椎名林檎さんに絶賛された『1ミリの後悔もない、はずがない』で鮮烈なデビューを果たした一木けいさん。七作目となる『結論それなの、愛』は「通じ合う」ことをテーマに、人間関係を真摯に問い続ける恋愛小説です。本作には、町田そのこさん、麻布競馬場さんから熱い推薦コメントを頂戴いたしました。
不倫の恋、人身売買、強制売春、日本人女性専用風俗、恋人の自死――。『結論それなの、愛』は、著者の一木さんが実際にタイに駐在されていた9年間で見聞きされたこと、経験されたことをいかして、「通じ合う」ことをテーマに紡いだ恋愛小説です。
一見豊かに見えても、閉塞感が充満した駐在員コミュニティで孤独を抱えて生きる主人公たち。時に傷つき、危険な目に遭いながらも、愛する人と思いを通わせることで自分の人生を取り戻し、前を向く様子が希望とともに描かれています。
また、本作の刊行に際し、町田そのこさんと麻布競馬場さんから熱い推薦コメントを頂戴いたしました。
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町田そのこさん
一木さんの言葉たちは南国の果実のようだ。濃厚で薫り高く、そして地味深い。
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麻布競馬場さん
迂闊にリアルなんて言えない。一週間、ずっとこの小説について考えこみ、仕事が手につかなかった。
■著者コメント
通じ合うとは何か考えながら、バンコクと東京で書いた小説です。改稿していくうちに、自分がどんどんひらいていく感覚がありました。諦念と虚無を掘り下げたら、ほんとうは、こんなにも通じ合いたかった自分に気づきました。
一木けい
■書籍内容紹介
夫は、私の気持ちに気づかない。駐在妻のマリが求めた無垢な愛は、切実で、時に危険で残酷だった。言語も文化も異なる場所で、それでも通じ合うことを真摯に見つめ続けた最高純度の恋愛小説!
バンコクの高級コンドミニアムで暮らす駐在妻のマリは、コロナ禍の国境封鎖で出張先から帰ってこられなくなった夫と別居生活を送っていた。日本にいた母の葬儀にも参加できず、孤独なマリに声を掛けたのは、テオというタイ人の青年だった。寄り添い、理解しようと向き合ってくれるテオに、やがてマリは心惹かれるようになり――。
■著者紹介
1979年、福岡県生れ。2016年、R-18文学賞読者賞を受賞。デビュー作『1ミリの後悔もない、はずがない』が話題となる。他の著書に『愛を知らない』『全部ゆるせたらいいのに』、『彼女がそれも愛と呼ぶなら』などがある。
■書籍データ
【タイトル】結論それなの、愛
【著者名】一木けい
【発売日】2025年2月19日
【造本】四六判
【定価】1,925円(税込)
【ISBN】978-4-10-351443-5