「PROTECT HEARTS PROJECT(読み:プロテクト ハーツ プロジェクト)」は、健康診断・人間ドックなどを受診し結果を受けとる時期にあたり、全国の男女1000名を対象に、健診後のアクションや血圧についてのリテラシー・情報源などについての意識調査を実施しました。秋から冬は脳卒中や心筋梗塞などの脳・心血管疾患の事故が増える季節です。また、気温が下がることで血管が収縮し血圧が上がりやすく、ヒートショックなどにも注意がいつも以上に必要な季節です。寒さが本格化するこれからの時期に向けて、消費者の意識と行動の要因をまとめ、より効果的な血圧ケアの啓発を行ってまいります。
主な調査結果のまとめ
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健診で指摘された項目 「血圧」は男女ともに Top3にランクイン
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健診後に、「血圧測定」を対策として行っているのは、20-50代でわずか10-20%台にとどまる
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血圧測定の習慣は「1度も無い~年1回以下」が現役世代でなんと70%を超える。
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健康診断で「血圧高め」と指摘されても、現役世代の半数以上が診察経験ゼロ!
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血圧に関する誤情報が、ネットやSNSなどで多くの消費者に届いてしまっている
「PROTECT HEARTS PROJECT」は、株式会社Mizkan、森永乳業株式会社、オムロン ヘルスケア株式会社、株式会社プリメディカ、株式会社新生堂薬局、株式会社刀および事業子会社のイーメディカルジャパン株式会社が6社共同で2024年7月に発足させたプロジェクトです。放置すると、心疾患や脳血管疾患など、命にも関わる大きな健康リスクである高血圧について、業界を超えて連携、啓発することを通じ、多くの方が正しい情報に触れ、適切なアクションをとれる社会の実現、そして健康寿命の延伸を目指しています。
https://e-medicaljapan.co.jp/protect-hearts-project/
健康診断・人間ドックの事後アクションと血圧情報リテラシー 消費者実態調査
調査結果の詳細
調査結果① 健康診断結果 指摘された項目 血圧は男女ともにTop3に。
会社や自治体の行う健康診断。毎年の健康状態のバロメータとして大切な指標ですが、年齢が高まるほど、判定が良くなかった項目が増えてきて、様々な心配も増えてくるものです。今回の調査の回答者において、健康診断結果での指摘された(A判定で無かった)項目の上位には、男女ともに「血圧」がTop3にランクインしています。
年代別に見ると、血圧がA判定で無かったのは40代以上の5人に1人。男女の違いも顕著に現れており、40-50代では男性のほうが女性より指摘された比率が高いですが、60・70代では男性が21.5%、女性が24.1%と逆転する傾向が現れています。
調査結果② 健康診断結果を受けて、とっている対策 Top5
次に、健康診断の結果を受けて、対策や改善を行っているアクションについて、調査を行いました。
取ろうと考えている対策として「食事の栄養バランス」「運動」「睡眠」などが多くの世代、性別で上位に上がっているのに対し、「体重測定」「血圧測定」など、日々のバイタルサインの測定については、年代別で大きな傾向の違いがみられました。60・70代では保有率が高まる一方で、50代までの現役世代ではわずか10~20%台と低い結果となっています。特に血圧においては、40~50代から高血圧になる人の比率は高まってくるため、この世代から普段の血圧測定に取り組んでもらうための啓発が必要だといえます。
また、「医療機関への通院」「服薬」といった医療へのアクセスも60・70代から大きく上昇する傾向となり、現役世代においては食生活や運動などの「自力でなんとかする」対策が多いことが特徴的です。
また、対策や工夫を行わない理由として挙げられているのは、「痛みや不自由さなど日常生活に支障がないから」「対策するのが面倒だから」「時間がないから」などが上位を占めており、直近の自身の健康状態への切迫感のなさなどから様子見をしている、またその煩雑さなどが改善行動を後まわしにしている状況も改めて浮彫になりました。
調査結果③ 血圧計の保有率と、血圧測定の習慣について
健康・医療機器の保有状況についての質問では、身近な健康機器である体重計・体組成計の保有率が各世代で半数を超えているのに対し、血圧計の保有率は年代によって大きな差がありました。50代で38.0%、60・70代では65.5%と血圧計の保有率が比較的高い一方、40代でわずか26.5%、20-30代は10%台と非常に低い結果となりました。
また、より正確な血圧状況を知るために重要な「日常的な血圧測定の習慣」については、血圧計を持っていても定着できていない実態が明らかになりました。週1~3回以上血圧を測定する習慣があるのは、個人での血圧計保有率が比較的高かった50代でも16%、60・70代でも34.5%に留まりました。
