ワールド・モード・ホールディングス株式会社(本社: 東京都渋谷区、代表取締役: 加福真介、以下 WMH)は、店舗運営を本質的に改善するCS調査としてのSEEP(シープ)を提供しています。そのSEEPの調査により、2024年9月にファッション業界におけるリアル店舗での顧客満足度( CS )調査を実施しました。その結果を2024年度下期レポートとしてまとめましたので、前回の2024年2月から約半年間でどのように市況が変化したかをお伝えします。
■SEEP全国調査について
SEEPでは年2回、全国のファッションブランドの店舗を対象に大規模な顧客満足度調査を独自で行っております。本調査はラグジュアリー、アフォーダブルラグジュアリー、セレクトショップ、トレンドカジュアル、スポーツ、ジュエリーを対象に、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5エリアで実施しています。
■SEEP調査の基本説明
SEEPの調査設計は、接客プロセスのシーンと接客体験全体を分析しています。接客プロセスは、お客様との出会いの部分である「アプローチ」、そこからお客様に寄り添う形で要望を聞きながら商品提案を行う「ヒアリング~プロポーザル」、そして最終プロセスである「クロージング」の3つのシーンとなります。そこに接客体験全般を通じた「基本項目」「印象項目」を追加し、5つのシーンの調査結果をポイント制(点数)で示しています。
<SEEP調査の特徴 ~3つのポイント~>
① モニター型調査:iDAの登録者約30万人から、ファッションやコスメに興味のある一般のお客様に近い方をモニターとして選び、店舗調査を実施しています。
② 信憑性が高い複数調査:SEEPでは、1店舗あたり複数の調査員が異なる視点で調査を行い、客観的で信頼性の高い結果を提供します。
③ ウェルカム体制からの調査:設問設計は店長経験含め、第一線で活躍している方の知見を活かし構築。店舗調査で見落としがちなウェルカム姿勢の分析を行います。
1. 2024年下期における傾向概要と市場状況の変化
全国調査の結果は100点満点中63点でした。2024年2月実施時と同点ですが、前回はそれ以前の調査から大きく低下したため、引き続き低いレベルを継続しているということになります。インバウンド客数は依然として多く、売上への影響は大きい一方、売上高の伸び率を見るとプラスではあるものの鈍化傾向が見られます。
コロナ禍以前はインバウンド需要の伸びが著しい時期がありましたが、コロナ禍で一気にインバウンド需要が落ち込み、国内顧客への対応にシフトすることを余儀なくされました。
継続した成長のためには、インバウンド顧客にも国内顧客にも魅力的と思われる接客対応が重要です。この二つの視点で店舗運営やブランド経営を行うことが中長期的な成長につながると考えられます。
2. ファッションカテゴリー別傾向と分析(一部抜粋)
・ラグジュアリーとアフォーダブルラグジュアリー
両カテゴリーで点数が低下しており、ラグジュアリーは特にアプローチシーンで顕著な低下が見られます。ラグジュアリーはお客様に寄り添った対応を重視し、アフォーダブルは来店したお客様への対応を重視しています。アプローチシーンでこれまでアフォーダブルはラグジュアリーを凌ぐ高得点でしたが、今回点数が下がっているのが特徴的です。
・スポーツブランド
スポーツブランドの台頭と店舗展開の競争が激化していますが、接客面ではセルフ店舗も増え、声をかけない方が良いとも考える販売員もおり、その結果、お客様にウェルカムな姿勢が伝わらないケースが散見されます。笑顔での応対を心掛けることにより、接客レベルが向上する可能性があります。
・トレンドカジュアル
入店に気づく、挨拶する、要望を聞くなどの基本的なアクションが改善されました。今後は再来店の促しなど重要なアクションを実施することにより、更なる改善が期待されます。
3. 今後へ向けた考察と提案
インバウンドは中国からの来日者割合が減少し、多国籍化の傾向があります。また、購買ではなく経験重視の消費行動が求められる傾向もみられます。日本文化への興味関心は高まっており、それに関連する商品やブランドが好調です。
但し、今後はインバウンド来日客数の大幅な成長率はいったん落ち着くと思われます。
また、在庫の一元管理を実現するとOMOへのアプローチが進みます。ECと店舗、それぞれの役割を明確にし、店舗は高付加価値サービスが提供できるタッチポイントとして、ECの購買拡大も視野に入れた重要拠点としての展開が必要です。店舗のサービスレベルを維持するために、調査を通じて課題を導きだし、変革に生かすことが重要です。
【全国調査レポート本編につきましては、下記をご覧ください。】
SEEP全国調査2024年下期レポートの全内容のレポート(本編)は https://seep.jp/lp/download からダウンロードいただけます。
店頭接客のパフォーマンス向上は、どのブランドにとっても重要な課題の一つだと考えられます。そして、より具体的に、店舗での課題を把握し、正当な店舗評価ができているかを明確にしていくことが重要です。
リサーチ&エデュケーション事業部では、店頭の現状を正確に把握するために実施する『SEEP』調査から、店舗スタッフの能力向上を目的とした研修プログラムの提案まで、サポートさせていただいております。
【全国調査 概要】
対象業種 :ラグジュアリー、アフォーダブルラグジュアリー、セレクトショップ、トレンドカジュアル、スポーツ
実施時期 :2024年9月
対象都市 :東京、大阪、名古屋、札幌、福岡
調査方法 :SEEP 顧客満足度(CS)調査
【SEEP全国調査レポート 作成者】
ワールド・モード・ホールディングス株式会社
リサーチ&エデュケーション事業部 ディレクター 綿引 祐敏
【SEEPに関するお問い合わせ】
ワールド・モード・ホールディングス株式会社
リサーチ&エデュケーション事業部 店舗運営コンサルタント 田村 実香
MAIL: seep@ida-mode.com
URL: https://seep.jp/lp
【ワールド・モード・ホールディングス株式会社について 】 https://worldmode.com/jp/
ファッション・ビューティー業界を専門に人材やデジタルマーケティング、店舗代行など様々なソリューションを提供するグループ。iDA、BRUSH、AIAD、AIAD LAB、フォーアンビション、VISUAL MERCHANDISING STUDIO、双葉通信社 の7 社の国内事業会社および シンガポール、オーストラリア、台湾、ベトナム、マレーシアに海外拠点を持ち、専門性の高い各社のシナジーによって、クライアント企業の課題に応じた実効性の高いソリューションを提供しています。