株式会社帝国データバンクは「ネイルサロン」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
ネイルサロン業界は市場拡大が続く一方、2024年の倒産件数は22件と過去最多を記録した。低資金で開業可能なため競争が激化し、人手不足や資金繰り難が課題に。市場は男性やライト層の増加で拡大するも、スタッフ不足やセルフネイルの普及などが影響している。独自サービスや高技術など「フルサービス型」ならではの強みを訴求できるかがカギに。
集計期間:2024年12月31日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
2024年に発生した、ネイルケアや関連サービスを提供する「ネイルサロン」経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は22件判明した。前年(14件)に比べて8件・約6割の急増となったほか、これまで最も多かったコロナ禍の2020年(21件)を上回り、過去最多を更新した。倒産したネイルサロンの多くが、資本金100万円未満で、マンションサロンなど小規模店の淘汰が相次いだ。
ネイルサロン市場はコロナ禍による需要急減を乗り越え、順調に拡大を続けている。ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、2024年のネイルサロンの市場規模は推計1390億円に上り、前年比16.3%増と大きく拡大した。元々の顧客ターゲットだった女性を中心に利用金額や回数が拡大したほか、韓流アイドルの影響などから気軽にネイルデザインを楽しみたいライト層、身だしなみとしてネイルケアを行う男性利用者の割合が拡大していることも、市場規模を押し上げた要因となっている。
一方で、キットなどを除けば特別な機器や資格が必要ないネイルサロン業態は、省スペースかつ低資金で開業できることから、参入障壁が比較的低い。そのため、大手から中小の美容関連企業、個人で独立したネイリストが相次いでネイルサロン市場に参入し、競争は激化している。こうした環境に加えて、施術が長時間に及ぶネイル施術には、細かい作業を長時間続けるための高い集中力と体力が求められることから、施術スタッフが定着しづらいといった人手不足の問題を抱えている。
また、コロナ禍の急激な客足減に直面し、ゼロゼロ融資などを受けることで乗り越えてきたネイルサロンも多く、新たな返済資金の確保も必要となっている。そのため、集客力があっても施術数が増やせずに収益確保がままならないネイルサロンや、リピーターや新規顧客の獲得をめぐってライバル店との激しい競争に晒された小規模なネイルサロンを中心に、事業を断念するケースが増加した。
足元では、安価で手軽なセルフネイルキット製品の普及や、設備が充実したセルフネイルサロン店舗といった新業態での開店も進んでいる。多様な顧客ニーズに応じることができる独自のサービスや高い技術力、効果的な情報発信などを通じて、フルサービス型のネイルサロン独自の優位性をどこまで訴求できるかが重要となる。
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