健康診断や人間ドック以外で年1回以下、もしくは測ったことが1度も無い方は現役世代(20-50代)で70%を超えており、残念ながら「日常的な血圧測定の習慣」は多くの方にとってまだまだ取り組めていないことがわかりました。
血圧は、季節での変動や、体調や時間帯などによって上下に変動します。また、病院での診察時だけ緊張で高くなってしまう「白衣高血圧」や、逆に診察時は正常でも家庭では実は高い「仮面高血圧」など通院や健康診断だけではわかりづらい高血圧もあります。そのため、高血圧の早期発見には家庭での定期的な血圧測定習慣によって傾向を把握することが非常に重要です。今回の調査において、消費者の血圧計の測定環境や、リアルな習慣化の実態が明らかになり、今後も継続した発信が必要だと再確認しました。
調査結果④ 健診で血圧について指摘されたあとの診療態様について
過去に「血圧が高め」と指摘を受けたことがある方について、その後の治療・通院の状況を質問したところ、20-50代の現役世代では、指摘を受けたひとのうち半数が「通院したことがない」と回答。一方で60・70代では、通院継続ができている人が男女ともに60%を超えました。
高血圧は、痛い・つらいなどの身体的な不調としてあらわれづらく軽視されがちな病気です。放置することで慢性化や動脈硬化が進み脳卒中や心不全のリスクが高まります。また、一度診療を開始すると降圧薬を処方してもらうために定期的な受診が必要となり、仕事や家庭で忙しい現役世代にとっては病院に行く、薬局で薬をもらうなどの手間が、治療の切迫感・モチベーションを超えにくい傾向にあります。
PROTECT HEARTS PROJECTでは、調査結果③における家庭血圧計の普及や測定習慣の啓発によって、本当に治療や通院が必要である方が正しく健康状態を把握できるようになること、そして高血圧の方には受診・通院の必要性、切迫性があることを理解し、対面診療やオンライン診療への勧奨を様々なタッチポイントでできる社会を多くのパートナー企業とともに目指しています。また、血圧は「疾患」として治療すべき領域と、生活習慣などで改善を目指す「未病」領域とがつながっている指標です。健康的で適正な血圧の状態を生活者一人ひとりで把握できる社会を実現するためには、まだ本格的な診療が必要でない方にとっても食生活や運動習慣などに取り組むことで長期に健康でありつづけられる身体を整えることができます。
多くの方にとって血圧が身近になり、それぞれの状態によって適切なアクションの選択肢が広がっている社会状況を目指し、企業連合で取り組みを続けてまいります。
調査結果⑤ 血圧についての情報リテラシーとその影響について
今回、血圧測定の習慣化や、血圧ケアの意識を大きく阻害しているものとして、YouTubeやSNS、WEB記事などで専門家でない発信者から伝えられる、誤った情報に消費者が多く触れている実態も明らかになりました。
調査では、以下の5つの代表的なネットなど広がっている「誤った情報」について、情報に触れたことがあるか、その信憑性をどう捉えているか、情報源として誤った情報はどこから消費者に接触しているのかなどを分析しました。
上記は全て医学的な見解として誤った情報ですが、いずれか1つでも情報に触れたことのある人は26.4%。特に血圧が高まりやすい60-70代においては実に40.5%の人が誤った情報に接触していました。しかも、誤情報への接触者のうち、それぞれ半数を超える人が「情報を信じている」「正しいところもあると思う」と回答し、情報を信頼してしまっています。特に男性ではCの陰謀説を信じている人が75%と顕著に高い傾向となりました。
こういった誤った情報に触れる情報源は、血圧や医療の専門的な見解を正しく伝える専門家や、テレビ・新聞などの旧来メディアではなく、男性では「WEBなどの記事、ネットニュース」「YouTubeなどの動画サイト」、女性では「知人・友人など直接の知り合いからの口コミ」の割合が高く、玉石混交の情報が流通する発信元からの、命や健康に関わる情報を独自判断で取り込んでしまっている現状がわかります。
PROTECT HEARTS PROJECTでは、参画企業であるオムロン ヘルスケア株式会社や、イーメディカルジャパン株式会社を中心に専門家の監修を受けた情報を継続的に発信しています。正しい情報を、正しいメディアを通じて受け取ることで、適切な血圧ケアに向けて多くの方の不安を解消してまいります。
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オムロン ヘルスケア株式会社 特設サイト「高血圧とは、どんな病気?」
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イーメディカルジャパン株式会社「高血圧の基礎知識・高血圧コラム」
◆調査結果について、専門家コメント
谷田部淳一(やたべ じゅんいち)
イーメディカルジャパン株式会社 チーフメディカルディレクター
医師・医学博士
福島県立医科大学医学部 基盤連携型医療サービス共創学講座准教授
日本高血圧学会認定専門医・指導医
