オンラインイラスト教室を運営する株式会社アタム(本社:東京都港区、代表取締役:宮澤惇、以下 アタムアカデミー)は、趣味や仕事でイラストを描いている274人を対象に「イラストを描くモチベーションに関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化しました。
趣味や仕事でイラストを描いている人なら、「描くモチベーションが上がらない」と悩んだ経験が一度くらいはあるのではないでしょうか。
モチベーションの上がり下がりは誰にでもあることですが、モチベーション低下が長く続くと「イラストが好きな気持ちはあるのに、やる気が出ないままなのかな」と不安になることもありますよね。
今回、オンラインイラスト教室を運営するアタムアカデミー( https://atam-academy.com/ )は、趣味や仕事でイラストを描いている274人にアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。
調査結果に対して、イラストレーターの福井克彦氏よりご考察いただいております。
【データの引用・転載についてお願い】
本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「アタムアカデミー」のURL( https://atam-academy.com/ )へのリンク設置をお願い致します。
【調査概要】
調査対象:趣味や仕事でイラストを描いている人
調査期間:2024年11月14日~28日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:274人(女性202人/男性72人)
回答者の年代:10代 1.5%/20代 22.3%/30代 43.7%/40代 18.6%/50代以上 13.9%
【調査結果サマリー】
・イラストを描き始めたきっかけは「アニメ・マンガの影響」
・イラストを描くモチベーション1位は「純粋に楽しい」
・イラストを描く気力がなくなるのは「上手く描けないとき」
・イラストを描く気力がなくなったときの対処法1位は「描くのをやめる」
イラストを描き始めたきっかけは「アニメ・マンガの影響」
趣味や仕事でイラストを描いている274人に「イラストを描き始めたきっかけ」を聞いたところ、「アニメ・マンガの影響(36.9%)」が最も多くなりました。
・マンガやアニメが好きで、自分も描いてみたいと思ったからです(30代 女性)
・子どもの頃に好きなマンガを模写していたのがきっかけで、趣味として描き続けています(30代 男性)
・絵の上手い友達がいたので、憧れて描き始めました(20代 女性)
・SNSかネットニュースの記事で「イラスト初心者が絵の練習して、3ヵ月で上達したサイトを教える」という投稿を見て実際やってみたらおもしろかったので(30代 男性)
・小学生のとき、自由帳に描いた絵を褒められて(40代 女性)
お気に入りのアニメやマンガがあり、キャラクターを自分でも描いてみたくてイラストを始めた人が多くいました。
「幼少期から」という人も多く、子どもの頃から好きなアニメ・マンガのキャラクターを真似して描いていたり、子どもの頃に絵を褒められてイラストを始めたりした人も多いとわかりました。
子どもの頃から描いていたものの、本格的にイラストを始めたのは「中学校・高校で部活に入ってから」「大人になって機材を揃えられるようになってから」という人も。
本格的に始めた時期はそれぞれだとしても、小さい頃から絵を描くのが好き、あるいは得意だった人も多いと推測できます。
イラストを描くモチベーション1位は「純粋に楽しい」
イラストを描くモチベーションとしてもっとも多かった回答は「純粋に楽しい(35.8%)」。2位「周囲からの反応(22.6%)」、3位「ストレス解消になる(19.0%)」が続きます。
「楽しさ」「上達の実感」などの内発的動機付けを挙げた人が多く、「他人からの評価」「お金」などの外発的動機付けを上回りました。
内発的動機付けとは自分の欲求に基づいたモチベーションであり、外発的動機付けとは外部から与えられる評価・罰や金銭に基づいたモチベーションです。
仕事として考えたときには、「楽しさ」「やりがい」「自己実現」などのいわゆる「感情報酬」を挙げた人が多く、金銭面を挙げた人は少数派になりました。
<1位 純粋に楽しい>
・誰に見せるでもないですが、ただ楽しいから(30代 女性)
