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【羽田空港航空機衝突事故から1年】いま求められる真の安全対策を元・航空管制官が緊急提言! 『航空管制 過密空港は警告する』、1月28日発売。

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、『航空管制 過密空港は警告する』(KAWADE夢新書)を2025年1月28日に発売します。

2024(令和6)年1月2日、羽田空港のC滑走路上で、着陸直後の旅客機日本航空516便と離陸予定の海上保安庁機が衝突し、双方とも炎上。海保機の乗員6名のうち、機長以外の5名が死亡するという痛ましい事故が発生しました。しかし実は、この事故後も管制トラブルは頻発しています。
羽田の事故後、その原因を究明し、今後の防止策を検討すべく、国土交通省は羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会を発足させました。そして、2024年6月には事故対策検討員会により「中間取りまとめ」が、同年12月には国の運輸安全委員会により「経過報告」が公表されています。

この痛ましい事故から1年。

空の過密化が止まらないなか、交通管制システムには、どのような対策が講じられたのでしょうか。

本書は、運輸安全委員会が公表した「中間取りまとめ」と「経過報告」を手がかりに、再発防止策と航空管制の未来を読み解きます。

◎羽田空港事故、交信記録から何が読みとれるか?

◎航空管制官の人材不足が解消されない理由

◎緊急事態の発生時、管制官はどんなことを意識する?

◎管制ルールは「原則であって、絶対ではない」わけ

◎パイロットが知りたい「本当に必要な情報」とは

◎滑走路への誤進入を防ぐ警告灯設置のリスクとは

◎AIを駆使すれば、航空管制の精度は上がるか?

──以上のような疑問に答えながら、事故はどのように起きたのか、防ぐことはできなかったのか、そして、いま求められる真の安全対策を元・航空管制官が緊急提言する一冊です!

 悲しい事故を二度と起こさないために……(「まえがき」より抜粋)

 「羽田空港航空機衝突事故」から、1年が経過しました。事故調査報告書の取りまとめは年単位の時間を要することが見込まれるため、運輸安全委員会は昨年12月に「経過報告」を公表し、これまでの調査で確認された事実情報等を中間的に報告しました。

事故を受けて、対策の検討や新しい試みがすでに始まっています。しかし、今回の事故のなかの、目に見えるわかりやすい部分に焦点を当てた対策を打つことは、中長期的に見て、航空交通の安全性向上につながりません。今回の事故に偏った対策が、また新たなリスクを生じさせ、むしろ管制官とパイロットの負荷を高める可能性があるからです。

本書は、事故の経緯や背景をわかりやすく解説しながら、元・航空管制官の視点から「航空管制が真に安全なものに生まれ変わるために必要なこと」を追究していきます。

航空管制はデジタル技術の活用によって、日々進化していますが、言葉の確実な伝達や誤解のない認識の共有など、最後は「人の力」が支えています。今、求められる真の安全対策を、最前線で奮闘した経験からお伝えします。 

■本文より

■目次より

[1章] 羽田空港航空機衝突事故。直前に、何が起きていた?

羽田空港航空機衝突事故。その交信記録を読みとく

海保機の状況①…当日に機材変更があり、任務内容も未確定だった

海保機の状況②…地上走行の開始から、滑走路停止位置標識の通過まで

海保機の状況③…基地との無線交信から、日航機との衝突まで

管制官の状況①…当日は、どのような勤務体制だったのか?

管制官の状況②…誘導路Cが出発機で混雑していたわけ

管制官の状況③…滑走路担当が地上走行中の海保機を認識する

管制官の状況④…衝突した日航機と、どのような交信を行なっていたか?

管制官の状況⑤…海保機にインターセクション・デパーチャーを指示した理由とは

管制官の状況⑥…15分後に着陸する機についての調整が入る

管制官の状況⑦…事故直前から発生まで

 [2章] 事故はなぜ、回避できなかったのか?

インターセクション・デパーチャーの指示は適切だったか?

「滑走路手前における待機」は、どう規定されているか?

