学事出版株式会社は、小学校の教員である著者自らが試行錯誤を繰り返しながら、教室の心理的安全性を高めるための実践をまとめた『よくわかる! すぐ始められる! 学級経営をガラリと変える 「超実践的」心理的安全性アプローチ』(田中翔一郎著)を刊行いたします。
子どもに安心して自分の意見を言ってもらえるような環境を作ろうとチャレンジしたものの、うまく実践できなかった、思うような効果が上がらなかったという教員の方も多いのではないでしょうか。本書は、なぜ子どもが自由に発言する空間を作るのが難しいのか、作ろうとしても挫折する教員が多い原因は何なのかを考えるとともに、教室の心理的安全性を高めることの重要性を著者の実践をもとに解説。机上の空論ではない、子どもたちが自発的に意見を言い、安心して発言できる教室・授業づくりを実現できる方法を説いた1冊です。
「心理的安全性」はハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱したものです。その定義は、大まかにいえば「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」とされています。2016年に、Googleが生産性の高いチームに必要な条件を調査するプロジェクトを実施した結果、「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」ということが判明しました。このことから、企業や組織において心理的安全性が注目されるようになりました。
2024年10月に、小・中学校の不登校児童生徒がおよそ34万人と過去最多になったことを文部科学省が発表しました。心理的安全性は「職場」での環境で培われた概念ですが、生徒の不登校のような学校を取り巻く問題を解決するために、心理的安全性の理論や実践を応用できないかが着目され、教室や学級経営と心理的安全性を組み合わせた書籍も多数出ております。
ただ、実際に実施しようとしても、もともと企業や職場を想定したもののため、学校現場レベルで心理的安全性を高めようとしても一朝一夕ではできず、取り組みが続かないことが問題として挙げられます。
本書は、なぜ教室の心理的安全性は高まりにくいのか、挫折する教員が多い原因は何なのかを一から考えるとともに、教室の心理的安全性を高めることの重要性を著者の実践をもとに解説。子どもたちが安心して過ごせる、子どもたちがいたいと思える教室を作るための実用的な方法を提示しているのがこの本の画期的なところです。小学校の教員である著者自らが試行錯誤を繰り返しながら、教室の心理的安全性を高めていった実践事例集であり、ヒント集となっています。
「帰りの会での子どもたち同士のいいとこ見つけ」や「年度初めに立てる学年・学級目標」など、一見良い効果がありそうな取り組みを疑うことも重要です。実際に行ったからこそ分かる、うまくいかない原因をお伝えします。
1つのテーマで連想されるものをみんなで意見を出しあうことで、どんな意見も歓迎される環境作りや批判的な意見を交流しやすくするための図を使う方法、さらに黒板を子どもたちに「開放」することで学習者主体の授業を実現するなど、学級経営や授業で心理的安全性を高める方法を解説します。
ポジティブなことだけでなく苦手なことを発信できる場を提供することで、子どもたち同士の「助け合い」を醸成するきっかけ作りや、「質問の言葉集」を提示してあげることで、「何をいったらよいのか」分からない状況を解消してあげるヒントをお伝えします。
理想の学級。考え続けた結果、たどりついたのが「心理的安全性の高い学級」でした。これまで理想とされてきた日本の「学級観」は、果たして子どもたちの「自分らしい姿」を発揮できているのだろうか。そんな疑問の答えが心理的安全性にあると思っています。
本書は、これまで私が実践してきた失敗や成功を詰め込んだものとなっております。「自分なら」という視点で読んでいただけたらと思います。少しでもみなさんの学級経営のヒントになれば最高です。 ――田中翔一郎先生
まずは、効果・効率がよくなかった心理的安全性を高めるための取り組みを図解で解説。うまくいかない原因を、実際に行ったからこそ分かる、納得のいく理由を解説します。
企業や職場等での組織で培われた心理的安全性を、学校という教育現場でどのように使えば良いか分かりやすく解説。その重要性を示すとともに、心理的安全性の高い・低いクラスの特徴を提示することで自分のクラスを先生自身もチェックできます。
日本の職場で心理的安全性が高い状態を構成するとされる4つの因子(話しやすさ、助け合い、挑戦、新奇歓迎)を学校向けに解釈し、各因子を高めるための方法を具体的に提示します。真似しやすいところから日々の業務や教室に取り入れることができます。
心理的安全性を高めることで、子どもたちが自主的に黒板を使って授業を進めたり、子どもたちが自発的に行動し始めた事例を実際の写真とともに紹介。
管理職や教員などの役割ごとに気をつけたいことや、毎日のちょっとしたコミュニケーションがうまくいくコツを提示。
1989年、佐賀県生まれ。佐賀県立佐賀北高等学校通信制から国立大阪教育大学へ進学し、教育学を専攻。子どもの概念形成を研究する。卒業後、堺市の公立小学校に勤務。教員生活を続ける中、心理的安全性を学級経営に取り入れるためのオンライン教育サークル「糸」を設立し、学級経営に関する実践的な交流を行う。また、心理的安全性と学級経営に関する教員のオープンチャットを運営。自身のサークル主催による「不登校」「若手教員のためのすぐできるスキル」「職員室の机の整理整頓術」などをテーマに様々なセミナーを開催するなど、精力的に活動を行う。
著書に『図解&資料でとにかくわかりやすい 理科授業のつくり方』『教師のための「後回しにしない」仕事の鉄則』(共に明治図書)がある。
『よくわかる! すぐ始められる! 学級経営をガラリと変える 「超実践的」心理的安全性アプローチ』
著:田中翔一郎
ISBN:978-4-7619-3044-8
書籍仕様:四六判・224ページ
定価:2,420円(税込)
学事出版オンラインストア:https://www.gakuji.co.jp/book/b10107784.html
Amazon:https://amzn.asia/d/9okX1sN
会社名:学事出版株式会社
代表取締役社長:鈴木宣昭
所在地:東京都千代田区神田神保町1-2-5和栗ハトヤビル3F
事業内容:教育関連図書・教材の出版
コーポレートサイト:https://www.gakuji.co.jp/
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声優、そしてアーティストとして…