約10年前からの変化を分析した結果、子宮頸がんに関する認知度が上昇していることが明らかに!✨
解説
今回の調査は、すべての女性の健康をサポートするウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』が実施しました。おかげで、子宮頸がんやHPVワクチンに関する理解度が約10年でグン!と向上したことがわかったんだ🌟特に「子宮頸がんの原因を知っている」と答えた人が倍増し、これは嬉しいニュース。だけど、キャッチアップ接種についての情報を知らない人も多くて、まだまだ啓発が必要だなと思ったよ🔍そして今後も、もっと多くの女性に正しい情報を届けて、安心して検診を受けられる社会作りを目指したいね💕
(株)エムティーアイが運営する、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内でさまざまな意識調査を行い「ルナルナ通信」として発信しています。
Vol.66では、女性の健康教育と予防医療の推進活動を行う一般社団法人シンクパール(代表理事:難波美智代)と2016年より毎年共同で実施している、「子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(以下、「HPV」)ワクチンに関する意識・実態調査2025」の結果をお届けします。
今回の意識調査では、2016年の調査開始当初と比較して、子宮頸がんの原因や予防方法について知っている(理解している)と回答した人が2~3割増加し、子宮頸がんに関する理解が深まっていることがわかりました。
また、「HPVワクチン」の定期接種の機会を逃した人に向けて、再度公費でHPVワクチンの接種が可能な「キャッチアップ接種」の実施を知っている人のうち、実施期間が延長されたことを知っている人は半数程度で、対象者だけでなく保護者世代も含め、信頼できる情報を簡単に得られる環境づくりの重要性を感じました。
本調査の結果が、子宮頸がんやHPVワクチンについて考え、理解を深めるきっかけになることを願います。
調査実施時期:2025年3月6日(木)~3月10日(月)
調査方法:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』、『ルナルナ ベビー』にて調査 有効回答数:女性2,611名
■ 約10年で子宮頸がんの理解度がアップ!原因や予防方法についても知っているとの声が増加
2016年から実施している本意識・実態調査。10年目となる今回、子宮頸がんに関する2016年からの実態変化を測りました。
※2016年の調査結果はこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000289.000002943.html
Q.あなたは「子宮頸がん」という病気をどの程度知っていますか?
最初に、子宮頸がんという病気の認知度を聞いたところ、「名前は知っている」47.9%、「名前だけでなく、病気についても知っている」50.8%という結果になりました。2016年には「名前は知っている」61.3%、「名前だけでなく、病気についても知っている」と回答した人は38.4%だったことから、12ポイント以上増加し、病名だけでなく病気自体の理解が深まった人が増加していることがうかがえます。
Q.あなたは子宮頸がんの原因を知っていますか?
Q.あなたは子宮頸がんの予防方法を知っていますか?
次に、子宮頸がんの原因を知っているかを聞いてみたところ、「よく知っている(よく理解している)」「大体知っている」合わせて54.9%で、過半数が知っているという結果でした。2016年には「よく理解している」「大体知っている」合わせて32.8%にとどまっていたため、22ポイント以上増加したことから、原因についての認知も広がっていることがわかります。さらに予防方法についても聞いたところ、「よく知っている(よく理解している)」「大体知っている」合わせて61.5%が知っているという結果でした。2016年には「知っている」31.0%、「知らない」69.0%だったことから、知っていると回答した人の割合が30ポイント以上増加しており、子宮頸がん検診やHPVワクチンについての理解度が上がっているようです。
約10年間で、子宮頸がんについては原因や予防方法も含めて理解が深まっていることがわかりました。子宮頸がん検診を受けたことがある割合については、一般的な受診率が4割程度※1のところ今回の調査では65.5%で、『ルナルナ』ユーザーの健康意識の高さを改めて感じる結果となりました。
20歳以上の女性は、2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を受けることが推奨されています※2。子宮頸がんは、早期発見・治療により比較的治癒しやすいがんとされているため、20歳になったらまず検診を受けてほしいと思います。
■ HPVウイルスの認知度は約7割。しかし、具体的にどんなウイルスか知っている人は少なく・・・
Q. 「子宮頸がん」の原因がヒトパピローマウイルス(HPV)であることを知っていますか?
Q. HPVがどのようなウイルスか知っていますか?
続いて、子宮頸がんの原因であるHPVについて聞きました。「子宮頸がんの原因がHPVであることを知っていますか」という問いについては、「知っている」「なんとなく知っている」合わせて69.7%が知っていると回答したものの、「HPVがどのようなウイルスか知っていますか」という問いについては、「知っている」「なんとなく知っている」合わせて43.5%で、HPVについてよく理解している人は比較的少ないようです。
HPVは、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルス※3です。多くの場合ウイルスは自然に排除されるものの、一部の人では排除されず、数年から数十年にわたって持続的に感染してしまった場合には、子宮頸がんの前がん病変(がんになる手前の状態)や子宮頸がんになってしまうことがあります※4。誰でもかかる可能性のある疾患であることを理解して、定期検診の受診や、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されている「HPVワクチン」接種※1などを通じた対策を実施してほしいと思います。
■ キャッチアップ接種の認知度は5割程度。認知していても実施期間の延長は知らない人も多く・・・
Q.HPVワクチンについて、「キャッチアップ接種」という制度があることを知っていますか?