支援システムによる注意喚起の見逃しが起きた理由

「出域調整席からの通報」が事故回避の最後の機会だった

「注意喚起表示の誤差」が管制官の判断に影響を及ぼした

日航機側に衝突を回避する手立てはなかったのか?

「No.1」の使用停止から使用再開に至るまでの経緯

1つの言葉だけに着目して、事故を論じるべきではない

[3章] 羽田事故後も頻発する管制トラブル

トラブル事例①…福岡空港で起きた「日航機の停止線越えによる離陸中断」

福岡空港のトラブル事例の原因を考察する

トラブル事例②…サンディエゴ国際空港で起きた「日航機の停止線越えによる着陸やりなおし」

サンディエゴ国際空港のトラブル事例の原因を考察する

トラブル事例③…クアラナム空港で起きた「滑走路上での出発機と到着機の接触事故」

 [4章] 航空管制官の増員は容易ではない

管制官の人手不足が「空の安全」を脅かしている

管制官を増やせない事情①…研修の受け入れ容量に限界がある

管制官を増やせない事情②…管制官の志望者が大幅に減少

管制官を増やせない事情③…志望者が減った理由を探る

人手不足は、いまや航空業界全体に及んでいる

なぜ、日本の管制官は「身近な」存在になれないのか?

個人SNSによる情報発信が禁止されている理由

管制官志望者を増やすには、勤務環境の整備が急務

 [5章] 航空交通を捌く管制官の精緻なスキル

航空管制システムの全体像を知る

航空管制官に求められる素養とは

管制ルールは「原則であって、絶対ではない」わけ
個人の負荷を分散させれば、チーム力はより高まる

相手に誤解させないコミュニケーションの工夫とは

 [6章] 羽田事故の「再発防止策」を検証する

「中間取りまとめ」は、どのような対策を示したか?
「ヒューマンエラーの防止」を読みとく

「注意喚起システムの強化」を読みとく

管制官とパイロットにとって「有益な警告」の条件とは

管制官が手動で操作する「STBL」の仕組み

滑走路の状況を自動で検知する「RWSL」の仕組み

「技術革新の推進」は、どこまで可能なのか?

AIを駆使すれば、航空管制の精度は上がるか?

「管制業務の実施体制の強化」を読みとく

「離着陸調整担当」を新設するメリットとは

「離着陸調整担当」の新設で懸念されること

離着陸調整担当に予想される「やりにくさ」とは

トラブルが発生したとき、責任の所在はどうなる?

「管制官はマルチタスクである」という誤解

 [7章] 安全を保つために 管制に求められる役割

羽田空港の発着枠は本当に「多すぎる」のか?

提案①「監視支援担当」管制官の設置

「監視支援担当」を置くと、「滑走路担当」の仕事はどう変わる?

調整補助は「対空席」と「滑走路担当」で、どんな違いがある?

提案② 管制官とパイロットの相互理解をさらに深める

「専用SNS」を使ったコミュニケーション活性化の提案

「リアルな体験」を共有してこそ、管制のスキルは磨かれる

「ルールを決める者」と「ルールを運用する者」の理想の関係とは

■著者紹介

タワーマン

元・航空管制官。航空専門家。管制官時代は成田国際空港で業務に従事する。退職後、航空系ブロガー兼ゲーム実況YouTuberに。飛行機の知識ゼロから管制塔で奮闘して得た経験をもとに、現在は専門家として「空の世界」をわかりやすく発信。テレビ出演や交通系ニュースサイトへの寄稿も精力的に行なう。著書に『航空管制 知られざる最前線』(小社刊)がある。Yahoo!ニュースオーサー。
YouTube:『タワーマンTV
X:@motokanseikan

■書誌情報

シリーズ:KAWADE夢新書

書名:航空管制 過密空港は警告する

著者:タワーマン

仕様:新書判/並製/200ページ

発売⽇:2025年1月28日

税込定価:900円(本体990円)

ISBN:978-4-309-50457-5

装丁:こやまたかこ

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309504575/

出版社:河出書房新社

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