報道関係者各位
会見用資料
株式会社OCA JAPAN
日本企業としてベトナムで最大規模のカカオ事業を手掛けるOCA JAPAN(オカジャパン、以下OCA、浜松市、野澤浩樹代表取締役)はこのほど、ベトナム南部の都市・バリア=ブンタウ省で、新たに約3,000平米の敷地に大型カカオ工場を設立し、稼働を開始します。
工場では、通常現地ではカカオ豆の水洗いをしないところ、日本では一般的である水洗い行程も取り入れ、チョコレートやチョコレート菓子、カカオパウダー、カカオワインなどを製造し、直営店での販売の他、日本やヨーロッパに輸出します。
OCAでは、カカオ農園もグループで運営しており、世界最高品質ともいわれているベトナム産カカオの生産加工から販売までをベトナムで一貫して手掛けています。
近年では、特に欧米諸国を中心にオーガニック栽培に注目が高まっており、全世界に向けたチョコレートなどのカカオ商品の自社ブランドの製造・販売に力を入れています。OCAの品質だけでなく、フェアトレードを重視する欧米諸国からはOCAの生産工程も評価されており、具体的には、商社経由で、フランス、スイス、オランダ、ドイツ、ハンガリーのチョコレートメーカーの原材料としてOCAのカカオが採用されています。
OCAではそのほか、ベトナム国内でホーチミン市中心街にある高島屋や、高級デパートのダイアモンドプラザ、リゾート地のフーコック島など下記の計4店舗で、自社によるチョコレートブランドの「VIETNAM CHOCOLAND」のアンテナショップを開設ています。
・ホーチミン市(1区)高島屋
・ホーチミン市(1区)ダイアモンドプラザ
・フーコック島 リゾート複合施設Vinpearl内 ショップのほか、チョコレート作り体験やカフェなど
・ニャチャン リゾート複合施設Vinpearl内
こうしたヨーロッパのメーカーによる原材料採用や、自社のアンテナショップによる多店舗展開により、今後も生産量が増えることを予測しており、安定したカカオの生産に加え、加工品の製造を行える体制を整えるため、今回の新工場建設となりました。OCAでは生産能力の向上により、「日本品質の食の安全」をベースに「世界トップクラスの品質のカカオ」を全世界に販路を拡大するべく、取り組んでいきます。
【工場の概要】
場所:バリア=ブンタウ省チャウドゥク県
Tan Thanh Hamlet, Quang Thanh Commune, Chau Duc District, Ba Ria – Vung Tau Province, Vietnam
敷地面積:3,000平米
工場建屋:400平米2階建て(計800平米)
ほか、乾燥用スペース200平米、発酵と倉庫用スペース400平米
現地ではカカオ豆の加工前に水洗いしないことが一般的ですが、日本式を取り入れ、水洗いの工程をしっかり行います。
最大生産量:-チョコレート: 30kg~ 40 kg/日(900kg~1,200kg/月) – カカオニブ:約80kg/日(2,400kg/月) – カカオパウダー:約300kg/月 – カカオバター:約100kg/月
※新工場のスペースには余裕があり、機械と人員の追加で最大2倍の生産量が可能です。
製造ライン:醸造/発酵-乾燥/焙煎-コンチング-テンパリング-エイジング-脱脂-パウダー化
人員規模:15人
生産商品:カカオワイン、チョコレート菓子、カカオパウダー、カカオニブ 等
その他:池のほとりに休憩スペース有り(カフェ・食事スペース、池では魚釣りも可能)
【工場外観等の写真】
【OCAのベトナムにおけるカカオ事業の取り組みについて】
■東京ドーム約55個分の面積 ベトナムでのカカオ事業に取り組むOCAの取り組み■
ベトナム産カカオの生産加工から販売までを一貫して手掛けるOCA は2020年に設立。野澤が創業者で代表を務めるITサービスのシーポイント(浜松市)が2015年から現地で農薬と化学肥料を使わずに栽培する「オーガニック栽培」をベトナム現地のカカオ農園で支援したのがきっかけで、本格的にカカオ生産を拡大させ、チョコレートなど自社ブランドの製造と拡販を目的にOCAを設立し、事業拡大を進めています。
OCAでは、ベトナム南部のバリア=ブンタウ省と連携し、2021年~2023年の3年間で合計約230ha(東京ドーム約55個分)の新規カカオ農園を増やしているほか、欧米等オーガニック先進国への輸出拡大を目的に、有機JAS(日本)やUSDA(米国)など4つのオーガニック国際認証を取得しています。また、OCAでは、オーガニック認証取得の農園で育てたカカオの全量買い取りをしている点も特徴の一つで、生産性や品質の向上ができています。
そのほか、農業のICT化が極めて遅れているベトナムで、各種センサー設置によるデータ収集やデータ分析によって数値化して、自動収穫を目指す機械化・IT化も進めています。
■カカオのすべてを廃棄せずに使って商品を生み出し、環境も収益性も■
自社店舗をふくめ、OCAではカカオが生み出す事業の幅を広げるため、これまでの「カカオ=チョコレート」というイメージも払拭できるような新たな商品の開発と販売に取り組んでいます。カカオの絞り汁から、完全無添加のカカオワインを自然醸造して商品化し、シンガポールや日本へ輸出しているほか、通常は廃棄されることの多いカカオハスク(カカオ豆の外皮)からお茶、焼き菓子を製造したり、カカオの葉を使ってお茶、カカオの生豆やカカオポッドの皮からは、堆肥やバイオ燃料ほのか、カカオスナックの開発も行い、環境経営(SDGs経営)に務めているほか、単位面積あたりの収益性を向上させる取り組みをしています。
■今後の目標について■
現在、カカオは西アフリカなど主要生産地の不作等により世界的に高騰しており、その結果、日本のチョコレート市場でも原材料高騰による商品の値上げ等影響が出ています。しかし、日本の年間需要は世界各国と比較してもあまり多くなく、年間5.5万トン程度だと言われています。現在のOCAのカカオ供給量は500トン程度ですが、今後はバリア=ブンタウ省と連携もしつつ、供給量を2倍以上に伸ばせる見込みがあります。目標は、日本の年間需要の10%程度までOCAとしてカカオ供給量を伸ばすことで、今後バリア=ブンタウ省とともに、日本で安定供給ができるような安定した生産・供給体制の構築を目指します。
また、2024年には、ベトナム南部の都市・バリア=ブンタウ省チャウドゥク県の行政機関トップが、OCA JAPANや泉大津市などの訪問を目的に来日し、同省のオーガニック農業物やカカオの販路拡大と認知度向上のPRを行っており、OCAでは、こうしたベトナムと日本の関係構築の支援にも積極的に携わっていく予定です。