松家仁之の新作小説『天使も踏むを畏れるところ』が2025年3月26日に刊行!戦後の「新宮殿」建設がテーマで、歴史的な人間ドラマが描かれています。
解説
『天使も踏むを畏れるところ』は、松家仁之が描く戦後の新宮殿建設を巡る物語です。古い明治宮殿が焼け落ちた後、象徴天皇にふさわしい新しい宮殿が求められる中、建築家・村井俊輔を中心に多彩なキャラクターが登場します。彼らの立場や視点から、一大プロジェクトの裏側や人間ドラマを丁寧に描いており、読者は時代の変化と共に生きる人々の葛藤に感情移入することができるでしょう。特にトークイベントでは、松家さんや建築の専門家から直接話を聞ける貴重な体験が待っています。皆さんもぜひ参加して、新たな視点から作品を楽しんでみてください!✨
この記事のポイント!
1. 史実に基づいた物語が展開される。
2. 多彩な視点から描かれる登場人物たち。
3. 戦後日本の背景を深く掘り下げている。
4. トークイベントで著者の思いを聞ける。
5. 話題となる新作の魅力を発信している。
若き建築家のひそやかな恋と図書館設計コンペを描いたデビュー作『火山のふもとで』(読売文学賞受賞)が今年1月、刊行から13年を経て文庫化され、ベストセラーとなっている松家仁之さん。最新作となる長篇小説『天使も踏むを畏れるところ』が3月26日に新潮社より刊行されることが決定し、書影と刊行記念イベント情報を解禁します。
終戦間近の1945年5月、激しい山の手空襲により、皇居内にあった木造の明治宮殿が焼け落ちた。戦後、再建が望まれるものの、社会全体の復興と「戦災した国民の生活向上を最優先とすべし」という昭和天皇のご意向もあり、長らく見送られたままだった。敗戦から15年、民主国家となった新しい日本と、象徴天皇にふさわしい「新宮殿」造営という一大プロジェクトが、いよいよ始動する。
設計を委嘱された建築家・村井俊輔を中心に、建設省から宮内庁に出向した建設技官、宮内庁の造営責任者、天皇の侍従、皇太子の教育掛、美智子妃と親交を結ぶ園芸家の女性など、さまざまな視点からこの世紀のプロジェクトを描きだす。「小説を読む歓び」をたっぷりと堪能できる新たな傑作の誕生です。
『天使も踏むを畏れるところ』刊行記念 トーク&サイン会 開催決定!
刊行に際し、紀伊國屋新宿本店とジュンク堂書店池袋本店でトークイベントの開催が決定しました。
紀伊國屋新宿本店では、建築家の堀部安嗣さんをお招きし、設計や建築家、皇居「新宮殿」の魅力について、また、ジュンク堂書店池袋本店では、皇室の近現代史がご専門の河西秀哉さん(名古屋大学大学院准教授)をお招きし、皇室と日本社会の変遷について、それぞれ繙いていただき、松家さんには執筆当時のエピソードや作品にこめた思いなどを語っていただく予定です。
■紀伊國屋書店新宿本店でのイベント概要
【日時】 2025年3月29日(土) 13:40開場 / 14:00開演
【会場】 紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース
【登壇者】 松家仁之氏、堀部安嗣氏(建築家)
【参加費】 チケット制 1,500円(税込)
※参加費にサイン会用の書籍代金は含まれません。別途にお買い求めください。
※トーク終了後にはサイン会を実施、松家仁之さんから対象書籍『天使も踏むを畏れるところ 上巻』にサインを入れていただけます。
■ジュンク堂書店池袋本店でのイベント概要
【日時】2025年4月22日(火) 19:00開場/19:30開演
【会場】ジュンク堂書店池袋本店
【登壇者】松家仁之、河西秀哉(名古屋大学大学院准教授)
【参加費】2000円
※「会場参加チケット」以外に「オンライン視聴チケット」、「上下巻セット付きオンライン視聴チケット」もございます。
著者コメント
建築家・村井俊輔の視点だけでは、「新宮殿」造営という大きな物語を立体的に描くことはできません。建築と同じように、窓もあれば、一階、二階もあり、外側から見るのと内側から見るのとの違いもあります。百年に一度あるかないかの国家的プロジェクトとはいえ、造営に関わる一人一人の立場を考えれば、ささいな呟きにも重みが出てくる。プロジェクトの推移を人物の視点を変えながら見ていくことで、できるだけすみずみまで描いてみたい――そう考えました。
書籍内容紹介
空襲で焼け落ちた明治宮殿に代わる、戦後日本、象徴天皇にふさわしい新宮殿を――。
敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という大プロジェクトが始まった。
世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、 かつてない密度とスケールの大長篇。
著者紹介
松家仁之(まついえ・まさし)
1958年、東京生まれ。編集者を経て、2012年、デビュー長篇『火山のふもとで』を発表。同作で読売文学賞受賞。2013年『沈むフランシス』、2014年『優雅なのかどうか、わからない』、2017年の『光の犬』で河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞、2022年『泡』を刊行。共著・編著に『新しい須賀敦子』『須賀敦子の手紙』、新潮クレスト・ブックス・アンソロジー『美しい子ども』、「伊丹十三選集」全3巻など。
書誌データ
【タイトル】天使も踏むを畏れるところ 上下
【著者名】松家仁之
【発売日】2025年3月26日
【造本】四六判 上552頁 下552頁
【定価】上2970円(税込) 下2970円(税込)
【ISBN】上 332814-8 下 332815-5