・見ている物を見ているままにかけると楽しい。あと線を丸くしたりしてデフォルメして書いていると、プロっぽく見えて楽しい。下手ですが(30代 男性)
・手を動かしていることが楽しい。イメージすることもイメージを形にしていくことも楽しい(50代以上 女性)
趣味としてイラストを描いている人であれば、「楽しい」という回答が出てくるのは当然です。仕事でイラストを描いている場合も、もともと好きだったから仕事にしたり仕事で活用したりしているわけで、根底には「イラストを描くのが楽しい」という気持ちがあると考えられます。
また楽しいからこそ描いているときはストレス解消になりますし、完成したときには達成感も得られるのでしょう。
<2位 周囲からの反応>
・承認欲求を満たせる。SNSでいいねをもらえる(20代 女性)
・SNSに投稿していいねをもらえること(30代 男性)
・子どもが喜んでくれる顔や、アニメーターである両親から褒められること(40代 女性)
自作イラストをSNSに投稿し反応をもらえることや、家族・友人に褒めてもらえることをモチベーションとしている人も多数。「見てくれる人がいる」「いいイラストを完成させれば、いいねがもらえて評価が高まる」と考え、イラストに打ち込んでいる人も多いとわかります。
周囲からの評価は、外部からの要因によって意欲が高まる「外発的動機付け」の最たるものです。ただしSNSでの評価や他の絵師・イラストレーターとの差を気にしすぎると、逆にモチベーションが低下する原因にもなるので注意が必要です。
<3位 ストレス解消になる>
・没入できるので、現実逃避・気分転換になる(30代 女性)
・描いている間は無になれるので、ストレス解消になる(40代 女性)
・小学生の頃はプロになりたいと思っていましたが、今はストレス解消で描くことが多いです(50代以上 男性)
ストレスが溜まったときにイラストを描いている人もいました。集中して手を動かしたり、自分が描き出すイラストの世界に没入したりすることで、ストレス解消になっていると考えられます。
「ストレスを感じているときのほうが、筆が進む」「何かに感情をぶつけたい」という声もあり、イラストが悩みや辛さを吐き出す術になっている人もいるとわかります。
<4位 上達している実感>
・好きなキャラクターを、好きな表情・ポーズで描けるようになってくること(20代 女性)
・さまざまな絵を見て真似てを繰り返すことで、自分の画力が上がっていくのが楽しい(20代 男性)
・描けば描くほど画力も表現力も上がっていくことです(40代 女性)
個人差はあるものの、イラストは描けば描くほど上達します。描けなかったポーズや構図を描けるようになるなど、上達を感じることでモチベーションを高めている人も多いとわかりました。過去に描いた絵を残しておいて、最近描いた絵と比べてみると、上達ぶりを確認しやすくなります。
また「イラストやデザインの知識が増えて楽しい」という人もいました。
<5位 完成時の達成感>
・満足いく絵が描けたときの達成感(20代 男性)
・自己満足の部分がほとんどです。納得できるイラストが描けたときの達成感など(30代 女性)
・好きなイメージが浮かんで、イメージ通りに完成させられたときの達成感が嬉しいからです(40代 女性)
苦労してイラストを完成させたときの達成感や満足感は、「また同じ気持ちを味わいたい」というモチベーションにつながります。「時間と労力がかかるけれども、完成したときの達成感は本当に大きい」という声もありました。
「達成」「完成」という言葉が多かったことから、最後まで描き上げることがモチベーション維持に重要なこともわかります。
<6位 自己表現できる>
・自分を表現できるから(20代 男性)
・自分の世界観を描けておもしろい(30代 男性)
・絵を描くことで、いろいろな感情や過去が精算できる感覚(30代 女性)
イラストは、自分が思い描いたイメージや体験、個性などをアウトプットする自己表現の手段でもあります。例えば自分が好きな小説作品の場面を、自分だけの表現で描くことができます。
自分が考えていることを具現化できることに魅力を感じ、モチベーションにしている人も多くなりました。
<7位 収入を得たい>
・絵を描くことが一番好きで、仕事にしたいと考えているから(10代 男性)
・お金につながること(20代 男性)
・絵が上手くなって、漫画を描いて、収入を得て生活することです(50代以上 男性)
