2022年8月に幻冬舎より発売された劇団ひとりさんの小説『浅草ルンタッタ』が、本日1月9日に幻冬舎文庫として発売されます。
Netflix映画『浅草キッド』公開後の第一作として注目され、2022年8月に単行本として発売された本書。大正時代の浅草を舞台に「浅草オペラ」に魅了されながらも運命に翻弄される少女と傷のある大人たちの半生が情感たっぷりに描かれています。
デビュー小説『陰日向に咲く』、2作目『青天の霹靂』からさらなる飛躍と洗練を感じさせる筆致です。文庫化に伴い解説を寄せた浅草オペラ研究者の小針侑起氏は、こう評します。
<かつて日本には浅草を舞台にした「浅草文学」が存在した。永井荷風、久保田万太郎、川端康成、サトウハチロー、高見順、野一色幹夫……、廃れて久しい浅草文学史の最後に劇団ひとりの名前が位置する。映画『浅草キッド』の監督として浅草芸人の悲哀を描き、そして『浅草ルンタッタ』という浅草文学のヒット作を放った劇団ひとり氏は現代浅草文化の功労者ともいうべきであろう。>
作者の劇団ひとりさんからもコメントをいただきました。
【劇団ひとりさんコメント】
浅草という街が好きでして、もちろん初めはビートたけしさんの影響なのですが、今となってはまだたけしさんがいない時代の浅草まで興味を持つようになり、ついに大正時代まで行ってしまいました。資料を見ては、当時の匂いや音を想像して想いを馳せてます。良くも悪くも人間臭くって、世知辛くって温かい、人間の心が剥き出しの時代。そんな雰囲気を少しでも皆さんにお届けて出来たら幸いです。
大正時代の浅草には娯楽のすべてがあったといいます。
その時代に思いを馳せながら、涙なしには読めないドラマチックな物語をお楽しみください。
【内容紹介】
行き場のない女たちが集う浅草の置屋「燕屋」の前に赤ん坊が捨てられていた。遊女の千代は、周囲の反対を押し切り、「お雪」と名付け育て始める。明治から大正へ、浅草オペラに夢中の少女へ成長。燕屋の大人たちと歌って踊る幸せな日々を過ごす。なのに、あの男がすべて台無しにした――。激しく交差する運命。疾走感溢れる圧倒的感動の物語。
【書誌情報】
タイトル:浅草ルンタッタ
著者:劇団ひとり
発売元:幻冬舎
定価:本体価格670円+税
発売日:2025年1月9日
ISBN:978-4-344-43447-9
体裁:文庫
ページ数:256p
カバーデザイン:鈴木成一デザイン室
装画:網中いづる
紹介ページ:https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344434479/
【著者略歴】
一九七七年千葉県生まれ。映画やドラマで俳優として、また作家、映画監督としても活躍。はじめての小説『陰日向に咲く』は一〇〇万部を超えるベストセラーとなり、映画化される。次作『青天の霹靂』は自身の初監督作品として映画化。構想に七年をかけ脚本・監督を務めたNetflix製作の日本発オリジナル映画『浅草キッド』(二〇二一年)は、アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワードで最優秀作品賞を受賞、大きな反響を呼んだ。