株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(代表取締役:田島 聡一、本社:東京都渋谷区)は、同社が運用するGenesia Venture Fund 3号(以下、GV-3)より、独自のライステクノロジーで植物性乳製品を開発するフードテックスタートアップ・株式会社Kinish(キニッシュ|代表取締役CEO:橋詰 寛也、本社:東京都新宿区、以下:「Kinish」)のシードラウンドにおいてリード出資したことをお知らせいたします。
同ラウンドの他の出資者は、ライフタイムベンチャーズ、Full Commit Partners、三菱UFJキャピタルです。
Kinishについて
Kinishは、植物分子農業を活用し、牛乳タンパク質をコメに生成させることで、乳製品を完全に代替するソリューションを開発するフードテックスタートアップです。この技術により、従来の畜産を必要とせず、環境負荷を大幅に軽減した持続可能な食品の提供が可能となります。
食品・農業は、地球温暖化や水不足、森林伐採といった世界的な環境問題と密接に関連しています。特に乳牛は、二酸化炭素の約28倍の温室効果を持つメタンガスを排出し、人間の数十倍もの水を消費することから、環境問題における重要な課題として認識されています。そのため、環境負荷低減の観点から、乳牛に代わる植物性乳製品への注目が高まっています。
Kinishは、独自のライステクノロジーを活用し、牛乳のような美味しさを持つ植物性乳製品を開発し、美味しさを起点にサステナブルな世界の実現を目指しています。
資金調達の背景
1. 牛乳たんぱく質(カゼイン)を含む特殊なイネの開発
乳製品の主要成分である牛乳たんぱく質の一つ、カゼインを生成するイネの研究開発を加速させ、商業スケールに対応できるイネを開発いたします。
2. 植物工場の研究開発を加速
地球温暖化により農業の困難さが増している現状に対応するため、また稲作からの温室効果ガス排出を抑制するため、高さ20cmの矮性イネを植物工場で栽培するモデルを採用しています。現在、静岡大学と共同で矮性イネに特化した植物工場の研究開発を進めており、この度の資金調達によってさらなる研究開発の推進を図ります。
3. 代替乳製品のマーケティング推進
Kinishはコメを活用した代替乳製品の開発ノウハウを有しており、このノウハウを活かして、まずはカゼインを含まない通常のコメを原料としたアイスクリームの開発を進めています。今後、日本と米国での販売を予定しており、お米の持つ可能性を広く感じてもらうため、この商品の販売マーケティングに資金を活用する予定です。
出資について
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ Associate 曽我部 崇
現代の酪農業は、大量の水や広大な土地といった限られた資源に大きく依存しており、今後の環境変動やAIの進展による水資源の再評価など、ますます厳しい条件下に置かれると考えています。一方で、既存の代替乳は味や食感において十分な改善が見られず、広く社会に受け入れられるには一歩及ばない状況でした。しかし、Kinish社は、乳の機能性を忠実に再現しながらも低コストで提供可能な要素技術を有しており、これから顕在化するであろう環境・資源問題に対して大きな社会的ニーズを満たす企業になると確信しています。Kinish社と共に未来の食と環境の革新の実現に向けてジェネシア・ベンチャーズも全力で伴走していきます。
会社概要
Kinish
会社名:株式会社Kinish
設立 : 2023年1月
本社 :東京都新宿区新宿3-5-6
代表者:代表取締役CEO 橋詰 寛也
ジェネシア・ベンチャーズ
会社名 :株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
WEB :https://genesiaventures.com/
設立 :2016年8月
本社 :東京都渋谷区道玄坂1-10-5 渋谷プレイス3F Orbit Shibuya内
事務所 :ジャカルタ)WeWork Revenue Tower, Scbd, Jl Jend.Sudirman No.52-53, Senayan, Kebayoran Baru Jakarta City, JK, 12190, Indonesia
:ホーチミン)Genesia Orbit HCMC, 53 Nguyen Co Thach, An Loi Dong, Quan 2, Ho Chi Minh City
:ベンガルール)Block L, Embassy Tech Village, Devarabisanahalli, Outer Ring Road, Bellandur, Bengaluru, KA 560103
代表者 :代表取締役/General Partner 田島 聡一
事業内容:ベンチャーキャピタル業