信じることをテーマにした『方舟を燃やす』は、角田光代による現代の傑作。困難な時代を生きる二人の葛藤が、信じることの大切さを教えてくれます!🌈
解説
『方舟を燃やす』は、私たちが信じることにどれほどの意味があるのかを問いかける作品。著者の角田光代は、情報が氾濫する現代において、信じることの重要性と、その影響を深く掘り下げます。物語は、全く異なる背景を持つ二人のキャラクター、飛馬と不三子を中心に展開し、彼らの成長や葛藤を描き出します。SNSやフェイクニュースが日常の一部となっている今だからこそ、この作品を通じて「信じる」とはどういうことなのか、今一度考えさせられるのです。😊📚
この記事のポイント!
1. 二人の主人公が描く信じることの重要性
2. SNSとフェイクニュースがもたらす影響
3. 現代社会の葛藤をリアルに反映した物語
4. 多様な情報源に対する問いかけ
5. あらゆる世代に共鳴するテーマ
デマ、フェイクニュース、宗教、オカルト、SNSなど、誰もが何かを信じたいこの世界で、「信じる」ことの意味を問いかける『方舟を燃やす』は発売から一年、静かに熱い共感の声を集めています。
著者のNHK番組出演でも注目された本作は、今回の吉川英治文学賞受賞をきっかけにさらに多くの方に読まれていく令和を代表する傑作小説です。
ノストラダムスの大予言からコックリさんなどの都市伝説から三歳児神話、医療健康系の誤情報や、カルト宗教、SNSでのデマや噂話、ゴシップネタにフェイクニュースなど、私たちは巷にあふれるたくさんの情報に常に触れて生きています。角田光代の新刊『方舟を燃やす』は、昭和からコロナ禍までをひたむきに生きた飛馬と不三子という二人を描くことで、人は何故何かを信じてしまうのか、「信じる」ことの意味を私たちに深く問う、今の時代だからこそ読むべき物語として注目を集めています。
『方舟を燃やす』内容紹介
オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか?
口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ないよ――。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける傑作長篇。
著者紹介
角田光代(かくだ・みつよ)
1967年神奈川県生れ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、14年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、21年『源氏物語』(全3巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)、25年『方舟を燃やす』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』他エッセイなど多数。
書籍データ
【タイトル】方舟を燃やす
【著者名】角田光代
【発売日】2024/02/29
【造本】四六判ハードカバー
【定価】1,900円(税込)【ISBN】978-4-10-434608-0