子宮頸がんの予防方法のひとつとして、HPV感染を予防する効果のある「HPVワクチン」の接種が挙げられます。現在、小学校6年生から高校1年生相当の女性はHPVワクチンを公費で接種することが可能です。
HPVワクチンについては、接種の積極的勧奨が差し控えられていた間※5に、定期接種の対象者がワクチン接種の機会を逃している状況がありました。そういった人に向けて、再度公費でHPVワクチンの接種が可能な「キャッチアップ接種」が実施されています。「キャッチアップ接種」という制度を知っているか調査したところ、「知っている」「なんとなく知っている」合わせて50.7%で、約半数が認知している結果でした。
Q.キャッチアップ接種には、年齢および接種経験有無などの条件があることを知っていますか?
Q.キャッチアップ接種には、実施期間(期限)があることを知っていますか?
キャッチアップ接種の対象者は、2つの条件(①1997年4月2日から2009年4月1日までに生まれた女性であること、②過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていないこと)を満たす人です。キャッチアップ接種を知っている人に、こういった条件が設けられていることを知っているか聞いたところ、「知っている」「なんとなく知っている」と回答した人は合わせて82.0%でした。また、接種の実施期間(2022年4月から2025年3月まで)があることについては、86.6%が知っているとのことでした。キャッチアップ接種を知っていると回答した人は、その多くが対象者の条件や実施期間について理解していることがわかりました。
Q.キャッチアップ接種の実施期間が延長されたことを知っていますか?
キャッチアップ接種に伴う、大幅なワクチン需要の増加により、HPVワクチンの接種を希望しても受けられなかった人がいることを受け、2022年4月から2025年3月31日までの間にHPVワクチンを1回以上接種した人は、2026年3月まで、残りの回数も公費で接種することが可能になりました※6。
そこで、キャッチアップ接種を知っている人に、実施期間が延長されたことを知っているかも聞いたところ、「知っている」「なんとなく知っている」と回答した人は64.6%で、キャッチアップ接種自体は知っていても、実施期間の延長については知らない人が3割以上いるという結果となりました。
HPVワクチン接種は自己判断ですが、「公費であれば接種したい」と考える人が接種機会を逃さないためにも、こういった制度やワクチンの効果・副反応に関する正しい情報に簡単にアクセスできる環境づくりが重要だと考えます。
■接種を迷っている・したくない理由では、副反応の心配や信頼できる情報がないとの声が多く・・・
Q.あなたはHPVワクチンを接種したいと思いますか?
最後に、HPVワクチンを接種したいかを聞きました。結果は、「すでに接種した」26.2%、「接種したい・接種する予定がある」5.6%、「どちらかというと接種したい」11.5%、「接種を迷っている」9.3%、「できれば接種したくない」5.5%、「接種する予定はない」42.0%でした。
「すでに接種した」と回答した人に、接種しようと思った理由を聞いたところ、「家族から接種を勧められて」を選択した人が50.1%で最多、次いで「自治体からのお知らせをみて」31.8%、「キャッチアップ接種の実施を知って」21.9%という結果でした。また「接種したい・接種する予定がある」「どちらかというと接種したい」と回答した人の理由として最も多かったのは、「自分で判断して」41.1%、次いで「キャッチアップ接種の実施を知って」20.5%、「積極的接種勧奨の再開に関するニュースをみて」17.6%となりました。安全性について特段の懸念が認められないことがあらためて確認されたことや、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたこと※6、公費として接種できて経済的に負担がかからないことなどが接種のきっかけとなっているのではないでしょうか。
「接種を迷っている」と回答した人にその理由を聞いたところ、「接種後の副反応が心配だから」が68.9%で最多、「接種の効果効用がわからないから」34.9%、「信頼できる情報がないから」34.0%と続きました。「できれば接種したくない」「接種する予定はない」と回答した人については、本調査が全年代対象のため「接種対象者ではないため」が48.1%を占めていたものの、続く回答としては「接種後の副反応が心配だから」30.0%、「信頼できる情報がないから」17.5%、「接種の効果効用がわからないから」13.5%で、接種を迷っている人と同様の理由が上位でした。2021年の調査でも、接種する予定がない人の理由としては、副反応が心配、信頼できる情報がない、接種の必要性を感じない、効果効用がわからないという声が上位に挙がっており、理由に大きな変化はないことがわかりました。
HPVワクチンの接種後には、50%以上の確率で接種部位に痛みを感じると報告されています。また、腫れや赤みといった症状のほか、ごくまれに重いアレルギー症状が生じる場合もあるようです。一方、ワクチン接種によって、子宮頸がんの原因の50~90%(ワクチンの種類により変動)を防ぐことができます※4。
ワクチン接種は自己判断だからこそ、信頼できる医師への相談や公的機関が出す情報収集などを通して多角的に情報を取り入れて、結論を出してほしいと思います。
今回の調査では、子宮頸がんについて調査を開始した2016年と比較して、子宮頸がんや予防方法について理解が深まっていることがわかり、約10年間調査を続けてきた『ルナルナ』とシンクパールとしては非常に嬉しい結果となりました。
HPVワクチンについては、キャッチアップ接種の実施を知っている人のうち、実施期間の延長を認知している人は半数程度でした。キャッチアップ接種の対象者は、2022年4月から2025年3月末までにHPVワクチンを1回以上接種している場合、2026年3月まで、残りの回数も公費で接種可能です。まだ接種していない対象者の方は、この機会に検討してみることをおすすめします。