日本には、約4300万人の高血圧者がいるといわれています。その中で、生活習慣を改善したり、服薬をしたりすることで良好な血圧を維持できている人は、2割程度にすぎません。今回の調査結果を見ますと、60代未満では、家庭血圧測定を習慣にしている人が1割程度しかいないことに驚かされます。男性の場合、40代ですでに3人に1人は高血圧であると推定されていますが、これを放置した結果として何らかの健康被害が生じてから、急に血圧を測り始めるという状況が想起されます。では、現役世代が高血圧を軽視してしまう理由は何でしょうか?一つは、医療アクセスの悪さです。高血圧は基本的に治癒するものではなく、長期にわたって付き合っていくものです。仕事や子育て、介護など、患者さんの事情に対応できる柔軟な医療提供体制を、デジタル時代にふさわしい形で提供することが求められています。二つ目は、情報が氾濫するインターネット社会において、何が正しいかを判断するサポート体制が不足していることです。人間は、自分の考えを承認する情報に頼る性質があります。しかし、こと高血圧症を含む生活習慣病に関して、科学的な知見は成熟しており、異論の余地はあまりありません。正しい情報ソースを見極めることが極めて重要です。
PROTECT HEARTS PROJECTが、人々の健康と幸せに寄り添う活動となることを願ってやみません。
調査の概要
調査目的 : 健康意識および行動の変化に関する調査
調査対象 : 全国の男女 1000人
(男女各500人。20代、30代、40代、50代、60・70代の各年代200名)
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 2024年10月25(金)~10月29日(火)
<PROTECT HEARTS PROJECTについて>
株式会社Mizkan、森永乳業株式会社、オムロン ヘルスケア株式会社、株式会社プリメディカ、株式会社新生堂薬局、株式会社刀および事業子会社のイーメディカルジャパン株式会社の6社が立ち上げた、血圧ケアの重要性を発信する業界横断型プロジェクトです。
日本人にとって最も身近なテーマでありながら、放置をすると大きな健康リスクにもつながる「血圧」領域。血圧をテーマに事業を展開し、各領域をリードする企業6社が業界の枠を越えて連携し、「血圧ケア」の大切さや、日々取り組める身近なアクションの啓発を進めていくことで、日本全国の消費者がより健康になる未来を目指して活動を進めています。
(2024年7月25日 プロジェクト発足リリース)
<参考:PROTECT HEARTS PROJECT 直近の取り組みご紹介>
7月のプロジェクト発足以降、消費者がより健康や血圧について真剣に考える「リアルな接点」での啓発活動を拡大しています。調剤薬局・ドラッグストアでの店頭や、健康診断・人間ドック受診施設など、健康や血圧課題が自分事になる瞬間に、血圧の健康リスクの気づきや、すぐに始められるアクションの提案などリアルな接点ならではの人を介した啓発活動を以下のように具体化しています。
また、本プロジェクト発表以降、続々と参画を希望される企業があつまっており、2025年も更なる連携の拡大を進めてまいります。
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新生堂薬局 調剤薬局、ドラッグストア店舗での展開開始(10月8日~)
新生堂薬局の調剤薬局 70店舗、ドラッグストア28店舗にて、血圧ケアに役立つ商品・サービスを紹介するキャンペーンを展開しています。チルド商品コーナーや、健康食品コーナー、医療機器コーナーなど、店舗内の様々な接点で血圧ケアの重要性やそのリスクなどとともに紹介し、消費者の健康意識向上に向けて活動してまいります。
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対象店舗: 新生堂薬局 調剤薬局 70店舗、ドラッグストア 28店舗
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実施時期: 2024年10月8日(火) ~
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健診・人間ドック施設との連携開始 受診者へのご紹介 (10月11日より順次)
大型の健診・人間ドック施設にもPROTECT HEARTS PROJECTのにご賛同いただき、連携を開始しています。健康診断を受けた健康への意識が高まっている受診者へ、血圧ケアの大切さや効果的なケアの方法をお伝えしたり、商品のサンプリングなどを実施し、身近な血圧ケアの開始のきっかけとなるようご案内しています。
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対象施設: 新宿健診プラザ様、明治安田新宿健診センター様、新宿追分クリニック様、ききょうの丘健診プラザ様、カスガメディカルクリニック様、大宮シティクリニック様 など 全国計6施設と連携を開始。継続して連携先施設を拡大中。
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実施時期: 2024年10月11日(金)より順次開始