イラストのスキルを伸ばし、仕事や収入につなげることを目標に頑張っている人もいます。実際に本業・副業としてイラストを描いており、収入を得られていることがモチベーションになっている人もいました。
イラストを描く気力がなくなるのは「上手く描けないとき」
「イラストを描く気力がなくなるのはどのようなときか」と聞いたところ、「上手く描けないとき(35.8%)」と答えた人が3割を超え、最も多くなりました。
・アイデアが思い浮かばないとき。上手く描けないとき(20代 女性)
・想像してたイメージを絵にできないとき、思ってたものと違ったとき。あとはシンプルに仕事で忙しくて気力がなくなること(20代 男性)
・力量が足りず、表現したいイラストを描けないとき。他の人の上手なイラストを見たとき(30代 女性)
・時間がないときです。ゆったりした時間で余裕をもって、静かに描きたいです(40代 女性)
・別の仕事で疲れているときです。あと、日々絵のことしか考えていないようなプロからお話を聞いたとき。「努力どころか落書きさえしていない自分が上手くなるわけない」と、気力がなくなります(40代 女性)
「忙しい」「疲れている」など時間や体調面の問題があるときよりも、行き詰まりを感じたときにやる気を失いやすいとわかります。「表現したいイラストや描きたいキャラクター」「目標とするイラストレーター像」があるのに、なかなか近づけていない気がしてモチベーションが下がってしまうのですね。
「自分より上手い人を見た」も、他人と比較することで自身の技術・センスの限界を感じ、やる気を失ってしまうケースです。
イラストを描く気力がなくなったときの対処法1位は「描くのをやめる」
「イラストを描く気力がなくなったときの対処法」のダントツは「描くのをやめる(54.4%)」で、全体の半数以上を占めました。2位「別のことをする(22.6%)」、3位「他の人の絵を見る(15.3%)」が続きます。
気力がなくても描き続ける人は少数派で、一旦は描くのをやめて気分転換する人が多いとわかります。
ただ別のことをするといっても、「他の人の絵を見る」「アニメ・マンガを見る」など、イラストに関係する行動をしている人も多くなりました。
<1位 描くのをやめる>
・一度イラストを書かない期間を設ける。時間が取れるようになってから、また描き始める(20代 男性)
・あくまで趣味なので、描きたいと思うまで描かないようにしています。エンタメなどで描きたい人物が現れたら、勝手に描く意欲が出ます(40代 女性)
・絵を描く気力がなくなったときは、無理に描かないようにしています。気分が乗らないときに無理に描こうとすると、余計にストレスが溜まってしまうので、少し休むことが大切だと感じています(40代 男性)
気力が出ないときには、無理に書かずに一旦描くのをやめる人が多数。描くのをやめてしばらくすると、インスピレーションを受けるなどして、自然にまた「描きたい」という気持ちが湧いてくるようです。
趣味として楽しんでいるのであれば、納期などもありませんし、苦しんで無理に書く必要はありません。「描かない時間をインプットの時間だと考える」などして、描かないことへの罪悪感を減らしている人もいました。
<2位 別のことをする>
・田舎に住んでいるので、人気の少ない畑の道や山などにドライブに出かけるようにしています。空気も綺麗で自然の音ばかりなので落ち着きますし、色彩豊かなので新しいインスピレーションも得られます(20代 女性)
・イラスト以外の趣味に没頭する(30代 男性)
・他の無心になれることをする。SNSを見たり、お片付けや掃除をしたりする。あとはワクワクする文房具を見る(40代 女性)
「描くのをやめる」と似た回答です。イラスト以外の趣味や家事に没頭して気分転換し、また描きたくなるのを待つ人も多いとわかりました。外出して自然の音を聞いたり草花を見ることで、創作意欲が湧くというコメントもあります。
イラストから離れるといっても、単に休む時間ではなく、イラストに役立つ経験を得る時間にしている人もいるとわかりました。
<3位 他の人の絵を見る>
・SNSなどを巡って、理想の絵柄の人を見つける(20代 女性)
・尊敬している絵師さんのSNSを見て、刺激をもらう(30代 男性)
・憧れているイラストレーターのサイトを見て、自分に取り入れられそうな部分を探す(40代 女性)
憧れのイラストレーターや、自分好みのイラストを描く人の作品を見ている人が多くなりました。他の人から刺激を受けて、「自分も頑張ろう」「もっと上手になりたい」と考える人も多いとわかります。
