五感を使って日本の文化を深く体験できるこのプログラムは、次世代への文化の継承も目的としています。日本の美を体感してみよう!
解説
千總文化研究所が主催する「五感から知る言葉にならない日本の美」は、日本の美を学ぶユニークなワークショップシリーズです✨4月19日には、奈良の依水園で漆芸家・小西寧子さんによる講演と作品鑑賞が行われます。このプログラムでは、漆の艶や螺鈿の煌めきを学びつつ、文化や技術の伝承にも重点を置いています。また、参加費用の一部は次世代育成プログラムに充てられます。新しい日本の文化の形を共に考える機会を楽しみにしていてください!🌸
この記事のポイント!
1. 漆と螺鈿に関する深い学び
2. 日本文化の体験を通じた学びの場
3. プログラム参加費が次世代育成に寄与
4. 日本の美を五感で感じる機会
5. 国指定文化財での特別な体験
460余年の歴史をもつ京友禅の老舗・千總を母体とした千總文化研究所(所在地:京都市中京区、代表理事:西村總左衛門)は、大人が日本の文化芸術を学ぶワークショップ・講演会シリーズ「五感から知る言葉にならない日本の美」の第3回を2025年4月19日(土)に依水園・寧楽美術館(奈良市水門町74)にて開催いたします。
「五感から知る言葉にならない日本の美」詳細
https://icac.or.jp/public/7532/
キービジュアル
本プログラムは、日本の第一線で活躍する表現者・技術者による五感を切り口としたワークショップ・講演会です。人の感性に立ち返って、文化芸術を深く知る体験を提供いたします。本プログラムの収益は、当研究所が企画・開発を進める次世代育成プログラムの運営に充てられます。次世代に伝え遺したい日本文化を共に考え、大人の学びが子どもの学びの支援となる「学び」のバトンを繋ぐことで、文化継承の新たな形を社会に創ります。
プログラム第3回のテーマは、「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」です。
漆芸家の小西寧子氏を迎え、漆と螺鈿の美しさ、漆工品のものづくりについてご講演いただきます。会場は、国指定文化財である「依水園」にて講演に加え、プログラムの後半は小西寧子氏の作品鑑賞茶会と庭園見学を行います。
小西寧子作「螺鈿重ね箱」
小西寧子作「鋸歯文(きょしもん)螺鈿箱」
-プログラム概要-
第3回 「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」
小西寧子氏(漆芸家)
会場 :公益財団法人名勝依水園・寧楽美術館(奈良市水門町74)
日時 :2025年4月19日(土)13:30~15:40 (受付:13:00)
定員 :先着30名
参加費:30,000円
〈お申し込み〉
期日:2025年4月13日(日)まで *定員になり次第締め切ります
千總文化研究所公式ウェブサイト内「研究会・イベント」ページ( https://icac.or.jp/event/#booking )または下記二次元コードよりお申し込みください。
二次元コード
-タイムテーブル-
13:00~ 受付
13:30~14:20 講演
14:30~15:40 体験プログラム:小西氏の作品鑑賞茶会と庭園見学(解説付き)
依水園
日本の伝統工芸では、その土地土地で採取される天然素材を活かし、その気候風土や歴史を映す美意識と技が培われてきました。
螺鈿は、真珠層と呼ばれる貝殻の内側の美しい面を模様の形に切り取り、器物を飾る技法で、世界各地に見られます。「鈿」は飾る、「螺」は巻貝を意味し、貝は夜光貝、鮑や白蝶貝、黒蝶貝などが使われます。日本には奈良時代に中国から螺鈿の品々がもたらされ、漆と組み合わされて日本の工芸技術として独自の発展を遂げました。螺鈿の中でも1ミリほどの厚みのものを「厚貝螺鈿」、0.1ミリ以下まで薄くしたものを「薄貝螺鈿」と呼び、厚みが異なることで、貝の光り方、煌めく色の表情が異なります。