本調査の結果が、子宮頸がんやHPVワクチンについて考え、理解を深めるきっかけになるよう願っています。
『ルナルナ』は今後も、「FEMCATION®(フェムケーション)※7」を通じて、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。
≪ 慶應義塾大学名誉教授、福島県立医科大学副学長 吉村泰典先生からのコメント ≫
2016年より実施いただいている本調査で、子宮頸がんあるいは検診、HPVワクチンに対する皆様の理解の深まりを拝見し、大変ありがたく思います。私は産婦人科医として長年医療の現場に属し、もっと早く医療にかかっていただければお支えできたいのちや、叶えることができた出産のご希望に何度も向き合いました。近年、世界では、性別に限らずジェンダーニュートラルに接種できるHPVワクチンと、検診制度の充実、早期治療の実現によって子宮頸がんになる女性をゼロにできる時代になりました。残念ながら日本ではいまだに子宮頸がんになる女性は減らず、男性向けのワクチンも定期接種化されていない現状です。「HPV感染により男性もがんになると科学で示されたわけですから、政府は速やかに定期接種化を進め、地域、教育、医療と連携をいただきながら、最新の信頼できる情報発信に努めること」が重要です。
≪ 東京大学医学部附属病院放射線科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川 恵一先生からの
コメント ≫
この度は貴重なご意見をお聞かせくださりありがとうございました。日々の診療以外に、がん教育、職場でのがん対策、仕事との両立支援等を通して、患者さんやそのご家族とがんに向かい、私自身もがんを患ったことで予防と早期発見の大切さを改めて我が身をもって再認識いたしました。今回の調査結果にも表れてきたように日本でも「ヘルスリテラシー」の高まりがようやく可視化されてきました。特に子宮頸がんは、唯一予防ができるがんですから、ワクチンの正しい理解と検診受診で予防をしていただきたいです。先般 「医学生の力でがん予防教育を広げ、社会の健康意識を向上させる」ことを目的に一般社団法人医学生によるがん教育推進協会を設立いたしました。社会のヘルスリテラシー向上に向けた取り組みの他、安心してワクチンを接種いただけるようにその効果や副反応についてもさらなる啓発が必要だと思います。
≪一般社団法人シンクパール 難波美智代 代表理事からのコメント≫
今回も調査にご協力をいただきましてありがとうございます。「子宮頸がん予防には、HPVワクチン接種と20歳からの検診受診」を多くの方に知っていただくことができました。一方で、ワクチンの副反応へのご不安を改めて確認しなんとも申し訳ない限りです。まだ啓発の余地があるのだと思います。今回、定期接種を知らなくて接種の機会を逃してしまった「誕生日が1997年4月2日~2009年4月1日の女性」は、今年3月31日までに1回でも接種を行なえば、令和7年度中無料で接種できる(通常は10万円程度)キャッチアップ制度延長の実施が発表され、教育現場を中心のこの啓発に力を入れていましたが、同時にワクチン接種をしても、子宮頸がん検診は必ず行なって欲しいことをお伝えしていきたいと思います。わからないことへのやみくもな不安は誰にでもあるものです。自分の未来を大切に思う全ての人が、確かな情報を得て前向きな選択が行えるように。知った人から動き、理解を共有して支える活動に、引き続きご協力をお願いいたします。
※1:国立がん研究センターがん情報サービス「がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/screening/screening.html
※2:厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
※3:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
※4:厚生労働省「HPVワクチンについて知ってください~あなたと関係のある“がん”があります~」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf
※5:厚生労働省「HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000918718.pdf
※6:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html
※7:「FEMCATION®」は(株)エムティーアイの登録商標で、FEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた
造語です。
※『ルナルナ』は(株)エムティーアイの登録商標です。
-
サイト名:ルナルナ®
-
概要:すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス
<無料コース>生理日予測を始めとする、女性のカラダとココロの健康管理サービス。過去の生理日から生理日・排卵日を予測し、日々の体調変化をお知らせします。
<ベーシックコース>デリケートな女性のカラダとココロの健康情報サービス。生理日管理に加えて、あなたにあったカラダやお肌、ココロの状態を365日サポートします。
<ファミリーコース/プレミアムコース>妊活から妊娠・出産までを独自の予測ロジックやアドバイスでサポートするサービス。妊娠しやすいタイミングを「仲良し日」としてお知らせし、妊活を手厚くサポートします。
-
課金額:ベーシックコース:月額198円(税込)、ファミリーコース:月額330円(税込)、プレミアムコース:月額 400円(税込)
-
アクセス方法:『ルナルナ』で検索