作品を見ることで、構図や表現などで参考にできることも。SNSで作品を発表している人も多いので、家にいながらでも、他の人の作品には触れやすくなっています。
<4位 アニメ・マンガを見る>
・好きなマンガを読み、自分も創作したいという意欲を湧かせる(20代 女性)
・2次元に触れる時間を増やすことで、気力が回復します(30代 女性)
・好きなマンガを見て、モチベーションが上がるのを待つ(50代以上 男性)
「他の人の絵を見る」と似た回答になっており、アニメやマンガから刺激を受けて、創作意欲を回復させている人も多数。もともとアニメやマンガがきっかけでイラストを始めた人も多いことから、創作意欲の原点に返ることで、気力も回復しやすいと考えられます。
実際に「アニメ・マンガを見る」を挙げた人の中には、アニメやマンガがきっかけでイラストを始めた人も多く含まれていました。
<5位 描く絵を変える>
・成果は関係なく無心で絵または線を描いてみる(10代 女性)
・描こうと思っていた絵のテーマやキャラクターを変更する(30代 男性)
・違うテーマの絵を描く(40代 女性)
上手く描けないときやアイデアが浮かばないときに、テーマやキャラクターを変えてみる人もいます。がっつり書くつもりだったのを、落書き程度や線の練習に変えてみるという人もいました。
「気力がないときは、無理はしないけれども筆は動かす」という人もいるとわかります。
まとめ
イラストを描くモチベーションとしては、「楽しさ」「上達の実感」「達成感」などを挙げた人が多くなりました。金銭的報酬や他人からの評価というよりも、自分の中で欲求ややりがいを見つけて取り組んでいる人が多いとわかります。
そのためモチベーションが下がったときも、金銭や評価で解決しようとするのではなく、内側からの「描きたい」という欲求が再燃してくるのを待つ人が多数。アタムアカデミーでも「絵が好き」を軸にした多様性のコミュニティを作ることにより、「描きたい」という欲求を持てる環境を構築しております。
https://atam-academy.com/concept/
また別の趣味に没頭してリフレッシュすることでモチベーションが高まる人もいたので、イラスト以外に趣味や好きなことを見つけるのも、イラスト活動を長続きさせるコツだと言えそうです。
▽福井克彦氏の考察
今回のアンケート結果から、描く気力を失ったときには描くのをやめると答えた人が多いことが分かりました。
描くのをやめる行為は不安を伴うこともあり、「こんなに好きだったのにやめるなんて自分の熱意はその程度なのか」と感じ、さらにモチベーションが下がることもあります。
しかし、絵をひたすら描き続けることが常に最良の選択とは限りません。一心不乱に描き続けて現状を打破する人もいれば、他の趣味や経験を通じてインスピレーションを得てモチベーションを回復し、創作活動に良い影響を与える人もいます。
重要なのは、自分に合った方法を見つけ活動を続けることです。描くこと以外の体験が創作にプラスになることも多く、何事もバランスが大切です。
ぜひ自分の人生を豊かにしてくれるイラストとの関わり方を探してみてください。みなさんの創作活動を応援しております。
■監修者紹介
福井 克彦
イラストレーター・Webデザイナー
徳島県出身。新卒で印刷メーカーの営業職に就き、8年間勤務。
在職中に、自身の好きなことを仕事にしたいと思い副業でイラストレーターを開始。
営業を退職後は通販会社で勤務後、2020年よりフリーランスに。
Webサイトやチラシの挿絵、図解イラストなど、物事を分かりやすく伝えるためのイラストを多数制作。
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■アタムアカデミーについて
アタムアカデミーは、子供の創造性を育てるオンラインイラスト教室です。2020年5月よりオンラインのイラスト教室としてサービス提供開始し、2023年7月現在、小中学生を中心に日本全国から生徒が通う日本最大級のイラスト教室にまで成長しています。
サービスサイト:https://atam-academy.com/online/
■株式会社アタムについて
株式会社アタムは、「イラスト教育により子供の可能性を最大化する」をビジョンにオンラインイラスト教室を運営するスタートアップです。
所在地:東京都港区
代表者:代表取締役 宮澤惇
コーポレートサイト:https://atam-academy.com/