のミッキー・マウス』『ベージュ』『虚空へ』、エッセイ集に『ひとり暮らし』、翻訳書に『あしながおじさん』『スイミー』『マザー・グース』、また尾崎真理子との共著『詩人なんて呼ばれて』など、著書多数。
■書籍データ
タイトル:『ベージュ』
著者名:谷川俊太郎
発売日:2024年11月28日
造本:文庫
定価:506円(税込)
ISBN:978-4-10-126627-5