650年の伝統を持つ古典芸能――能(のう)。
その神髄に触れる美装本『能十番 新しい能の読み方』の刊行を記念して、著者・いとうせいこうさんが、ライムスター宇多丸さんとトークイベントを開催する運びとなりました。新刊『能十番』のキャッチフレーズは「能を文学として読む、音楽として味わう」。 ことばと音楽で現代をきり結ぶ二人が、能の歌詞、「詞章」をどう味わうのか。リアルタイムでのセッションをお楽しみください。なお、入場料にはいとうさんのサイン入り書籍代が含まれております。
能は、およそ650年の歴史の中で、独自の様式を築き上げてきた日本の伝統芸能でありながら、同時に、現代にも生き続ける歌劇の一つとも言えます。
そのいわば歌詞、「詞章」を現代の言葉に翻訳したのがラッパーであり、小説家のいとうせいこうさんです。日本のラップ界を長年リードし、奥泉光さんとの「文芸漫談」で語り合いつつ、近年には近松門左衛門「曾根崎心中」や、山東京伝の戯作の現代語訳をも行ってきたいとうさんには、作家活動全般における、日本語のバリエーションへの興味が、終始通底音としてありました。
今回の特別トークイベントでは、同じラップの世界で韻文へのアプローチを共有する語りの天才、ライムスターの宇多丸さんと90分間にわたり、日本語の使い方について様々に語り合っていただきます!
すでに能に心を奪われている方はもちろん、能初心者の方や、能には興味がないけれど、どんな言葉を使うのかについては興味があるよ、という方にもお聞きいただけます。
■イベント概要
タイトル:『能十番 新しい能の読み方」刊行記念 読む能ってほんとに面白いの?
日時:12月20日(金) 18:30~
場所:新宿区赤城元町1−10 赤城神社
入場料:5,000円(書籍代3,685(税込)円含む)
■書籍紹介
能とは、こんなに面白いものだったのか! 精選十曲の詞章+現代語訳+英訳+解説で650年の古典の神髄を味わい尽す。柴田元幸氏との鼎談「謡を英語にする醍醐味」、酒井雄二氏(ゴスペラーズ)との対談「世阿弥に学び、「芸人実感」で謡を考える」も収録。光悦謡本の装画&スリーブ函入、和綴の謡本を模した全頁小口袋綴造本。
■著者紹介
いとうせいこう
1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年、小説『ノーライフキング』でデビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。他の著書に『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『ゴドーは待たれながら』(戯曲)、『文芸漫談』(奥泉光との共著、文庫化にあたり『小説の聖典』と改題)、『BACK 2 BACK』(佐々木中との共著)など。2013年 3月に刊行した16年ぶりの小説『想像ラジオ』は第35回野間文芸新人賞を受賞するなど大きな反響を集めた。古典芸能に造詣が深く、『曽根崎心中』の現代語訳や文楽、狂言の創作も手掛けている。能については習って11年ほど。
ジェイ・ルービン
1941年ワシントンD.C.生まれ。ハーバード大学名誉教授、翻訳家、作家。シカゴ大学で博士課程修了ののち、ワシントン大学教授、ハーバード大学教授を歴任。芥川龍之介、夏目漱石など日本を代表する作家の翻訳多数。特に村上春樹作品の翻訳者として世界的に知られる。著書に『風俗壊乱:明治国家と文芸の検閲』『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』『村上春樹と私』、小説作品『日々の光』、編著『芥川龍之介短篇集』がある。英訳書に、夏目漱石 『三四郎』『坑夫』、村上春樹『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『神の子どもたちはみな踊る』『アフターダーク』『1Q84』など。京都留学時代に、日文研で能楽研究会を主宰し、能楽について造詣が深い。
■書籍データ
【タイトル】能十番 新しい能の読み方
【著者名】いとうせいこう&ジェイ・ルービン
【発売日】12月16日
【造本】A5版、全頁小口袋綴造本、スリーブ函入り。
【定価】3685円(税込)
【ISBN】978-4-10-355911-5