奈良の漆工芸は、厚貝螺鈿を用いた正倉院宝物の修理や復元を手掛ける職人が輩出された背景から、厚貝螺鈿の技術が継承され、天平の美を今に伝えています。
名勝(国の文化財)に指定された庭園を持つ依水園にて、奈良の風土を感じながら螺鈿の材料や道具、作品を手に取りご鑑賞いただきます。漆芸家が見出す「素材が持つの光」を、皆様と共に探訪します。
【登壇者プロフィール】
小西寧子(漆芸家)
1968年、奈良生まれ。京都女子短期大学部文化国語専攻卒業。1992年、結婚を機に実家の家業である漆工芸を始める。父・北村昭斎(重要無形文化財保持者)に師事。2006年、文化庁文化財修理技術者講習会修了、2009年「螺鈿の系譜 人間国宝 北村昭斎展」(高島屋大阪店)に出品。ギャラリーきのわ(奈良市)にて個展開催。2012年、国際漆芸玩飾展(北京 QIAO GALLAERY)出品、2013年、「北村繋・小西寧子二人展」(高島屋大阪ギャラリーNEXT)開催、2015年~2017年、「工藝を我らに」展(資生堂アートハウス)に出品。受賞歴として、2001年日本伝統工芸近畿展近畿支部奨励賞受賞、2011年第40回日本伝統工芸近畿展にて奈良県教育委員会長賞。
漆芸家 小西寧子氏
■「五感から知る言葉にならない日本の美」について
ープログラムー
第1回 2024年11月16日(土)
「五感のバランスの再構築ー香りがうつす日本の感性ー」
畑正高氏(株式会社松栄堂 代表取締役社長) *終了いたしました
第2回 2025年2月22日(土)
「ウイスキーの香りと味わいの世界ー日本のものづくりー」
福與伸二氏(サントリー株式会社 チーフブレンダー) *終了いたしました
第3回 2025年4月19日(土)
「漆の艶と螺鈿の煌めきー素材がもつ光を求めてー」
小西寧子氏(漆芸家)
第4回 2025年7月26日(土)
「自然から紡ぐ佇まいー見て触れて知る竹の姿ー」
黒田正玄氏(竹細工・柄杓師 14代)
第5回 2025年10月11日(土)
「五感で楽しむ五人囃子ー音を観て時空の旅へー」
大倉源次郎氏(能楽囃子方大倉流小鼓方16世宗家)
*会場 :京都市または京都市近郊(回により異なります)
*時間 :午後の時間帯(回により異なります)
*定員 :30名/各回
*参加費:30,000円(税込)/各回
【プログラムの背景】
日本には、世界に誇るべきさまざまな文化芸術があり、そこには数えきれないほどの卓越した技術が凝縮されています。日本のものづくりにみる息を呑むような繊細な美や技術が、どのように伝承されてきたものか、誰もがその物語を知りたいと願っているのではないでしょうか。一方で、人の記憶や経験、歴史的・地理的な背景から重層的に構成された知識や概念を紐解き、深く理解することは容易なことではないでしょう。しかしそれが、日本の繊細なものづくりや長い伝統を持つ文化芸術を難しくする一つの要因かもしれません。
そうした問題意識から、本プログラムでは、日本の第一線で活躍する表現者・技術者による五感を切り口とした講演とワークショップを設計いたしました。世代や時空を越えて受け継がれ完成されるもの、材料に見られる唯一無二の特性、修練を重ねて体得された表現に、五感を研ぎ澄ませる体験を提供いたします。
これは、人のプリミティブな感性に立ち返った文化芸術の伝承であり、デジタル技術によって様々な事柄を容易に他者と共有できる現代への問いとして、共有と共感の次元を転換する試みでもあります。
*各回の登壇者プロフィールならびに一般社団法人千總文化研究所が開発を進める次世代育成プログラムについては、添付資料をご覧ください。
[法人概要]
法人名 : 一般社団法人千總文化研究所
Institute for Chiso Arts and Culture
代表理事: 西村 總左衛門
所在地 : 〒604-8166 京都府京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80
設立日 : 2017年3月30日