★１話99秒で完結★タイパ重視の小中学生に向けた超短編小説【1/31発売】生きては二度と戻れない「せびと遊園地」にようこそ！ 怪異現象に隠された、切なくて怖ろしい真実とは・・・？

短時間で驚きの連続！ だから小中学生の朝の読書』に最適！

タイパ重視＆長編小説を読むのが苦手な人でも読みやすい『「怖い場所」超短編シリーズ』第4弾『謎が解けると怖い遊園地の話　99秒で巡る戦慄【闇】体験』を1月31日に発売します。

各話4P（3P＋1Pイラスト解説）の超短編小説が、全37話収録。各話約「99秒」で読み切れるページ構成でだれでも戦慄の【闇】体験が味わえる一冊。

ー本書よりー

［STORY 001／入園］

窓から見えた光景に、バスの中は一気にテンションが上がる。「あおい、楽しみだね！」隣に座っていた久美も、なんだか嬉しそうだ。

「おい、うるさい！　止まるまで立つな！」担任の影山先生が男子たちを制止するが、そんなものは中学三年生には効き目がない。

なぜなら、私たちの目の前に現れたのは──。

待ちきれないクラスメイトと共に、バスを下りる。「わぁ…！」と私も思わず感嘆の声を漏らす。

ジェットコースターや観覧車が惜しみなく見えていて、同級生たちが我先にと駆けていく。

私も懸命に追いかけたが、すぐに人垣にぶち当たった。みんなが立ち止まって、何かを読んでいるよう。なんとか首を伸ばして覗き見ると、それは大きな立て看板だ。

すると、すぐに誰かが言った。

「ようこそ！」

確かによく見ると横読みで『ようこそ！』と読める。でも、あともう一つ言葉が隠れてるってこと？「えせ？」「じいい？」など口々に呟くが分からない。それに『せびと』という変わった名前の遊園地に、なぜか聞き覚えがあった。あれは確かお婆ちゃんが──？

「ほら、二列に並べ！」

先生に急きたてられ、メッセージを見つけられないままゲートに向かう。

「あおい、行く？　何から乗ろうか？」

「うん…どうしよう」

そんなことを親友と話しながら、私はしばらく立て看板を見つめていた。

私はどうしてももう一つのメッセージが気になったんだ。でも、どこから読んでもまるで意味をなさない。『ようこそ！』は分かるのに…？　ふと、漢字を平がなに変換してみた。そして、一番上の文字を横読みしてみる。「ひき…かえ…？」いや、まさかね。不穏なメッセージだから分かりにくくしてあるとか、考え過ぎだよね？

【書籍概要】

【著者プロフィール】

さいマサ

三重県出身。2019年『あなたの命、課金しますか?』が第3回野いちご大賞を受賞し、デビュー（スターツ出版）。ホラー小説のほか、女性向けの恋愛・不倫をテーマにした作品の執筆を中心に活動を行う。2022年『どうか私より不幸でいて下さい』が、エブリスタ「comico女性向けマンガ原作大賞」を受賞。同作が2024年7月、日本テレビでドラマ化された。

★カバーイラスト、挿絵ともに、いま人気の新進イラストレーターが担当★

［カバーイラスト］女の子の細やかな表情を巧みに描くイラストレーター “おと” さん https://x.com/oto_3046

［挿絵］恐怖と制服を織り交ぜたイラストが人気！”ﾒﾄ” さん https://x.com/mrt_mr_