『お稲荷さんと霊能者』の著者 内藤憲吾による、伏見稲荷大社のオダイ(霊能者)・砂澤たまゑの生涯のドキュメント。
神様の導きによって厳しい修行に身を捧げ、数々の奇跡を起こし、慈悲に生きた奇跡のオダイはいかにして誕生し、その生涯を全うしたのか。
話題の書『増補改訂版 霊能一代』では描かれなかった、奇跡のオダイの物語――。
目次
まえがき
第一章 幼き日々
尾下たまゑ誕生
転落事故で九死に一生を得る信心深かった父
神様との邂逅
十八歳で失明し、巫者として生きた祖母
最後まで行を実践した祖母
第二章 小学生のころ
初めての伏見稲荷大社参拝
赤ん坊を背負って小学校に通う
透視ができる不思議な少女
人の心を読む少女
他家に住み込んで働く
奉公先の厳しいしつけに耐える
第三章 大阪にいたころ
働くことへの旺盛な好奇心と意欲
大阪に出る
医者の家で子守りと看護婦見習いの日々
医者の家を出て、外で働きはじめる
楽しかった青春時代
念願だったミシンを踏む仕事をする
第四章 オダイになる
伏見稲荷から御神璽を受ける
真言宗の行者になりそこねる
御神璽を受けたことで起きた思いがけない異変
巫病に悩まされる
激しい行によって得た能力
結婚を望んだ男性の出征
父・菊松、この世を去る
意識を失い、不思議な光景に出会う
生まれ変わりによって受け継がれる能力
第五章 満州へ
たまゑの身に再び起きた重大な変化
海軍第二衣糧廠で働く
神様からの突然のお告げ――「満州へ行こう」
極寒の満州での新たな生活
風船爆弾、「ふ」号兵器の製造に携わる
相次ぐ爆発事故
満州の悲惨な生活
満州での二度目の春
第六章 引き揚げ
新京からの脱出
外地で聞いた玉音放送
釡山港からの脱出
遍照寺に身を寄せる
郷里へ帰る
第七章 戦後の苦難の日々
マラリアに感染する
仕事のない日々
GHQの宗教改革、そして続々と誕生した新宗教と教祖
出口王仁三郎との出会い
七夕に届いた訃報
ペニシリンを買って、再び無一文に
坪原喜三郎との出会い
第八章 何をやってもうまくいかない
三度目の自殺を試みる
神様への反抗
お菓子屋を開く
食い詰めて重大な決意をする
伏見稲荷での行に打ち込む日々
命がけの滝行
白い着物の幽霊
第九章 オダイ専業になる
「牛の神様」として評判になる
無理難題を吹っかけてくるお稲荷さんとケンカ
妹の事故死を予見する
お堂が完成する
オダイとして多忙を極める毎日
オダイの仕事をしながら三人の子どもを育てる
伏見稲荷と正式につながる
扱所の祭りで神様が降りてきた
伏見稲荷のお山で起きた不思議な現象の数々
第十章 鳥取と福知山の二重生活
神様に指示され、二度目の結婚をする
子育ては神様との共同作業
若いころからの無理がたたり、大病を患う
伏見稲荷に参集殿が新築される
作歌を始める
たまゑの助言でネギ長者になった男性
第十一章 前田の時代
神様とともに下柳町から前田へ移る
三丹支部に昇格する
さまざまな凶事に見舞われたどん底の時代
調停事件で裁判に出る
立ち退きを迫られた人を救う
最初のお塚を造る
御幣のおかげで助かった牛たち
お山禁止
第十二章 内記稲荷神社に奉仕する
内記稲荷神社へ神様とともに移る
またもや病魔に襲われる
初めての安住の地
子育てからの解放
山口扱所での珍事
内記稲荷に末社建立
信者の独立騒動
有名ホテルの経営者を追い返す
第十三章 最高位を極める
坪原喜三郎が伏見稲荷の第十三代宮司に就任
四番目のお塚を造る
豊川稲荷に参る
八〇〇人を超える信者
仏門に入る運命だった青年
土地のバブル崩壊を免れた信者
オダイとして頂点に立つ
第十四章 ひとりになる
阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件
六番目のお塚を造る
長通寺に観音堂と石碑を建立
夫が倒れる
大惨事を身代わりとなって防ぐ
「9・11」同時多発テロと行の年季明け
銅像建立を断り、七番目のお塚を造る
第十五章 転居
女子大生にとり憑いた男の霊
豊玉さんがやってきた
夫の死と引退宣言
神様の仕返し
難航した後継者探し
移転先が決まらない
第十六章 最晩年
ついに内記稲荷を離れる
八番目のお塚を建立
老齢によるトラブルが続出
介護施設に入る
永遠の訪れ
あとがき
著者紹介
内藤憲吾
1951年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒。出版社勤務を経て、翻訳著述業。
主な翻訳書に「名画の読み方」シリーズ(創元社)、主な著書に『お稲荷さんと霊能者(河出文庫)、『増補改訂版 霊能一代』(二見書房)などがある。
作品概要
タイトル:『奇跡のオダイ 霊能一代 砂澤たまゑの生涯』
判型:四六判
ページ数:320ページ
価格:本体2,200円
監修:内藤憲吾
ISBN:9784576241234
発売日:2024年12⽉11⽇
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